開闔樞

記事数:(1)

その他

開闔樞:陰陽のバランスと体の働き

東洋医学では、体の中の働きを陰陽という考え方で捉えます。陰陽とは、光と影、温かさと冷たさのように、相反する二つの性質でありながら、互いに支え合い、調和することで、初めて物事が成り立つという考え方です。この陰陽のバランスが保たれている状態が健康であり、崩れると病気になると考えられています。この陰陽のバランスを、体の機能に当てはめて説明するのが「開闔樞」という概念です。「開闔樞」は、体の機能を三つの側面から捉えます。まず「開」は、外に向かう作用を表します。これは、体の中に栄養やエネルギーを取り入れたり、不要な老廃物を体外に出したりする働きです。呼吸で新鮮な空気を取り込み、二酸化炭素を吐き出すのも「開」の働きです。また、汗をかいたり、排便、排尿するのも「開」の働きと言えるでしょう。次に「闔」は、内に向かう作用を表します。これは、取り入れた栄養やエネルギーを体内に蓄え、体の機能を維持する働きです。食べた物を消化吸収して、気や血に変え、体中に送るのも「闔」の働きです。さらに「樞」は、「開」と「闔」のバランスを調整する、いわば中心軸となる働きです。ちょうど、扉を開け閉めする際に、軸となる蝶番がなければ、扉の開閉がスムーズに行かないように、体の中でも「開」と「闔」の働きを円滑に繋ぐ調整役が必要です。この調整役こそが「樞」の役割です。「開闔樞」はそれぞれが独立して働くのではなく、互いに影響し合い、協調して働くことで、生命活動が維持されていると考えられています。例えば、栄養を体内に取り入れる「開」の働きと、それを体内で利用する「闔」の働き、そして、それらのバランスを調整する「樞」の働きが揃って初めて、健康な状態が保たれるのです。この「開闔樞」の考え方は、東洋医学で体を理解する上で非常に重要な概念であり、病気の診断や治療にも役立てられています。