速い脈拍:疾脈を理解する

東洋医学を知りたい
先生、『疾脈』って一呼吸で何回脈が打つとそうなるんですか?

東洋医学研究家
いい質問だね。疾脈は、一呼吸あたり7回以上脈を打つとされています。少し速い脈拍ですね。

東洋医学を知りたい
ふーん、7回以上か。そんなに速いと、体に何か悪いことがあるんですか?

東洋医学研究家
そうだね。疾脈は、熱がある時や体が弱っている時などによく見られる脈です。ただ、脈が速いからといって必ずしも悪いとは限らないので、他の症状と合わせて判断することが大切だよ。
疾脈とは。
東洋医学では、「疾脈(しつみゃく)」という言葉があります。これは、人が一度呼吸する間に脈が7回以上打つことを指します。
疾脈とは

疾脈とは、東洋医学の脈診において、脈拍が速く感じる状態を指します。脈診は、患者さんの手首の橈骨動脈に触れ、指先に伝わる脈の速さ、強さ、リズムなどを感じ取ることで、体内の状態を探る診断方法です。健康な大人の場合、呼吸1回あたり脈が4回打つのが標準的と考えられています。しかし、疾脈の場合は、呼吸1回あたり7回以上も脈が打つため、明らかに脈が速く感じられます。これは、1分間に換算すると100回を超えることもあり、安静にしている時でも脈拍が速く、動悸や息切れを覚えることもあります。
東洋医学では、この速い脈である疾脈は、体内のバランスが崩れているサインとして捉えられます。特に熱と深い関わりがあるとされ、体内に熱がこもっていたり、炎症が起きている時に現れやすいと考えられています。例えば、風邪をひいて発熱している時や、体に炎症がある時、精神的に興奮している時などに疾脈が現れることがあります。また、陰液と呼ばれる体の潤い不足も疾脈の原因の一つとされます。陰液が不足すると、体内の熱を冷ますことができなくなり、結果として脈が速くなってしまうのです。
ただし、疾脈は必ずしも病気のサインとは限りません。激しい運動の後や、強い精神的なストレスを感じた後などにも一時的に脈が速くなることがあります。このような場合は、安静にしていれば自然と脈は落ち着いてきます。しかし、特に原因がないのに常に脈が速い場合や、動悸、息切れ、めまいなどの症状を伴う場合は、体内の異変を示唆している可能性がありますので、注意が必要です。このような場合は、自己判断せずに、専門家に相談することが大切です。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 疾脈 | 東洋医学の脈診で、脈拍が速く感じる状態。呼吸1回あたり脈が7回以上。 |
| 正常脈 | 呼吸1回あたり脈が4回。 |
| 原因 |
|
| 関連症状 | 動悸、息切れ、めまいなど |
| 注意 | 特に原因がないのに常に脈が速い場合、関連症状を伴う場合は専門家に相談。 |
疾脈の原因

疾脈とは、安静時に脈拍が異常に速い状態を指します。健康な成人の脈拍数は通常一分間に60から100回ですが、疾脈ではこの数値を超え、動悸や息切れを伴うこともあります。その原因は多岐にわたり、一時的なものから慢性的なもの、身体的なものから精神的なものまで様々です。激しい運動や強い感情の揺れ動き、発熱などは一時的に脈拍数を上げるため、疾脈の直接的な原因となります。これらは自然な反応であり、安静にすることで脈は正常に戻ります。しかし、特別なきっかけがないにも関わらず常に脈が速い場合は、体の中で何らかの異変が起きていると考えるべきでしょう。
東洋医学では、疾脈は体内のバランスの乱れが原因で起こると考えられています。特に「熱証」「気虚」「陰虚」といった状態が疾脈と深く関わっています。熱証とは、体内に熱がこもり過ぎている状態です。細菌やウイルスの感染による炎症や、過剰な飲酒、辛い物の食べ過ぎなどが原因で起こり、脈拍の上昇以外にも、顔の赤み、のどの渇き、便秘などの症状が現れます。気虚とは、生命エネルギーである気が不足している状態を指します。過労や睡眠不足、不規則な生活習慣などが原因で気虚になると、気力や体力が低下し、脈拍が速くなるだけでなく、疲れやすい、息切れしやすい、食欲がないといった症状も現れます。陰虚とは、体の潤いとなる「陰」が不足している状態です。加齢やストレス、過剰な性生活などが陰虚を招き、脈が速くなる他に、ほてり、寝汗、めまい、耳鳴りなどの症状が現れます。
これらの東洋医学的な考え方の他に、西洋医学的な疾患が疾脈の原因となることもあります。例えば、心臓自身の病気である不整脈や狭心症、心不全、また甲状腺ホルモンの分泌が過剰になる甲状腺機能亢進症なども疾脈を引き起こすことがあります。そのため、持続的な疾脈がある場合は自己判断せずに、医療機関を受診し、適切な検査を受けることが大切です。根本的な原因を特定し、適切な治療を受けることで、症状の改善や病気の進行を防ぐことができます。
| 分類 | 状態 | 原因 | 症状 |
|---|---|---|---|
| 一時的な疾脈 | 激しい運動、強い感情の揺れ動き、発熱など | 自然な反応 | 安静で正常に戻る |
| 持続的な疾脈 | 常に脈が速い | 体内の異変 | 医療機関の受診が必要 |
| 東洋医学的見解 | 熱証 | 体内に熱がこもり過ぎている状態 ・細菌やウイルスの感染による炎症 ・過剰な飲酒 ・辛い物の食べ過ぎ |
・脈拍の上昇 ・顔の赤み ・のどの渇き ・便秘 |
| 気虚 | 生命エネルギーである気が不足している状態 ・過労 ・睡眠不足 ・不規則な生活習慣 |
・脈拍の上昇 ・疲れやすい ・息切れしやすい ・食欲がない |
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| 陰虚 | 体の潤いとなる「陰」が不足している状態 ・加齢 ・ストレス ・過剰な性生活 |
・脈拍の上昇 ・ほてり ・寝汗 ・めまい ・耳鳴り |
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| 西洋医学的見解 | 西洋医学的疾患 | ・不整脈 ・狭心症 ・心不全 ・甲状腺機能亢進症 |
持続的な疾脈 |
疾脈の症状

疾脈とは、安静時に脈拍が速くなる状態を指します。これはそれ自体が病気ではなく、様々な要因で現れる身体のサインです。そのため、疾脈に伴う症状は、その根本原因によって大きく異なります。
例えば、熱が体内にこもる熱証が原因の場合、脈が速くなるだけでなく、発熱や悪寒、頭痛、のどの痛みなど、風邪に似た症状が現れることがあります。これは体内の熱が過剰になり、体のバランスを崩しているサインです。このような時は、熱を冷ます対策が必要です。
一方で、体のエネルギーが不足している気虚が原因の場合は、強い疲労感や倦怠感、息切れを感じやすくなります。また、食欲不振やめまいを伴うこともあります。これは、体が活動するための十分なエネルギーを生み出せない状態を示しています。気力を補うような養生が必要です。
体の潤いが不足する陰虚が原因である場合、のぼせやほてり、寝汗、口の渇き、肌の乾燥といった症状が現れます。これは体内の水分が不足し、バランスが崩れている状態を表します。このような時は、体の潤いを補うことが重要になります。
これらの症状に加えて、動悸や胸の苦しさといった心臓の不調を感じる場合もあります。また、脈が速く鼓動を強く感じることで、不安感や焦燥感といった精神的な不調を覚える人もいます。
疾脈は、単なる脈拍数の変化ではなく、体からの重要なメッセージです。そのサインを見逃さず、根本原因を探り適切な対処をすることが大切です。
| 原因 | 主な症状 | 必要な対策 |
|---|---|---|
| 熱証 | 発熱、悪寒、頭痛、のどの痛み | 熱を冷ます |
| 気虚 | 強い疲労感、倦怠感、息切れ、食欲不振、めまい | 気力を補う |
| 陰虚 | のぼせ、ほてり、寝汗、口の渇き、肌の乾燥 | 体の潤いを補う |
| (その他) | 動悸、胸の苦しさ、不安感、焦燥感 |
疾脈の治療

疾脈とは、脈拍が速く数が多い状態を指します。単なる脈の速さだけでなく、脈の強さやリズムなども含めて総合的に判断する必要があります。東洋医学では、疾脈を治療する上で、根本原因を取り除くことを重視します。そのため、表面的な症状だけを見るのではなく、体全体のバランスや機能の調和に着目します。
まず、脈診、舌診、腹診、問診といった様々な診察方法を用いて、患者の状態を詳しく把握します。これにより、体質や病状、病邪の性質などを分析し、個々に適した治療法を決定します。例えば、熱が体にこもっている熱証による疾脈の場合、体の熱を冷ます作用のある生薬を用いた漢方薬が用いられます。例えば、黄芩や黄連、石膏といった生薬が該当します。これらの生薬は、体内の過剰な熱を鎮め、炎症を抑える働きがあります。
一方、気が不足している気虚による疾脈の場合、気を補う作用のある生薬が用いられます。代表的なものとして、人参、黄耆、白朮などが挙げられます。これらの生薬は、体のエネルギーを補い、元気を取り戻す効果があります。また、体の潤いが不足している陰虚による疾脈の場合には、陰液を補う作用のある生薬が用いられます。例えば、麦門冬、天門冬、生地黄などが使われます。これらの生薬は、体の潤いを補い、乾燥を防ぐ効果が期待できます。
漢方薬による治療に加えて、鍼灸治療やマッサージなども効果的です。鍼灸治療は、特定のツボに鍼を刺したり、お灸を据えたりすることで、気の流れを整え、体の機能を調整します。マッサージは、筋肉の緊張を和らげ、血行を促進することで、体全体のバランスを整えます。
さらに、日常生活における養生も重要です。バランスの取れた食事を摂り、適度な運動を行い、十分な睡眠をとることで、体の機能を正常に保ち、病気を予防する効果が期待できます。東洋医学では、心と体の繋がりを重視するため、精神的なストレスを軽減することも大切です。穏やかな気持ちで日々を過ごすことで、心身の健康を維持することができます。

日常生活での注意点

脈の乱れは、体からの大切な知らせです。日頃から自分の脈を意識し、いつもと違うと感じたら、その変化に気付けるようにしておきましょう。例えば、安静にしている時でも脈が速く感じたり、ドキドキしたり、息が苦しくなったり、目の前が暗くなったりふらついたりするといった症状が現れたら、すぐに病院で診てもらうことが大切です。自分の考えだけで薬を飲むのは避け、専門家の先生に相談し、正しい治療を受けるようにしましょう。
規則正しい生活を送ることも、脈の乱れを防ぐことに繋がります。栄養バランスの良い食事を心がけ、体に負担のない運動を適度に行い、しっかりと睡眠を取るようにしましょう。また、心労や疲れすぎも脈の乱れの原因となります。心身ともにゆったりとリラックスする時間を作ることも大切です。お酒の飲み過ぎやたばこも控えめにしましょう。
普段から自分の脈を測る習慣をつけ、自分の平常時の脈拍数を把握しておくと良いでしょう。朝起きた時や夜寝る前など、同じ条件で測るようにすると、変化に気付きやすくなります。入浴時や食後すぐは脈拍数が変動しやすいため、これらのタイミングは避けて測定しましょう。脈を測る時は、人差し指、中指、薬指の3本の指を軽く手首の内側にあて、1分間の脈拍数を数えます。脈拍計を用いるのも良いでしょう。数えた脈拍数は記録しておき、異変を感じた際は、医師に伝えるようにしましょう。また、激しい運動の後や強い感情を抱いた後など、一時的に脈拍数が上昇することは自然な反応です。しかし、安静時にも関わらず脈が速い、遅い、または不規則な場合は、注意が必要です。これらの症状が続く場合は、速やかに医療機関を受診し、専門家の診断を受けるようにしましょう。
| 脈の乱れの兆候 | 対処法 | 予防策 | 脈拍測定 |
|---|---|---|---|
| 安静時でも脈が速い、ドキドキする、息苦しい、目の前が暗くなる、ふらつく | すぐに病院で診てもらう。自己判断で薬を飲まない。専門家の指示に従う。 | 栄養バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠、心身の休息、お酒・タバコは控えめにする。 |
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まとめ

疾脈とは、東洋医学において速い脈を指し、単に脈拍が速いだけでなく、脈の強さやリズム、脈拍の部位なども重要な診断要素となります。健康な状態でも、運動後や興奮状態などでは脈が速くなることがありますが、安静時にも常に脈が速い場合は、何らかの病気が隠れている可能性があるため注意が必要です。
東洋医学では、脈診は五臓六腑の状態を反映していると考えられています。疾脈は、心の機能亢進や、熱の症状、あるいは気の不足を示している可能性があります。例えば、過剰なストレスや精神的な緊張は心に負担をかけ、熱を生じさせ、結果として疾脈が現れることがあります。また、体に必要なエネルギーである気が不足すると、心はより多くの血液を送り出す必要が生じ、これも疾脈に繋がります。さらに、陰陽のバランスの乱れも疾脈の原因の一つと考えられています。体内の水分や栄養が不足したり、過労や睡眠不足が続くと、陰陽のバランスが崩れ、体に熱がこもることで疾脈が起こることがあります。
疾脈はそれ自体が病気というわけではありませんが、放置すると病気が悪化する可能性があります。普段から自分の脈拍を把握し、異変に気付いたら早めに医師に相談することが大切です。東洋医学的な診察だけでなく、西洋医学的な検査も必要に応じて行い、原因を特定し、適切な治療を受けることが重要です。食事や睡眠、運動など生活習慣を整え、心身の健康を保つように心がけることは、疾脈の予防だけでなく、健康な毎日を送る上でも重要です。自分の体と向き合い、日頃から健康管理に気を配ることで、様々な病気の予防に繋がります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | 速い脈。強さ、リズム、脈拍の部位も診断要素。 |
| 関連臓腑 | 心 |
| 原因 |
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| 影響 | 放置すると病気が悪化する可能性 |
| 対策 |
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