その他 肺を潤す知恵:東洋医学における潤肺
東洋医学では、肺は呼吸を司る大切な臓器であるだけでなく、体の水分代謝にも深く関わっています。この水分代謝に欠かせないのが「津液(しんえき)」と呼ばれる体液です。津液は、西洋医学でいう体液とは少し異なり、栄養成分を含んだ体内の水分全体を指します。体内の潤滑油のような役割を果たし、肌や髪、内臓などを潤して滑らかに動けるように保っています。潤肺とは、この津液を補って肺を潤し、その働きを正常に戻す治療法です。秋から冬にかけては、空気が乾燥し、体内の水分も失われがちになります。すると、肺も乾燥しやすくなり、いわゆる「肺燥証(はいそうしょう)」という状態を引き起こします。肺燥証になると、空咳、痰が切れにくい、喉の渇き、肌の乾燥などの症状が現れます。また、肺は鼻と繋がっているため、鼻の乾燥や鼻血も肺燥証の症状として現れることがあります。潤肺の基本は、乾燥を防ぎ、体内に水分を補給することです。水分を多く含む食材、例えば梨、柿、白きくらげ、百合根などを積極的に摂り入れると良いでしょう。また、温かい飲み物をこまめに飲むことも効果的です。肺を温める性質を持つ生姜やネギなどを加えると、さらに効果が高まります。乾燥した空気は肺を傷めるため、加湿器を使ったり、濡れタオルを部屋に干したりするのも良いでしょう。東洋医学では、心と体は密接に繋がっていると考えられています。肺の不調は、悲しみや憂鬱といった感情とも関連があるとされています。潤肺とともに、精神的なストレスを軽減し、リラックスした状態を保つことも大切です。ゆったりとした呼吸法を練習したり、好きな音楽を聴いたり、自然の中で過ごすなど、心身ともに潤いを与える工夫をしてみましょう。
