その他 癥瘕:東洋医学における腫瘤の見方
癥瘕(しょうか)とは、東洋医学における独特な概念で、胸やお腹にしこりや腫れが見られる状態を広く指します。現代医学の腫瘍や嚢胞といった病気と全く同じではありません。体の中にいびつな塊が生じるという点では似ていますが、東洋医学では、癥瘕は体全体のバランスの乱れが表面に現れたものと考えます。具体的に言うと、体内のエネルギーの流れである「気」、血液の流れである「血」、水分代謝を司る「水」、これら3つの要素の滞りによって癥瘕が生じると考えます。気・血・水の滞りは、臓腑、つまり内臓の働きが弱まることで起こります。そのため、東洋医学では、癥瘕そのものだけでなく、体質や日々の暮らし方、心の状態なども含めて、体全体を診て治療を行います。西洋医学のように、腫瘍だけを取り除けば良いという単純なものではありません。癥瘕は、一つの病名ではなく、様々な症状が合わさったものです。西洋医学でいう卵巣嚢胞、子宮筋腫、子宮内膜症、肝嚢胞、胆嚢ポリープ、腎嚢胞など、様々な病気が癥瘕に当てはまります。良性か悪性かの判断基準も西洋医学とは異なり、例えば、しこりの固さ、痛み、成長速度、全身状態などを総合的に見て判断します。癥瘕は、体からの大切なサインです。体に何か異変が起きていることを知らせてくれているのです。東洋医学では、そのサインをしっかりと受け止め、根本的な原因を探り、体全体のバランスを整えることを目指します。
