癥瘕

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その他

癥瘕:東洋医学における腫瘤の見方

癥瘕(しょうか)とは、東洋医学における独特な概念で、胸やお腹にしこりや腫れが見られる状態を広く指します。現代医学の腫瘍や嚢胞といった病気と全く同じではありません。体の中にいびつな塊が生じるという点では似ていますが、東洋医学では、癥瘕は体全体のバランスの乱れが表面に現れたものと考えます。具体的に言うと、体内のエネルギーの流れである「気」、血液の流れである「血」、水分代謝を司る「水」、これら3つの要素の滞りによって癥瘕が生じると考えます。気・血・水の滞りは、臓腑、つまり内臓の働きが弱まることで起こります。そのため、東洋医学では、癥瘕そのものだけでなく、体質や日々の暮らし方、心の状態なども含めて、体全体を診て治療を行います。西洋医学のように、腫瘍だけを取り除けば良いという単純なものではありません。癥瘕は、一つの病名ではなく、様々な症状が合わさったものです。西洋医学でいう卵巣嚢胞、子宮筋腫、子宮内膜症、肝嚢胞、胆嚢ポリープ、腎嚢胞など、様々な病気が癥瘕に当てはまります。良性か悪性かの判断基準も西洋医学とは異なり、例えば、しこりの固さ、痛み、成長速度、全身状態などを総合的に見て判断します。癥瘕は、体からの大切なサインです。体に何か異変が起きていることを知らせてくれているのです。東洋医学では、そのサインをしっかりと受け止め、根本的な原因を探り、体全体のバランスを整えることを目指します。
不妊

腸覃:月経周期と下腹部の腫瘤

腸覃(ちょうたん)とは、東洋医学における婦人科領域で用いられる病証の一つで、主に女性の月経周期と関連して変化する下腹部のしこりのような塊を指します。西洋医学の特定の病気と完全に一致するものではなく、様々な病態が含まれると考えられています。この腸覃の特徴は、月経周期に伴って大きさが変化することです。一般的には、月経前に大きくなり、月経後には小さくなるか、または消失します。場所は主に下腹部にあり、触れると抵抗感や押すと痛みを感じる場合もあります。ただし、強い痛みや熱などの症状を伴う場合は、他の病気を疑う必要があり、速やかに医療機関を受診するべきです。腸覃は、単独で症状が現れることもありますが、月経不順、月経痛、おりものの異常、不妊など、他の婦人科系の症状を伴うことも少なくありません。東洋医学では、これらの症状を一つ一つバラバラに見るのではなく、体全体のバランスの乱れとして捉えます。腸覃の成り立ちについて、東洋医学では「気」「血」「水」の巡りの滞りが関係すると考えられています。特に「気滞(きたい)」と呼ばれる気の巡りがスムーズでない状態や、「瘀血(おけつ)」と呼ばれる血の滞りがあると、腸覃が生じやすくなるとされています。加えて、冷えや水分代謝の異常も影響すると考えられています。治療においては、患者さんの体質や生活習慣、症状などを総合的に判断し、一人ひとりに合わせた漢方薬の処方や鍼灸治療などが行われます。例えば、気の巡りを良くする漢方薬や、血の滞りを解消する漢方薬、体を温める漢方薬などを用いることで、腸覃の症状改善だけでなく、体全体の調子を整えることを目指します。また、日常生活における養生指導も行い、食事や運動、睡眠などの改善を通して、根本的な体質改善を図ります。