その他 氣隨液脫:生命の根本を支える津液の重要性
体の中に流れる大切な水のようなもの、これを東洋医学では津液と呼びます。この津液には、血液やリンパ液など、体の中にある様々な液体が含まれます。津液は体に栄養を届け、不要なものを体の外に出したり、体温を保ったりと、生きていく上で欠かせない大切な働きをしています。この津液が何らかの原因で大量に失われてしまうと、体に必要な潤いがなくなり、生命の源である気も損なわれてしまいます。この状態を氣隨液脫と言います。氣隨液脫は、命に関わることもある深刻な状態です。例えば、ひどい下痢や吐き気、大量の汗などで津液が失われると、体に力が入らなくなったり、目の前がぐるぐる回ったり、意識がぼーっとしたりすることがあります。これは、津液が不足することで気が弱まり、体の働きが衰えてしまうからです。東洋医学では、気と津液は互いに助け合って体のバランスを保っていると考えています。津液は気を支え、気は津液を体に行き渡らせるというように、両者は切っても切れない関係にあります。そのため、津液が不足すると気も弱まり、逆に気が不足すると津液も滞ってしまうのです。氣隨液脫は、まさにこの気と津液の関係の大切さを示す重要な病態です。津液が不足して気が弱まっている状態なので、治療では、失われた津液を補い、同時に気を養うことが重要になります。具体的には、体に良い食事や漢方薬などで、体の内側から元気を取り戻していくことが大切です。また、安静にして体力を温存することも重要です。氣隨液脫は深刻な状態なので、少しでも異変を感じたら、すぐに専門家に相談することが大切です。
