その他 釜沸脈:緊急事態を示す危険な脈
釜沸脈とは、東洋医学の脈診において、非常に速く力強い独特な脈のことを指します。まるで水が沸騰した釜のように、脈が激しく躍動する様子からこの名が付けられました。具体的な脈象としては、まず非常に速い脈拍が特徴です。健康な人の脈拍は一分間に六十から八十回程度ですが、釜沸脈では百回を超えることも珍しくありません。まるで止めどなく湧き出る泉のように、力強い脈動が途切れることなく続きます。次に、脈の拍動の方向にも特徴があります。通常の脈は内側に向かう力と外側に向かう力が均衡していますが、釜沸脈はもっぱら外側に向かって拍動します。皮膚の表面近くで脈が強く感じられ、指で脈を取ると、脈が指先を押しのけるような感覚があります。内側に向かう力はほとんど感じられません。まるで脈が外へ外へと飛び出そうとしているかのようです。この激しく速い脈の動きは、経験豊富な医師でなくても容易に感じ取ることができます。それほどまでに釜沸脈は顕著な脈象なのです。そして、この特異な脈が現れた時は体に大きな異変が起きていると捉え、注意深く観察する必要があります。場合によっては、生命に関わる重大な病の兆候である可能性もあるからです。そのため、釜沸脈が見られた際は、速やかに詳しい診察を受けることが大切です。
