歯茎出血

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歯茎からの出血:齒衄とは?

齒衄とは、外傷がないのに歯茎から出血することを指します。鼻血のように、何かの拍子に出血するという意味で、鼻衄と同様に齒衄という言葉が使われます。西洋医学では歯肉出血と呼ばれることが多いですが、東洋医学では、単に出血がみられるという表面的な事実に捉われず、その背後にある体質や、出血を引き起こすに至った原因を探ることを重視します。歯茎は、歯をしっかりと支える土台となる大切な組織です。歯茎の健康状態は、全身の健康状態と密接に関係しています。そのため、歯茎から出血するということは、単なる歯茎の局所的な問題として片付けるのではなく、全身のバランスが崩れていることを知らせる大切なサインとして捉えるべきです。このサインを見逃さず、東洋医学では、陰陽五行説や気血津液といった独自の理論に基づき、体質を見極め、根本原因を探ることで、より的確な治療を目指します。例えば、胃熱が原因で歯茎に出血がみられる場合、歯茎が赤く腫れ上がり、痛みを伴うことがあります。また、口臭がきつくなる、便秘する、顔色が赤っぽい、といった症状を伴う場合もあります。このような場合には、胃の熱を冷ます漢方薬を処方したり、熱を生み出す食べ物を控えるよう指導したりします。一方、腎陰虚が原因の場合は、歯茎が乾燥し、出血しやすい状態になります。歯茎が萎縮し、歯が長くなったように見えることもあります。また、めまいや耳鳴り、腰や膝のだるさ、手足のほてりといった症状が現れることもあります。このような場合には、腎の陰を補う漢方薬を処方し、生活習慣の改善を指導します。このように、東洋医学では、齒衄を体質や原因に基づいて分類し、一人ひとりに合わせた治療法を選択することで、根本的な改善を目指します。単に出血を止めるだけでなく、全身のバランスを整えることで、再発を防ぎ、健康な歯茎を維持することに繋がります。