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内傷:心と体の隠れた不調

内傷とは、東洋医学において、身体内部に生じる損傷のことを指します。これは、転倒や打撲といった外から見える傷とは異なり、臓腑の機能低下や生命エネルギーの乱れといった、目に見えない損傷を意味します。東洋医学では、健康とは単に身体の組織や器官が正常に機能している状態ではなく、気・血・津液と呼ばれる生命エネルギーが滞りなく全身を巡っている状態だと考えられています。この生命エネルギーの流れが阻害されると、内傷が生じるとされています。内傷を引き起こす要因は様々です。例えば、過労や睡眠不足、偏った食事、激しい感情の起伏、冷えなどが挙げられます。これらは、生命エネルギーのバランスを崩し、臓腑の働きを弱める原因となります。臓腑はそれぞれ特定の役割を担っており、例えば、心は精神活動を、肝は血液の貯蔵と疏泄を、脾は消化吸収を、肺は呼吸を、腎は成長と発育を司るとされています。これらの臓腑の働きが乱れると、様々な不調が現れます。内傷は静かに進行し、自覚症状が現れにくいという特徴があります。初期症状としては、倦怠感、食欲不振、不眠、イライラ、集中力の低下などが挙げられます。これらの症状を放置すると、さらに深刻な病気に発展する可能性があります。まるで水面に広がる波紋のように、内傷の影響は徐々に全身に広がり、心身のバランスを崩していくのです。ですから、普段から生活習慣を整え、心身のバランスを保つことが内傷の予防、ひいては健康維持に繋がると言えます。