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支飮:肺と胸につゆが停滞する症状

支飮(しいん)とは、東洋医学で使われる病名の一つで、肺や胸のあたりに体の中の水分が過剰に溜まって滞ってしまう状態を指します。この水分は、東洋医学では津液(しんえき)と呼ばれ、体全体に栄養や潤いを与える大切なものです。食べ物から作られた栄養を体の隅々まで運び、関節や筋肉を滑らかに動かすなど、様々な役割を担っています。この津液は、本来なら体内でバランス良く作られ、巡り、不要なものは排出されます。しかし、何らかの原因でこのバランスが崩れると、津液が過剰に作られたり、うまく巡らなかったり、排出が滞ったりします。すると、体に不調が現れ、様々な病気を引き起こすのです。支飮は、この津液の滞りが肺や胸の部分に集中した状態と考えられています。西洋医学の病名で言うと、肺に水が溜まる肺水腫や、胸に水が溜まる胸水貯留といった病気に似たところがあります。しかし、東洋医学と西洋医学では病気の見方や診断の仕方が違いますので、これらの病気が全く同じものと言うことはできません。西洋医学では、検査の数値や画像診断といった科学的な方法で診断しますが、東洋医学では、その人の体質や症状、脈や舌の状態などを総合的に見て判断します。脈診や舌診といった東洋医学独特の診察方法も用いられます。また、体質や症状に合わせて、体に溜まった余分な水分を取り除き、津液のバランスを整える治療を行います。具体的には、漢方薬や鍼灸、食事療法などを組み合わせて、患者さん一人ひとりに合った治療法が選択されます。