月経過少:その原因と対策

東洋医学を知りたい
先生、『月經過少』ってどういう意味ですか?なんとなく、生理の量が少なくなることのような気はするのですが、はっきりとした意味が知りたいです。

東洋医学研究家
そうですね。月經過少とは、生理の周期は正常範囲内であるものの、経血量が極端に少ない状態を指します。通常、生理の出血量は20~140ml程度ですが、月經過少の場合はこれより著しく少ない状態です。

東洋医学を知りたい
じゃあ、生理が来ないこととは違うんですね?

東洋医学研究家
はい、違います。生理が全く来ない場合は『無月経』と言います。月經過少は生理が来るけれども出血量が少ない状態なので、無月経とは区別されます。周期は正常範囲内であることがポイントです。
月經過少とは。
東洋医学では、生理の周期は正常なのに、出血の量がいつもより少ないことを『月經過少』といいます。
月経過少とは

月経過少とは、月経の周期はいつも通りなのに、出血の量がとても少ない状態を指します。一般的には、月経の期間が二日より短い、あるいは出血の量が三十ミリリットルに満たない場合、月経過少と診断されます。
普段の月経では、子宮の内側にある膜(子宮内膜)が厚くなり、赤ちゃんを迎え入れる準備をします。しかし、妊娠に至らなかった場合は、この内膜ははがれ落ちて、経血として体外へ排出されます。月経過少の場合、この内膜の育ち方が十分でない、あるいははがれ落ちる量が少なく、そのため出血量が少ないと考えられています。
このような状態は一時的な場合もありますが、長く続く場合は、体に何らかの不調が隠れている可能性も考えられますので、注意が必要です。例えば、過度な食事制限や激しい運動、強いストレスなどが原因で、月経に影響を及ぼすことがあります。また、子宮や卵巣などの病気が原因となっている場合もあります。
東洋医学では、月経は女性の健康状態を映し出す鏡と考えられています。月経過少は体からの大切なサインです。気(生命エネルギー)、血(血液)、水(体液)のバランスが崩れていると、月経にも影響が出ると考えられています。特に、「血」の不足は月経過少に大きく関わるとされています。「血」は全身に栄養を運ぶ大切な役割を担っており、「血」が不足すると、子宮内膜が十分に育たず、経血量も少なくなってしまうのです。また、冷えも月経に影響を与えます。体が冷えると、血の流れが悪くなり、月経過少につながる可能性があります。
月経過少が続く場合は、自己判断せず、医療機関を受診し、根本原因を探ることが大切です。生活習慣の見直しや、適切な治療を受けることで、月経のバランスを整えることができます。

考えられる原因

月経の量が少なくなる、いわゆる月経過少。これは様々な要因が考えられ、その原因を特定することは容易ではありません。まず、日々の生活習慣の影響を無視することはできません。過度な食事制限や栄養バランスの偏り、激しい運動などは、身体の調子を整えるホルモンのバランスを崩し、子宮内膜の生育に影響を与えます。子宮内膜は月経時に剥がれ落ちるものですが、十分に育たなければ剥がれ落ちる量も当然少なくなります。
また、心身の状態も月経に大きく関わっています。強い不安や悩み、過労、不十分な睡眠などは、身体の機能を調整する自律神経の働きを乱し、月経周期や量に変化をもたらします。自律神経は、私たちの意識とは無関係に、呼吸や消化、ホルモン分泌など生命維持に必要な機能をコントロールしています。この自律神経のバランスが崩れると、月経にも影響が及ぶのです。
さらに、子宮や卵巣の病気が隠れている可能性も考慮しなければなりません。子宮内膜症や子宮筋腫、子宮内膜の癒着、子宮の発育不全などは、月経過少の直接的な原因となることがあります。これらは、子宮内膜の状態を変化させたり、月経血の排出を妨げたりすることで月経の量を少なくします。
年齢を重ねることによる身体の変化も月経過少に繋がります。特に閉経が近づくと卵巣の働きが弱まり、女性ホルモンの分泌が減少するため、月経周期が乱れたり、量が少なくなったりします。これは自然な老化現象の一つではありますが、急激な変化や他の症状を伴う場合は注意が必要です。
最後に、特定の薬の影響も忘れてはいけません。避妊薬などのホルモン剤は、ホルモンバランスに直接作用するため、月経過少を引き起こすことがあります。薬を服用している場合は、その影響についても考慮する必要があります。
このように、月経過少の原因は多岐にわたるため、自己判断は危険です。気になる症状がある場合は、速やかに専門家に相談し、適切な助言と治療を受けるようにしてください。
| 月経過少の原因 | 詳細 |
|---|---|
| 生活習慣 | 過度な食事制限、栄養バランスの偏り、激しい運動などによるホルモンバランスの崩れや子宮内膜生育への影響 |
| 心身の状態 | 強い不安や悩み、過労、不十分な睡眠などによる自律神経の乱れが月経周期や量に変化をもたらす |
| 子宮や卵巣の病気 | 子宮内膜症、子宮筋腫、子宮内膜の癒着、子宮の発育不全など |
| 加齢 | 閉経に伴う卵巣機能の低下と女性ホルモン分泌の減少 |
| 薬の影響 | 避妊薬などのホルモン剤によるホルモンバランスへの作用 |
東洋医学的見解

東洋医学では、月経過少は体全体の調和が乱れた結果として捉えます。特に、「腎」「脾」「気」「血」そして「瘀血」といった概念が深く関わっています。
まず「腎」は、人の成長や発育、生殖機能を司る根本的なエネルギー源と考えられています。生命力が湧き出る源泉のようなもので、月経の周期や経血量にも大きな影響を与えます。「腎」の働きが弱まると、月経の周期が乱れたり、経血量が少なくなったりすることがあります。
次に「脾」は、飲食物から栄養を吸収し、全身に運ぶ働きを担います。東洋医学では、この「脾」が「気」と「血」を生み出す源と考えられています。「気」は生命活動を支えるエネルギー、「血」は体を滋養する栄養豊富な液体を指します。「脾」の働きが弱ると「気」と「血」が不足し、月経にも影響を及ぼします。「気」が不足すると、月経の周期が不安定になったり、経血量が少なくなったりします。「血」が不足すると、経血の色が薄くなったり、量が少なくなったりします。
さらに、「瘀血」も月経過少の原因の一つです。「瘀血」とは、スムーズに流れずに滞ってしまった血液の状態を指します。体内の血行が悪くなると、子宮や卵巣への血液供給が不足し、月経の不調につながります。「瘀血」があると、月経痛や月経過少だけでなく、肌のくすみやシミ、冷え性などの症状が現れることもあります。
東洋医学では、これらの不調和を「腎」や「脾」の働きを高め、「気」と「血」を補い、「瘀血」を取り除くことで整え、月経周期を正常化し、適切な経血量を取り戻すことを目指します。体質や症状に合わせて、漢方薬や鍼灸治療などを用いて、全身のバランスを整えていきます。

日常生活での対策

月経の量が少なくなるのは、体からのサインです。毎月のリズムが乱れたり、量が少なくなったりする時は、体質改善を意識した日常生活を送りましょう。
まず、食生活を見直してみましょう。体に必要な栄養が不足すると、月経にも影響が出ることがあります。特に、血液の材料となる鉄分や、体の組織を作るたんぱく質は、積極的に摂るように心がけましょう。鉄分は、レバーやひじき、ほうれん草などに多く含まれています。たんぱく質は、肉や魚、大豆製品、卵などに豊富に含まれています。その他、ビタミンやミネラルもバランス良く摂るようにしましょう。色々な食材を組み合わせて、栄養バランスの良い食事を心がけてください。
次に、適度な運動も大切です。体を動かすことで、血液の流れが良くなり、体の隅々まで栄養が行き渡りやすくなります。激しい運動は必要ありません。散歩や軽い体操、ゆったりとしたヨガなど、無理なく続けられる運動を見つけましょう。体を動かすことで、心も軽くなり、ストレス解消にも繋がります。
質の高い睡眠も心掛けましょう。睡眠不足は、体のリズムを崩し、月経にも悪影響を与えることがあります。毎日、同じ時間に寝起きするように心がけ、規則正しい生活を送りましょう。寝る前は、カフェインを摂らないようにしたり、熱いお風呂にゆっくり浸かったりするのも良いでしょう。心地よい眠りを誘う工夫をしてみましょう。
また、ストレスは万病の元とも言われます。ストレスを溜め込むと、自律神経のバランスが乱れ、月経の量にも影響することがあります。好きな音楽を聴いたり、好きな香りに包まれたりするなど、自分に合った方法でストレスを解消しましょう。
最後に、体を冷やさないようにすることも大切です。冷えは、血液の流れを悪くし、月経の不調を招くことがあります。特に、お腹や腰を冷やさないように、温かい服装を心がけましょう。冷たい飲み物や食べ物は控え、温かいものを積極的に摂るようにしましょう。毎日の入浴も、体を温める良い方法です。湯船に浸かることで、心身ともにリラックスできます。

専門家への相談

月経の量が少なく続く、月経過少でお悩みの方は、ご自身だけで判断せず、婦人科や東洋医学の専門家に相談することが大切です。婦人科では、まず詳しくお話を伺い、内診や血液検査、超音波検査などを行います。これらの検査を通して月経過少の原因を探り、見つかった原因に合わせた適切な治療を行います。場合によっては、ホルモンのバランスを整える治療や、子宮内膜症などの病気を治す治療が必要になることもあります。
東洋医学では、体全体のバランスを整え、月経の乱れを改善することに重点を置きます。そのために、あなたの体質に合った漢方薬を処方したり、鍼やお灸といった治療を行ったり、毎日の食事について具体的な助言を行います。体質からじっくりと改善していくことで、自然な形で月経周期を整えていくことを目指します。
婦人科と東洋医学は、それぞれ得意とする分野や治療のアプローチが異なります。月経過少の原因やあなたの体質、そして治療に対する考え方などを考慮し、ご自身に合った治療法を選ぶことが重要です。婦人科の検査で原因が特定できる場合もありますし、東洋医学的な視点から体質改善に取り組むことで症状が軽くなる場合もあります。それぞれの専門家の得意分野を理解した上で、ご自身の希望に合った治療を選択しましょう。
月経過少をそのままにしておくと、将来妊娠しにくくなったり、他の婦人科系の病気を引き起こす可能性も懸念されます。少しでも気になる症状がある場合は、早めに専門家に相談し、適切な治療を受けることが大切です。体の発する小さなサインを見逃さずに、積極的に健康管理に努めましょう。
| 項目 | 西洋医学(婦人科) | 東洋医学 |
|---|---|---|
| 検査 | 内診、血液検査、超音波検査など | 脈診、舌診、腹診など |
| 治療 | ホルモン療法、子宮内膜症などの治療 | 漢方薬、鍼灸、食事指導 |
| 治療方針 | 原因に合わせた治療 | 体全体のバランスを整え、月経の乱れを改善 |
| 得意分野 | 原因の特定、局所的な治療 | 体質改善、自然治癒力の向上 |
