その他 東洋医学における『志』の力
東洋医学では、心と体は一つと考えられています。あたかも一枚の布の表裏のように、心と体は密接に繋がり、互いに影響を及ぼし合っているのです。心の状態が体に変化を及ぼすことは、日常的にも経験することでしょう。例えば、嬉しい知らせを聞けば自然と顔がほころび、体が軽くなったように感じます。反対に、悲しい出来事があれば、肩が重く落ち込み、食欲も無くなってしまうことがあります。この心と体の繋がりを考える上で、東洋医学では「志」を大切にしています。「志」とは、人が何を目指し、どのように生きていきたいと願うのか、その心の持ちよう、方向性のことです。高い志、つまり、人生における明確な目的意識や理想を持つことは、前向きな感情や行動を生み出す原動力となります。目標に向かって努力する中で、困難に立ち向かう勇気が湧き、充実感や達成感を味わうことができます。このような積極的な心の状態は、気血の流れを良くし、体の機能を高め、健康の維持増進に繋がると考えられています。反対に、志が低い、もしくは欠如している状態では、不安や恐怖、怒りといった負の感情に支配されやすくなります。将来への展望が見えず、何事にも意欲が湧かない状態が続くと、気の流れが滞り、心身のバランスを崩しやすくなるのです。例えば、食欲不振や不眠、倦怠感といった症状が現れたり、免疫力が低下して病気にかかりやすくなったりすることもあります。東洋医学では、病気になってしまった時だけでなく、日々の健康管理においても「志」を高く持ち続けることが大切だと考えられています。自分の心にしっかりと向き合い、何に喜びを感じ、何を実現したいのかを見つめ直すことで、心身の調和を保ち、健やかに過ごせるようになるとされています。
