その他 清陽不昇証:巡りを良くする東洋医学
人のからだは、目には見えないけれども「気」というエネルギーによって支えられています。この「気」には様々な種類があり、その中の一つに「清陽」というものがあります。清陽とは、温かく軽い性質を持った気で、いわば体内の太陽のようなものです。太陽が大地を照らして植物を育て、私たちに活力を与えるように、清陽は頭や体表を温め、栄養し、生命活動を支えています。しかし、様々な要因によってこの清陽がスムーズに上昇しなくなることがあります。これを清陽不昇証といいます。まるで、植物に水をやらないと、先端まで水分が届かず萎れてしまうように、清陽が昇らないと、頭や体表に十分な気が巡らなくなってしまうのです。清陽不昇証になると、様々な不調が現れます。頭部に清陽が届かないため、頭が重く感じたり、めまい、ふらつき、目の霞み、耳鳴りなどが起こります。また、体表への気の巡りが悪くなるため、手足が冷えやすく、特に足先が冷たくなります。さらに、体全体の温まりが悪くなるため、寒がりになりやすく、常に体がだるく、倦怠感を感じます。まるで太陽の光が届かない場所で過ごすように、体全体が温まらず、活動力が低下してしまうのです。その他にも、食欲不振や軟便、口の中が粘つく、舌に白い苔が厚く付くといった症状も見られます。これらは、清陽の不足によって体内の水分代謝が滞り、余分な水分が体に溜まってしまうことで起こると考えられています。まるで、じめじめとした日陰で植物が育たずに弱ってしまうように、体内の環境が悪化し、様々な不調が現れるのです。このように、清陽不昇証は、一見バラバラに見える症状も、実は清陽という一つの気の働きの乱れによって引き起こされていると考えられています。
