閉経:原因と東洋医学的アプローチ

東洋医学を知りたい
先生、『閉經』ってどういう意味ですか?漢字からなんとなく、月経がこないってことはわかるんですけど…

東洋医学研究家
いいところに気がつきましたね。その通り、『閉經』は月経がこなくなることを指します。ただ、単に月経がこないというだけでなく、思春期に月経が始まらない、または初潮を迎えた後、3か月以上月経が止まってしまうことを言います。

東洋医学を知りたい
なるほど。つまり、もともと月経がきていない場合と、きていたのにこなくなってしまった場合の両方が『閉經』なんですね。思春期以降の場合は関係ないんですか?

東洋医学研究家
そうですね。思春期以降で月経がこなくなる場合、例えば妊娠や授乳期、更年期などは『閉經』とは呼びません。それぞれ生理的な状態、または更年期による変化と捉えるからです。閉經は、本来月経がくるべき時期に様々な原因で月経がこなくなってしまうことを指します。
閉經とは。
東洋医学で使われる言葉『閉経』について説明します。閉経とは、思春期に月経が順調に来なかったり、初潮を迎えた後、三か月以上月経が止まってしまうことを指します。
閉経とは

閉経とは、本来月経があるべき年齢にもかかわらず、月経がこない状態を指します。女性の一生において、月経が始まる初潮と、月経が終わりを迎える閉経は、大きな転換期と言えるでしょう。月経がない状態には、大きく分けて二つの種類があります。一つは、思春期を迎えても初潮が訪れない「原発性無月経」です。もう一つは、以前は順調に月経があったにもかかわらず、三か月以上月経が停止している「続発性無月経」です。閉経は、病気そのものというよりは、体からの何らかのサインとして捉えるべきです。その原因は実に様々で、一つに特定できるものではありません。
現代医学では、ホルモンのバランスの乱れが主な原因と考えられています。過度な精神的な負担や、急激な体重の増減、激しい運動なども、月経に影響を及ぼすことがあります。また、生まれつきの体の特徴や、子宮や卵巣の病気が原因となる場合もあります。もちろん、妊娠も月経が止まる自然な原因の一つです。閉経は、女性の健康に大きな影響を与える可能性があります。妊娠が難しくなるだけでなく、骨がもろくなることもあります。そのため、何が原因で月経が止まっているのかを正しく見極め、適切な処置をすることが大切です。
東洋医学では、閉経をホルモンバランスの乱れだけでなく、体全体の気・血・水のバランスの乱れとして捉えます。気とは生命エネルギー、血とは血液そのものだけでなく栄養などを含む体液、水は血液以外の体液を指し、これらが滞りなく巡っていることで健康が保たれると考えます。東洋医学では、体質や症状に合わせて、食事や生活習慣の指導、鍼灸治療、漢方薬の処方などを行い、根本的な原因にアプローチしていきます。体全体のバランスを整えることで、心身ともに健やかに過ごせるようサポートします。
| 項目 | 現代医学の見解 | 東洋医学の見解 |
|---|---|---|
| 閉経の定義 | 本来月経があるべき年齢にもかかわらず、月経がこない状態 | 本来月経があるべき年齢にもかかわらず、月経がこない状態 |
| 月経停止の種類 |
|
– |
| 閉経の原因 | ホルモンバランスの乱れ(過度の精神的負担、急激な体重の増減、激しい運動など)、生まれつきの体の特徴、子宮や卵巣の病気、妊娠 | 気・血・水のバランスの乱れ |
| 閉経の影響 | 妊娠が難しくなる、骨がもろくなる | – |
| 治療アプローチ | 原因に応じた適切な処置 | 体質や症状に合わせた食事・生活習慣指導、鍼灸治療、漢方薬処方による根本原因へのアプローチ |
東洋医学の見方

東洋医学では、月経は体全体の調和が保たれていることで正常に営まれると考えられています。特に「腎」「肝」「脾」と呼ばれる臓腑の働きが重要であり、これらのバランスが崩れると月経の異常や閉経につながると考えられています。
「腎」は生命エネルギーの源であり、成長や発育、生殖機能を司っています。腎のエネルギーが充実していれば、月経も順調に訪れます。しかし、加齢や過労、ストレスなどにより腎のエネルギーが衰えると、月経周期の乱れや月経量の減少、そして閉経へと至ることがあります。まるで植物が水を失って枯れていくように、腎のエネルギーが不足すると体の機能が低下していくのです。
「肝」は血を貯蔵し、全身にスムーズに巡らせる働きを担っています。肝の働きが順調であれば、情緒も安定し、月経も規則正しく訪れます。しかし、ストレスや精神的な緊張が続くと、肝の働きが乱れ、血の流れが滞ってしまいます。すると、月経痛や月経不順といった症状が現れ、ひいては閉経を招く可能性があります。これは、まるで川の流れが滞ると、水は濁り腐ってしまうように、血の流れが滞ると体に様々な不調が現れることを示しています。
「脾」は飲食物から栄養を吸収し、「気」と「血」を生み出す働きをしています。気は生命活動を支えるエネルギーであり、血は全身に栄養を運ぶ役割を担っています。脾の働きが健全であれば、気と血が十分に生成され、月経も順調に訪れます。しかし、脾の働きが弱まると、気と血の生成が不足し、月経量の減少や閉経につながることがあります。これは、まるで大地が痩せて作物が育たなくなるように、脾の働きが弱まると体全体のエネルギーが不足してしまうことを意味します。
このように、東洋医学では閉経を単なる老化現象ではなく、体全体のバランスの乱れが引き起こす一つの兆候と捉えています。そのため、治療においては個々の体質や症状に合わせて、腎・肝・脾のバランスを整えることを重視します。漢方薬や鍼灸治療などを用いて、それぞれの臓腑の働きを調整し、全身の調和を取り戻すことで、閉経に伴う様々な症状を改善し、健康な状態へと導いていきます。
| 臓腑 | 働き | バランスが崩れた場合 | 例え |
|---|---|---|---|
| 腎 | 生命エネルギーの源。成長・発育・生殖機能を司る。 | 月経周期の乱れ、月経量の減少、閉経 | 植物が水を失って枯れる |
| 肝 | 血を貯蔵し、全身にスムーズに巡らせる。 | 月経痛、月経不順、閉経 | 川の流れが滞ると水が濁る |
| 脾 | 飲食物から栄養を吸収し、気と血を生み出す。 | 月経量の減少、閉経 | 大地が痩せて作物が育たなくなる |
治療方法

東洋医学では、閉経を体の自然な変化の一部として捉えつつ、それに伴う不調を和らげ、健やかに過ごせるよう、体全体の調子を整えることに重きを置きます。その治療は、一人ひとりの体質や症状に合わせて、鍼灸治療、漢方薬、食事療法、生活習慣の改善などを組み合わせた、オーダーメイドの計画に基づいて行われます。
鍼灸治療では、経穴(ツボ)と呼ばれる特定の場所に鍼やお灸を施します。これは、体のエネルギーの流れである「気」の巡りを良くし、血の巡りを促し、ホルモンバランスを整える効果が期待できます。例えば、精神的なストレスやイライラなど、感情の乱れを整えることで、気の流れの滞りを解消し、更年期症状の改善を目指します。また、加齢とともに衰えがちな生命エネルギーを補い、体の根本的な力を高めることで、閉経に伴う様々な不調にも対応します。さらに、消化吸収機能を高め、栄養をしっかり体に巡らせることで、全体のバランスを整え、不調を根本から改善していきます。
漢方薬は、複数の天然由来の生薬を組み合わせたものです。これもまた、個々の体質や症状に合わせて、その人に最適な処方が選ばれます。例えば、先ほどと同様に、生命エネルギーの不足を補う薬、気の巡りを良くする薬、消化吸収機能を高める薬などを用いて、月経周期の乱れや閉経に伴う不調を改善します。
食事療法と生活習慣の改善も、東洋医学の治療には欠かせない要素です。栄養バランスの良い食事を心がけ、体を動かす習慣をつけ、質の良い睡眠を十分にとることで、体全体のバランスを整え、自然治癒力を高めます。特に、旬の食材を積極的に摂り入れることは、自然のリズムと調和し、体のバランスを整える上で重要です。
このように、東洋医学の治療は、表面的な症状を抑えるだけでなく、体全体の調和を図り、自然治癒力を高めることで、根本的な改善を目指すものです。西洋医学とは異なる視点から、心身全体の健康を目指します。

生活習慣の改善

更年期を迎えるにあたって、健やかな日々を送るには、日々の暮らし方を整えることがとても大切です。食事、運動、睡眠、そして心の持ちよう、これら全てが月経に影響を及ぼします。
まず、食生活について考えてみましょう。体に必要な栄養をまんべんなく摂ることが基本です。特に、血を補うと言われる食べ物は意識して摂りたいものです。例えば、レバーやほうれん草、ひじきはおすすめです。また、冷えは体に不調をきたす大きな原因となります。体を温める効果のある生姜やネギなども積極的に食卓に取り入れ、冷えやすい体質を改善することで、月経の巡りを整える助けとなります。
次に、体を動かすことの大切さについてお話します。体を動かすことは、血の巡りを良くし、心の緊張を和らげる効果があります。激しい運動である必要はありません。散歩や軽い体操、ゆったりとした動きで体を伸ばすことなど、無理なく続けられる範囲で体を動かす習慣を身につけましょう。
そして、睡眠も重要な要素です。睡眠が不足すると、ホルモンのバランスが崩れ、月経の乱れや更年期障害の引き金となることがあります。深く質の高い睡眠を十分に取るように心がけましょう。
最後に、心の状態についてです。過剰なストレスは、ホルモンバランスを乱し、心身に様々な不調を招きます。ゆったりとくつろげる時間を作ったり、好きなことに没頭する時間を持つなど、自分なりの方法でストレスと上手に付き合うことが大切です。
このように、規則正しい生活を送り、心身ともに健康な状態を保つことが、穏やかな更年期を迎えることにつながります。毎日の暮らしの中で、できることから少しずつ、生活習慣の改善に取り組んでいきましょう。

予防と対策

女性にとって、閉経は避けて通れない自然な体の変化です。完全に防ぐことは難しいものの、日ごろの生活習慣を正しく整え、体質を改善することで、閉経に伴う不調を軽くしたり、時期を遅らせたりすることは可能です。
バランスの取れた食事を心がけましょう。体に必要な栄養をしっかりと摂ることで、ホルモンのバランスが整い、規則正しい月経周期を保つ助けとなります。具体的には、色々な種類の食品を満遍なく食べることが大切です。主食、主菜、副菜を揃え、肉や魚、野菜、海藻、豆類など様々な食材を取り入れるようにしましょう。
適度な運動も重要です。激しい運動ではなく、散歩や軽い体操など、無理なく続けられる運動を選びましょう。体を動かすことで血液の巡りが良くなり、ホルモンバランスの調整にも役立ちます。また、質の良い睡眠を十分に取ることも大切です。睡眠不足はホルモンバランスを崩す原因となるため、毎日同じ時間に寝起きするなど、規則正しい睡眠習慣を身に付けましょう。
ストレスは体の様々な機能に悪影響を及ぼし、月経にも影響を与えます。趣味を楽しんだり、リラックスできる時間を作ったり、自分なりのストレス解消法を見つけるようにしましょう。
特に若い女性は、無理な食事制限や過度な運動は避け、心身ともに健康な状態を保つことが大切です。また、冷えは月経不順や閉経を早める原因の一つと考えられています。体を冷やさないように、温かい飲み物や食べ物を積極的に摂り、衣服で調整するなど工夫しましょう。
月経が三か月以上途絶えている場合は、自己判断せず、すぐに医療機関を受診しましょう。適切な検査と治療を受けることで、症状の悪化を防ぐことができます。市販薬などを勝手に服用するのは避け、専門家の指示に従って治療を進めましょう。早期発見、早期治療は、閉経に伴う不妊や骨がもろくなるといったリスクを減らす上で重要です。また、健康診断を定期的に受けることも早期発見につながりますので、積極的に受診しましょう。

