その他 東洋医学から見る癃閉
癃閉とは、東洋医学において、尿の排泄が滞り、スムーズに行われない状態を指します。これは、現代医学で言う「尿閉」や「排尿困難」と重なる部分もありますが、東洋医学では、西洋医学的な病気の診断名に対応させることよりも、患者さん一人ひとりの症状や体質、生活習慣などを総合的に見て、病態を判断することを重視します。尿が出にくい、あるいは全く出ないといった症状は、単に膀胱や尿道の問題だけでなく、体全体の気の巡りや、水分の代謝の乱れが原因となっていると考えます。例えば、冷えによって体が縮こまり、尿の通り道が塞がってしまう、あるいは、過労やストレスによって気が滞り、水分の代謝がうまくいかなくなるといったことが挙げられます。癃閉は大きく分けて、「癃」と「閉」の二種類に分類されます。癃は、尿の出始めが遅く、尿線も細く弱い状態です。一方、閉は尿が全く出ない状態を指します。これらの症状が現れる背景には、腎や膀胱の機能低下の他に、脾の機能低下による水分の代謝異常、肝の気の停滞などが考えられます。治療においては、患者さんの体質や症状に合わせて、漢方薬や鍼灸治療などを組み合わせ、体全体のバランスを整えることを目指します。例えば、冷えが原因であれば体を温める漢方薬を、気の滞りが原因であれば気の巡りを良くする漢方薬を用います。また、生活習慣の改善指導も行い、根本的な体質改善を促すことも重要です。東洋医学では、病気を未然に防ぎ、健康な状態を維持していくことを大切にしています。そのため、癃閉のような症状が現れた際には、早期に相談し、適切な治療を受けることが大切です。
