
肝鬱脾虚:心と体の繋がり
肝鬱脾虚とは、東洋医学の考え方で、肝のはたらきがスムーズでなくなり、その結果、脾のはたらきも弱まってしまう状態のことを指します。
肝は、体や心の様々な活動に関係しています。自律神経のバランスを整えたり、血液の流れを良くしたり、精神活動を安定させるといった重要な役割を担っています。まるで体の司令塔のように、全身の機能を調整していると言えるでしょう。
一方、脾は、食べ物から栄養を吸収し、全身に運ぶという大切なはたらきをしています。体にとって必要なエネルギーを作り出す源であり、生命活動を維持するために欠かせない臓器です。また、水分代謝にも関わっているため、むくみにも関係しています。
この肝と脾は、お互いに影響を与え合う関係にあります。肝のはたらきが滞ると、気の流れが乱れ、その影響が脾に及んで、脾のはたらきも弱まってしまうのです。これが肝鬱脾虚と呼ばれる状態です。
肝鬱脾虚になると、イライラしやすくなったり、気分が落ち込んだり、不安を感じやすくなったりと、精神的に不安定になりやすいです。また、食欲不振、お腹の張り、消化不良、倦怠感、めまいといった体の不調も現れます。
現代社会は、ストレスが多く、生活習慣も乱れがちです。これらの要因は、肝のはたらきを阻害し、肝鬱脾虚を招きやすいと考えられています。
東洋医学では、肝と脾のバランスを整えることが、心身の健康を保つ上で重要だと考えています。規則正しい生活を送り、ストレスを溜め込まないように心がけることが大切です。そして、これらの臓器のはたらきを助ける食材を積極的に摂り入れることも、健康維持に繋がります。