その他 五更泄:夜明けの不調
五更泄とは、毎朝決まった時刻、特に夜明け頃から午前七時頃にかけて、腹痛や便意を催し、水のような便が出る症状を指します。この時間帯は、東洋医学では「五更」と呼ばれ、一日のうちで陽気が最も弱まっている時間とされています。太陽が昇り始める直前、陰気が最も極まる時間帯に起こる泄瀉であることが、五更泄の大きな特徴です。東洋医学では、この五更泄は脾腎陽虚が原因と考えられています。脾は飲食物から栄養分を吸収し、全身に運ぶ働きを担い、腎は体内の水分代謝や生命エネルギーを蓄える働きを担っています。これらの働きが弱まっている状態を脾腎陽虚といい、温煦作用、つまり身体を温める機能が低下することで、夜明け前に下痢が起こりやすくなると考えられています。具体的には、朝方の冷えによってお腹が冷やされ、腸の蠕動運動が活発になり、下痢を引き起こすとされています。また、消化吸収力の低下も五更泄の要因の一つです。脾の機能が低下すると、食べた物がうまく消化吸収されず、水分の多い便となって排出されてしまいます。五更泄は、単なる下痢とは異なり、繰り返されることで体力の消耗を招き、日常生活にも大きな支障をきたします。また、精神的な負担も大きいため、適切な対処が必要です。症状が続く場合は、自己判断せず、専門家に相談することが大切です。五更泄は、生活習慣の改善や、身体を温める食材を積極的に摂ることで改善が見込める場合もあります。規則正しい生活を送り、冷え対策を心掛けることが重要です。
