その他 視界を脅かす血翳包睛:その原因と治療
血翳包睛とは、黒目(角膜)を覆う薄い膜に、本来あるべきでない血管が新しく生えて広がってしまう病気を指します。健康な状態では、角膜には血管がありません。角膜は、光を眼球奥の網膜へ届ける大切な役割を担っており、血管があると光が遮られ、視界が妨げられてしまいます。まるで澄んだ水面に泥が混じるように、透明であるべき角膜が、血管によって濁ってしまうのです。では、なぜ角膜に血管が侵入してしまうのでしょうか。その原因は様々ですが、大きく分けて炎症、傷、酸素不足の三つが挙げられます。例えば、目にゴミが入ったり、細菌に感染したりすると、炎症が起こり、角膜に血管が入り込みやすくなります。また、目をぶつけたり、角膜が傷ついたりした場合も、傷を治そうとして血管が伸びてきます。コンタクトレンズの不適切な使用も、角膜への酸素供給を阻害し、血管新生を促す原因となります。さらに、重度のドライアイや、角膜に酸素を運ぶ血管が詰まる病気なども、酸素不足を引き起こし、血翳包睛につながることがあります。血翳包睛になると、視界がかすんだり、物が二重に見えたり、光が眩しく感じられたりします。また、目の痛みや充血、異物感などの症状が現れることもあります。初期の段階では自覚症状が乏しい場合もありますが、病気が進行すると、視力が低下し、最悪の場合失明に至る可能性もあるため、早期発見と適切な治療が非常に重要です。少しでも異常に気づいたら、眼科医に相談し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。放置すると、取り返しのつかないことになる場合もあります。
