心身医学

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元気の源、魄の力

東洋医学では、心は目に見えないけれど様々な働きを持つと考えられています。その働きは大きく二つに分けられ、一つは「魂魄(こんぱく)」の魂(こん)に代表される精神活動に関わる部分、もう一つは魄(はく)に代表される身体活動に関わる部分です。この記事では、魄について詳しく説明します。魄とは、私たちの身体を活発に動かし、生命力を保つ源となるものです。例えるなら、私たちを動かすエネルギーのようなものです。車で言うとガソリンのようなもので、魄が充実している時は車は力強く走り、魄が不足している時はパワー不足で走りにくくなります。魄は、呼吸や食べ物の消化、睡眠といった生きるために欠かせない体の働きを支えています。魄が充実していれば、しっかりと呼吸ができ、食べた物をきちんと消化し、夜もぐっすり眠ることができます。反対に、魄が弱まっていると、浅い呼吸になったり、食欲がなくなったり、消化不良を起こしたり、眠りが浅くなったりします。また、魄は気力や体力にも関係しています。魄が充実している人は、エネルギッシュで疲れにくく、病気にも強い傾向があります。反対に、魄が弱まると、疲れやすくなり、病気にかかりやすくなったり、気力が低下して何事にもやる気が起きなくなったりします。魄は目には見えませんが、私たちの体や心の状態に大きな影響を与えています。東洋医学では、心身の不調の原因を魄の弱まりと捉え、治療や養生を行うことがあります。魄を養うことで、心身の健康を保ち、より良く生きるための助けとなるのです。