ゆったりとした脈:緩脈を理解する

東洋医学を知りたい
先生、『緩脈』ってどういう意味ですか?何となく、ゆっくりした脈のことかな?と思うのですが、詳しく教えてください。

東洋医学研究家
良い質問ですね。『緩脈』は、確かに脈がゆっくりしていることを指しますが、ただ遅いだけでなく、脈が柔らかくゆったりとしていることも特徴です。例えるなら、静かに流れる大きな川のようなイメージです。速い脈や強い脈とはどう違うか、考えてみましょう。

東洋医学を知りたい
速い脈は、小刻みに走るような感じでしょうか?強い脈は、勢いよく流れる川のような…それで、緩脈はゆっくり大きな川のような、ということですね。

東洋医学研究家
その通りです。脈の速さ、強さ、柔らかさなど、様々な要素を総合的に見て判断するのが大切です。東洋医学では、脈診は体質や病気の状態を診る上で重要な手段となります。色々な脈に触れて、それぞれの違いを体感していくと理解が深まりますよ。
緩脈とは。
東洋医学で使われる言葉に『緩脈』というものがあります。これは、ゆったりとした脈のことを指します。
緩脈とは

緩脈とは、心臓の鼓動がゆっくりで、脈拍が少ない状態のことです。安静時に一分間に六十回未満の脈拍数を示すと、緩脈と診断されます。健康な大人の安静時の脈拍数は、通常六十回から百回程度です。ですから、緩脈はこれより遅い脈拍ということになります。
しかし、脈拍がゆっくりだからといって、必ずしも体に異常があるとは限りません。鍛え上げた体の持ち主である運動選手や、眠っている間は脈拍が少なくなる傾向があり、これは体の正常な働きによるものです。また、年を重ねるにつれても脈拍はゆっくりになることがあります。
大切なのは、脈拍が少ないことに加えて、立ちくらみ、息苦しさ、気を失うといった症状が現れるかどうかです。こういった症状が出ている時は、何らかの病気が隠れている可能性があるので、注意が必要です。
例えば、洞不全症候群という病気では、心臓の刺激伝導系に異常が生じ、脈拍が異常にゆっくりになります。この病気の場合、脈拍の減少とともに、めまい、息切れ、失神などの症状が現れることがあります。また、甲状腺機能低下症も緩脈の原因となることがあります。甲状腺ホルモンは新陳代謝を活発にする働きがあり、不足すると脈拍が遅くなることがあります。この場合も、倦怠感、寒がり、体重増加などの症状を伴うことがあります。
さらに、一部の薬も緩脈を引き起こすことがあります。高血圧の薬や狭心症の薬などがその例です。これらの薬を服用している人で脈拍が遅くなった場合は、医師に相談することが大切です。
脈拍が少ないと感じたり、脈拍の減少とともに上記のような症状が現れた場合は、速やかに医師の診察を受けましょう。自己判断はせず、専門家の適切な診断と治療を受けることが重要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | 安静時に一分間に六十回未満の脈拍数 |
| 正常な緩脈 | 運動選手や睡眠時、加齢によるもの |
| 異常な緩脈の症状 | 立ちくらみ、息苦しさ、気を失う、めまい、息切れ、失神、倦怠感、寒がり、体重増加など |
| 異常な緩脈の原因となる病気 | 洞不全症候群、甲状腺機能低下症など |
| 異常な緩脈の原因となる薬 | 高血圧の薬、狭心症の薬など |
| 注意点 | 脈拍減少とともに症状が現れたら、速やかに医師の診察を受ける |
緩脈の原因

脈がゆっくりとなる緩脈は、様々な要因で起こり得る症状です。大きく分けて、心臓そのものの問題、心臓以外の体の不調、そして薬の影響が考えられます。
まず、心臓自身に原因がある場合を見ていきましょう。生まれつき心臓の構造に異常がある場合や、年を重ねることで心臓の機能が低下し、脈を刻む力が弱まることで緩脈が起こることがあります。また、高血圧のように心臓に負担がかかる病気や、心筋梗塞のように心臓の筋肉が傷つく病気も緩脈の原因となります。心臓は全身に血液を送るポンプのような役割を持つため、心臓の不調は脈拍に直接影響を及ぼすのです。
次に、心臓以外の体の不調が緩脈を引き起こす場合についてです。甲状腺という、のどにある器官の働きが弱まると、体全体の代謝が低下し、脈拍も遅くなります。また、体内の水分やミネラルのバランスが崩れることでも緩脈が起こることがあります。さらに、睡眠時無呼吸症候群のように、睡眠中に呼吸が止まる病気も緩脈の原因となることがあります。睡眠中の呼吸停止は体に大きな負担をかけ、心臓の働きにも影響を及ぼすためです。
最後に、薬の影響についてです。高血圧の薬や不整脈の薬の中には、脈拍を遅くする作用を持つものがあります。これらの薬を服用している方は、薬の副作用として緩脈が現れる可能性があるため、注意が必要です。
このように緩脈の原因は多岐にわたるため、自己判断は危険です。脈が遅い、または脈が飛ぶ、動悸がするなど、少しでも異変を感じたら、医療機関を受診し、医師に相談することが大切です。問診や心電図検査、血液検査などを通して原因を特定し、適切な治療を受けるようにしましょう。

緩脈の症状

緩脈とは、心臓の拍動が異常に遅い状態を指します。安静時の脈拍数が毎分60回未満になると緩脈と診断されます。多くの場合、緩脈自体は特に自覚症状がないため、健康診断などで指摘されるまで気づかないこともあります。しかし、脈拍が極端に遅くなると、全身に十分な血液が送られなくなり、様々な症状が現れ始めます。
初期症状としては、軽い立ちくらみやめまい、ふらつきなどがあります。階段を上ったり、少し動いただけでも息切れを感じたり、動悸がしたりすることもあります。また、慢性的な疲労感や倦怠感に悩まされる場合もあります。これらは、心臓から送り出される血液量が不足し、脳や筋肉に十分な酸素が供給されないために起こります。
さらに脈拍が遅くなると、より深刻な症状が現れます。急に目の前が暗くなり、意識を失って倒れる(失神)ことがあります。また、意識がもうろうとしたり、胸の痛みや圧迫感を感じることもあります。このような症状が現れた場合は、命に関わる危険な状態である可能性がありますので、すぐに医療機関を受診する必要があります。
緩脈は、加齢や心臓の病気、甲状腺機能低下症などの病気が原因で起こることがあります。また、一部の薬の副作用で緩脈が起こる場合もあります。適切な治療を受けるためには、原因を特定することが重要です。日常生活の中で、上記の症状に気づいたら、早めに医師に相談しましょう。
| 症状の段階 | 症状 | 危険度 |
|---|---|---|
| 初期症状 | 軽い立ちくらみ、めまい、ふらつき、息切れ、動悸、慢性的な疲労感、倦怠感 | 低 |
| 深刻な症状 | 失神、意識もうろう、胸の痛みや圧迫感 | 高(命に関わる危険性あり) |
緩脈の診断

緩脈の診断は、まず患者さんからお話を伺うことから始まります。現在の症状、過去の病気、常用している薬など、様々なことを詳しくお聞きします。例えば、「めまいはしますか?」「息苦しさは感じますか?」「胸の痛みはありますか?」「どのような薬を飲んでいますか?」といった質問をいたします。同時に、脈を診て、脈拍の遅さを確認します。健康な大人の脈拍は、安静時に一分間に60回から100回程度ですが、緩脈ではこれよりも遅くなります。
問診と脈診である程度の状態を把握した後は、心臓の状態を詳しく調べるため、心電図検査を行います。これは、心臓の電気的な活動を記録する検査で、心臓の動きに異常がないかを調べます。心電図検査によって、不整脈や狭心症、心筋梗塞など、心臓に問題がないかを調べることができます。
さらに詳しい検査が必要な場合は、ホルター心電図検査を行うこともあります。これは、小型の記録装置を体に装着し、24時間心電図を記録する検査です。日常生活での心臓の状態を詳しく把握できるので、一時的な不整脈などを見つけるのに役立ちます。
また、心臓の構造や働きを調べるために、心臓超音波検査を行うこともあります。この検査では、超音波を使って心臓の内部の様子を画像化します。心臓の壁の厚さや動き、弁の状態などを確認することで、心臓の機能を評価することができます。これらの検査結果を総合的に判断し、適切な治療方針を決定します。

緩脈の治療

脈が遅い状態、すなわち緩脈の治療は、その原因や症状の重さによって様々です。
自覚症状がなく、日常生活に支障がない軽度の緩脈の場合、特に治療をせず、定期的な診察で経過観察することが一般的です。例えば、健康な若い方や運動選手の脈が遅い場合などは、特に心配する必要はありません。
しかし、脈が遅いためにめまいやふらつき、意識が遠のくといった症状が現れる場合は、積極的な治療が必要になります。脈が遅くなる原因が甲状腺の機能低下や電解質異常などの病気である場合も、原因となる病気を治療することで緩脈が改善することがあります。
治療法としては、脈を速める漢方薬や西洋薬を使用する薬物療法と、心臓に一定のリズムで刺激を与える機器を体内に埋め込むペースメーカー植え込み術があります。
薬物療法では、脈拍を上げる作用のある生薬成分を含む漢方薬や、西洋薬が用いられます。原因となっている病気が特定されている場合は、その病気を治すための薬を用いることもあります。例えば、甲状腺機能低下症が原因の場合は、甲状腺ホルモン薬を服用することで脈が正常に戻る可能性があります。
ペースメーカーは、心臓の鼓動が非常に遅く、薬物療法では効果が不十分な場合や、失神を繰り返す場合などに検討されます。小さな機器を手術で体内に埋め込み、心臓に電気刺激を与えて脈拍を一定以上に保ちます。ペースメーカーは電池で動くため、定期的な電池交換が必要になります。
緩脈は命に関わる重篤な状態に繋がる可能性もあるため、少しでも異変を感じたら、医療機関を受診し、専門家の診察を受けることが大切です。
| 症状 | 治療法 | 備考 |
|---|---|---|
| 自覚症状がなく、日常生活に支障がない軽度の緩脈 | 経過観察 | 定期的な診察が必要 |
| めまいやふらつき、意識が遠のくなどの症状が現れる場合 | 薬物療法、ペースメーカー植え込み術 | 原因疾患の治療も並行 |
| 甲状腺機能低下症、電解質異常など | 原因疾患の治療 | 甲状腺ホルモン薬など |
| 心臓の鼓動が非常に遅く、薬物療法で効果がない、失神を繰り返す | ペースメーカー植え込み術 | 定期的な電池交換が必要 |
緩脈の予防

脈がゆっくりになる、いわゆる緩脈。中には、日々の暮らし方を見直すことで防げるものもあります。規則正しい生活と十分な睡眠は、自律神経の働きを整え、脈を安定させる鍵です。毎日同じ時間に寝起きし、十分な睡眠時間を確保することで、体のリズムが整い、脈拍の乱れを防ぎやすくなります。
バランスの良い食事も大切です。様々な食品をバランスよく摂ることで、体に必要な栄養をしっかりと補給し、心臓の健康を保ちましょう。また、適度な運動も効果的です。ウォーキングや軽い体操など、無理なく続けられる運動を習慣に取り入れ、心臓の機能を高めることが重要です。ただし、激しい運動は逆効果になる場合もあるので、自分の体に合った運動を選びましょう。
お酒の飲み過ぎやたばこは、心臓に大きな負担をかけ、脈拍の異常を引き起こす原因となります。お酒は適量を守り、たばこはなるべく控えるように心がけましょう。
高血圧や糖尿病といった生活習慣病も、緩脈の危険因子となります。これらの病気を予防するためにも、バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけ、健康的な生活習慣を送りましょう。
定期的な健康診断も重要です。健康診断を受けることで、自覚症状のない緩脈や、その原因となる病気を早期に発見し、適切な治療を受けることができます。早期発見、早期治療は、健康を守る上で非常に大切です。気になる症状がある場合は、早めに医師に相談しましょう。
| 緩脈対策 | 詳細 |
|---|---|
| 規則正しい生活と十分な睡眠 | 自律神経の働きを整え、脈を安定させる。毎日同じ時間に寝起きし、十分な睡眠時間を確保する。 |
| バランスの良い食事 | 体に必要な栄養を補給し、心臓の健康を保つ。様々な食品をバランスよく摂る。 |
| 適度な運動 | 心臓の機能を高める。ウォーキングや軽い体操など、無理なく続けられる運動を習慣に取り入れる。激しい運動は逆効果になる場合もあるので注意。 |
| お酒・たばこ | 心臓に負担をかけ、脈拍の異常を引き起こす。お酒は適量を守り、たばこは控える。 |
| 生活習慣病予防 | 高血圧や糖尿病は緩脈の危険因子。バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠で予防。 |
| 定期的な健康診断 | 自覚症状のない緩脈や原因となる病気を早期発見。早期発見、早期治療は健康を守る上で重要。 |
