癃閉

記事数:(1)

その他

東洋医学から見る癃閉

癃閉とは、東洋医学において、尿の出にくさや全く出ない状態を指す言葉です。西洋医学の『尿閉』とは必ずしも一致しません。西洋医学では、主に前立腺肥大や尿路結石といった器質的な問題に着目しますが、東洋医学では、尿の生成から排出に至るまでの過程全体を診て、その機能の乱れとして癃閉を捉えます。尿が出にくい、出ないといった結果だけでなく、なぜそのような状態になったのか、その原因や背景にある体質、病状も重視します。例えば、尿の色や臭い、排尿時の痛みや違和感、排尿後も尿が残っている感覚なども、診断の重要な要素となります。濃い黄色の尿は体の熱を、薄い色の尿は体の冷えを示唆している可能性があります。また、排尿時の痛みは炎症、残尿感は膀胱の機能低下を示唆するかもしれません。東洋医学では、体の状態を「気・血・水」のバランスで捉えます。癃閉は、このバランスが崩れた結果として起こると考えられています。例えば、冷えによって水分の代謝が滞ったり、気の巡りが悪くなることで膀胱の機能が低下し、尿の排出がスムーズにいかなくなることがあります。また、過度な精神的ストレスや長年の疲労の蓄積も、気の流れを阻害し、癃閉を引き起こす要因となりえます。このように、東洋医学では、西洋医学とは異なる視点から癃閉を捉え、一人ひとりの体質や状態に合わせた、多角的な治療を行います。体質改善を目的とした漢方薬の処方や、鍼灸治療によって気の流れを整え、自然治癒力を高めることで、根本的な改善を目指します。