その他 耳茸:耳にできる腫瘍について
耳茸とは、耳の穴から鼓膜までの管、つまり外耳道にできるきのこのような形の小さなできもので、正式には耳蕈と呼ばれます。まるで耳の中に小さな茸が生えたように見えることから、この名前がつけられました。耳茸は、外耳道の粘膜から盛り上がったいぼのような病変で、ポリープの一種です。色は赤みを帯びていることが多く、触ると柔らかく、痛みはあまり感じません。この耳茸ができる原因の一つに、外耳道の炎症や細菌、カビなどの感染が挙げられます。耳かきなどで耳の中を傷つけてしまうと、そこから炎症が起こり、耳茸ができることがあります。また、中耳炎などで耳の中に膿が溜まっていると、それも耳茸発生の原因となります。さらに、アトピー性皮膚炎や耳だれを伴う皮膚の湿疹といった皮膚の病気も、耳茸のできやすさに関わっていると考えられています。これらの病気がある方は、耳の中も炎症を起こしやすいため、耳茸ができやすい状態にあると言えます。耳茸自体は痛みを伴わないことが多いのですが、大きくなってくると耳の穴を塞いでしまい、耳が詰まったような感じが生じたり、音が聞こえにくくなることがあります。また、耳茸に細菌やカビが感染すると、耳だれが出てきたり、耳の痛みや熱っぽさを感じたりすることがあります。ほとんどの場合は良性のできものですが、ごくまれに悪性の腫瘍である場合もあります。耳の中に違和感を感じたら、自己判断せずに早めに耳鼻咽喉科で診てもらうことが大切です。医師による適切な診断と治療を受けることで、安心して過ごせるようになります。
