その他 陽明:東洋医学における二つの側面
陽明とは、東洋の医学において、自然のリズムと体の働きが深く結びついていることを示す大切な言葉です。この言葉は、主に二つの意味で使われています。一つは自然界のエネルギーである「気」の流れ方を説明する考え方で、もう一つは体の中を流れるエネルギーの通り道である経絡について説明する考え方です。まず、「気」の流れ方を説明する考え方では、陽明は乾燥した状態を表す「燥気」を指します。これは秋の気候や、草木が実をつけ成熟していく様子と結びつけられています。秋になると空気は乾燥し、万物は成熟して次の段階へと移り変わっていきます。この移り変わりを促す力が「燥気」であり、陽明の持つ重要な性質の一つです。次に、経絡について説明する考え方では、陽明は「胃経」と「大腸経」という二つの経路を指します。胃経は食べ物を消化し、体に必要な栄養を取り入れる働きを担っています。一方、大腸経は不要なものを体外に排出する働きを担っています。どちらも生命を維持していく上で欠かせない働きであり、これらを合わせて陽明と呼びます。一見すると、乾燥した気候と、消化吸収や排泄の働きは関係ないように思えるかもしれません。しかし、東洋医学では、自然界の変化と体の働きは互いに影響し合っていると考えます。秋は実りを収穫し、不要なものを整理して冬支度をする季節です。この自然のリズムは、体の中でも同じように栄養を取り込み、不要なものを排出するという働きと対応しています。つまり、陽明は自然界のエネルギーの循環と体の機能が調和していることを示す言葉なのです。
