肝陽

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風気内動:東洋医学の知恵

東洋医学では、風は万病の始めとされています。これは、自然界の風のように目に見える風ではなく、体内の生命エネルギーである「気」の乱れを指します。この「気」の乱れが風の如く体内を駆け巡り、様々な不調を引き起こすと考えられており、これを「風気内動」と言います。この風気内動は、まるで風が吹き荒れるように症状が変化しやすいのが特徴です。ある時はめまいを感じ、またある時は体が震え、あるいは痙攣や麻痺といった症状が現れることもあります。これらの症状は、突発的に現れたり消えたりする傾向があり、風の動きと同様に捉えられています。風が留まることなく動き続けるように、風気内動もまた体内で留まることなく様々な場所に影響を及ぼし、多様な症状を引き起こすと考えられています。例えば、めまいは、風が頭に上って気が乱れることで起こると考えられています。まるで風が頭を吹き抜けるように、ふわふわとした感覚や平衡感覚の失調が現れます。また、震えや痙攣は、風が筋肉や神経に影響を与え、正常な動きを阻害することで起こると考えられています。風の勢いが強いほど、震えや痙攣も激しくなるとされています。さらに、麻痺は、風が特定の場所に滞り、気の巡りを阻害することで起こると考えられています。風が吹き付けない場所には草木が育たないのと同じように、気が巡らない場所は、その機能が低下し麻痺を引き起こすと考えられています。このように、風気内動は様々な症状を引き起こす可能性のある、注意すべき状態です。風の動きを鎮め、気の巡りを整えることで、これらの症状を改善していくことが大切です。
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肝陰:肝の滋養と抑制の力

東洋医学では、肝は西洋医学でいう臓器としての肝臓だけを指すのではなく、生命エネルギー「気」の循環や貯蔵、精神状態の安定など、幅広い機能を担うと考えられています。この肝の機能は大きく「肝陰」と「肝陽」の二つの側面に分けられます。肝陰は肝の静的な側面を表し、いわば肝を滋養し潤す大切な役割を担っています。木の成長に例えるなら、肝陽は上に伸びる枝葉の勢い、肝陰は根から吸収する水や栄養といえるでしょう。肝陰は全身を潤す大切な働きをしています。例えば、目に潤いを与え、視力を保つのも肝陰の働きです。肝陰が不足すると目が乾き、かすんだり、疲れやすくなります。また、筋肉や腱を滑らかに動かすのも肝陰の役割です。肝陰が不足すると、筋肉がこわばったり、痙攣したり、手足がしびれたりするなどの症状が現れます。さらに、肝陰は精神状態を安定させる働きも担っています。肝陰が不足すると、イライラしやすくなったり、怒りっぽくなったり、落ち着きがなくなったり、不眠に悩まされることもあります。まるで木が乾燥すると、弱々しくなってしまうように、肝陰が不足すると体の様々な機能が低下し、不調が現れやすくなります。肝陰と肝陽は車の両輪のような関係です。肝陰は肝陽を制御し、肝陽は肝陰を活性化させます。この二つのバランスが保たれていることで、心身ともに健康な状態を維持することができます。肝陰が不足すると肝陽が亢進し、のぼせやイライラなどの症状が現れやすくなります。逆に肝陽が不足すると、気力や活力が低下し、疲れやすくなります。豊かな生命活動を維持するためには、肝陰と肝陽のバランスを整えることが大切です。東洋医学では、食事療法や漢方薬、鍼灸治療などを通して、肝陰を補い、肝の機能を整える方法が古くから伝えられています。