耳下腺炎

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耳下腺炎と東洋医学:發頤の理解

耳下腺炎は、耳の下にある唾液腺である耳下腺が腫れて痛みを伴う病気です。この腫れは炎症によって起こり、多くはウイルス感染、特におたふく風邪ウイルスによるものです。細菌感染によって起こる場合もあります。耳下腺炎になると、耳の下が腫れて痛むだけでなく、熱が出たり、頭が痛くなったり、体がだるくなったりすることもあります。特に、おたふく風邪ウイルスによる耳下腺炎は、子供の頃に多く見られ、人から人へとうつりやすいので、集団で発生することもあります。適切な治療を受けないと、髄膜炎や難聴といった耳の病気、男性では精巣炎、女性では卵巣炎といった生殖器の病気を併発する可能性もあるため、注意が必要です。近年では、予防接種のおかげで、おたふく風邪ウイルスによる耳下腺炎になる人は減ってきていますが、今でも注意が必要な病気です。東洋医学では、この耳下腺炎を「發頤」と呼びます。「發」は腫れや炎症を、「頤」はあごや耳の下あたりを表しています。東洋医学では、この發頤は、体に余分な熱や毒が溜まっている状態だと考えます。例えば、脂っこい物や甘い物を食べ過ぎたり、過労やストレスが溜まったりすると、体に熱や毒が溜まりやすくなります。この熱と毒が耳下腺に集中することで、腫れや痛みといった症状が現れると考えられています。また、免疫力の低下も発症の一因だと考えられています。東洋医学では、一人ひとりの体質や状態に合わせて、熱や毒を取り除き、免疫力を高める治療を行います。漢方薬や鍼灸治療などが用いられ、症状の緩和と再発予防を目指します。
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耳根癰:耳の後ろの腫れ

耳根癰(じこんよう)とは、耳の後ろにある骨の一部、乳様突起に起こる炎症です。この乳様突起は、小さな空洞が無数に集まった、蜂の巣のような構造をしています。ここに細菌やウイルスが入り込み、炎症を起こして膿がたまってしまう病気が耳根癰です。乳様突起に膿がたまると、まず耳の後ろが赤く腫れあがり、強い痛みを感じます。炎症が進むと、熱が出て、耳から膿のような分泌物が出たり、耳が聞こえにくくなることもあります。さらに、乳様突起は脳や顔面神経と非常に近い位置にあるため、炎症が周囲に広がると、脳炎や髄膜炎、顔面神経麻痺といった深刻な合併症を引き起こす危険性があります。特に、体の抵抗力がまだ十分に育っていない小さなお子さんは、耳根癰にかかりやすく、重症化しやすい傾向があります。お子さんの耳の後ろが腫れていたり、痛みを訴えたりする場合は、すぐに医療機関を受診することが大切です。耳根癰の治療は、炎症の原因となっている細菌やウイルスを退治するために、抗生物質や抗ウイルス薬が用いられます。また、痛みや熱を抑える薬も併せて使われます。膿が大量にたまっている場合は、切開して膿を取り出す手術を行うこともあります。早期に発見し、適切な治療を行えば、多くの場合、後遺症を残さずに治すことができます。しかし、治療が遅れると、難聴が後遺症として残ってしまう可能性も出てきます。そのため、少しでも異変を感じたら、早めに耳鼻咽喉科を受診し、専門医の診察を受けるようにしましょう。日頃から、お子さんの耳の状態をよく観察し、清潔を保つことも大切です。