その他 中心を整え健やかに:理中療法
理中療法とは、東洋医学に基づいた治療法で、身体の中心である脾(ひ)と胃の働きを整えることを目的としています。東洋医学では、脾と胃は単なる消化器官ではなく、飲食物から得た栄養を全身に送り届ける、いわば生命エネルギーの源と考えられています。この生命エネルギーは全身を温め、活力を与える大切なものです。理中療法が必要となるのは、主に「虚寒証(きょかんしょう)」と呼ばれる状態にある人です。虚寒証とは、脾と胃の働きが弱まり、身体が冷えている状態を指します。脾と胃の働きが弱ると、栄養をうまく吸収できなくなり、身体を温めるエネルギーが不足します。すると、様々な不調が現れてきます。例えば、食欲がなくなったり、消化が悪くなったりするほか、手足が冷えたり、疲れやすくなったり、顔色が悪くなったりすることもあります。また、お腹がゆるくなる、むくみやすい、めまいがするといった症状が現れる場合もあります。これらはすべて、身体の中心である脾と胃の働きが弱まり、身体が冷えることで引き起こされると考えられています。理中療法では、弱った脾と胃の働きを高め、身体を温めることで、これらの症状を改善していきます。具体的には、身体を温める作用のある食べ物や生薬を用いたり、お灸や鍼治療などで身体を温めるツボを刺激したりします。まるで、火が弱ってしまった竈(かまど)に薪(まき)をくべて、再び力強い炎を燃え上がらせるように、身体の中心から温めて活力を引き出すのです。そうすることで、全身のバランスが整い、健康な状態へと導かれていきます。
