その他 速い脈拍:疾脈を理解する
疾脈とは、東洋医学の脈診において、脈拍が速く感じる状態を指します。脈診は、患者さんの手首の橈骨動脈に触れ、指先に伝わる脈の速さ、強さ、リズムなどを感じ取ることで、体内の状態を探る診断方法です。健康な大人の場合、呼吸1回あたり脈が4回打つのが標準的と考えられています。しかし、疾脈の場合は、呼吸1回あたり7回以上も脈が打つため、明らかに脈が速く感じられます。これは、1分間に換算すると100回を超えることもあり、安静にしている時でも脈拍が速く、動悸や息切れを覚えることもあります。東洋医学では、この速い脈である疾脈は、体内のバランスが崩れているサインとして捉えられます。特に熱と深い関わりがあるとされ、体内に熱がこもっていたり、炎症が起きている時に現れやすいと考えられています。例えば、風邪をひいて発熱している時や、体に炎症がある時、精神的に興奮している時などに疾脈が現れることがあります。また、陰液と呼ばれる体の潤い不足も疾脈の原因の一つとされます。陰液が不足すると、体内の熱を冷ますことができなくなり、結果として脈が速くなってしまうのです。ただし、疾脈は必ずしも病気のサインとは限りません。激しい運動の後や、強い精神的なストレスを感じた後などにも一時的に脈が速くなることがあります。このような場合は、安静にしていれば自然と脈は落ち着いてきます。しかし、特に原因がないのに常に脈が速い場合や、動悸、息切れ、めまいなどの症状を伴う場合は、体内の異変を示唆している可能性がありますので、注意が必要です。このような場合は、自己判断せずに、専門家に相談することが大切です。
