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石蛾:小児の扁桃肥大

石蛾とは、主に幼少期から学童期にかけての子供に見られる、口蓋扁桃の慢性的な肥大を指す言葉です。口蓋扁桃は、口を開けた時に喉の奥に見える左右一対のアーモンド形の組織で、リンパ組織の集合体です。この扁桃は、細菌やウイルスといった外敵が体内に侵入するのを防ぐ、いわば門番のような役割を担っており、体の防衛機構である免疫系において重要な役割を果たしています。石蛾は、この扁桃が炎症を起こすことなく硬く肥大化する点が特徴です。風邪などで扁桃が腫れる扁桃炎とは異なり、痛みや発熱、喉の赤みといった症状は通常見られません。しかし、大きくなった扁桃は、空気の通り道を狭くしてしまうため、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因となることがあります。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が何度も止まる病気で、成長ホルモンの分泌を妨げ、体の発育に影響を及ぼす可能性があります。また、食べ物を飲み込みにくくなる嚥下障害を引き起こすこともあります。さらに、声がこもったり、鼻声になったりといった音声の変化が現れることもあります。石蛾は、主に幼児期から学童期にかけての子供に多く見られ、思春期を迎えると自然に縮小していくことが多いです。そのため、症状が軽度であれば、経過観察のみで特に治療を必要としない場合もあります。しかし、いびきや無呼吸、嚥下障害、発育への影響といった症状が重い場合は、扁桃の肥大を小さくするために扁桃切除手術が必要となることもあります。日頃からお子さんの扁桃の状態に気を配り、いびきをかいている、夜中に呼吸が止まっている、食べ物を飲み込みにくそうにしている、声がこもっている、鼻声になっているといった異変を感じたら、早めに耳鼻咽喉科を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
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胎生期に起こる目の濁り:胎患內障

生まれたときから、眼の中の水晶体と呼ばれるレンズの役割をする部分が濁っている病気を、胎患内障といいます。水晶体は、光を眼の奥にある網膜という場所に集める大切な役割を担っています。この水晶体が濁ると、光がうまく網膜に届かなくなり、視力が下がったり、ものが見えにくくなったりします。最悪の場合、失明に至ることもあります。ですから、生まれたばかりの赤ちゃんは、視力や眼底の状態をきちんと調べる検査を受けることが大切です。水晶体は、カメラのレンズのようなものです。カメラのレンズが曇っていたら、写真は綺麗に写りません。同じように、水晶体が濁っていると、網膜に鮮明な像を結ぶことができません。その結果、視界がぼやけたり、ものが見えづらくなります。特に、胎児期に水晶体が濁ってしまう胎患内障の場合、視力の発達に大きな影響を与えます。生まれて間もない時期は、視覚を通して脳が刺激を受け、視機能が発達していく大切な時期です。この時に、視界がはっきりしない状態が続くと、視力の発達が妨げられてしまう可能性があります。そのため、赤ちゃんの目の状態を注意深く観察することが重要です。保護者は、赤ちゃんの視線の動きや、ものに反応する様子などを注意深く観察し、少しでも気になる点があれば、すぐに眼科の先生に相談しましょう。例えば、赤ちゃんがものに視線を合わせない、眼球が揺れている、黒目の中に白い点が見えるなどの症状があれば、胎患内障の可能性も考えられます。早期に発見し、適切な治療を行うことで、視力の発達を促し、将来の視機能を守ることができます。早期発見と適切な治療は、赤ちゃんの健やかな成長にとって非常に大切です。日頃から赤ちゃんの目に気を配り、少しでも異常を感じたらためらわずに専門医に相談することが重要です。
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小児の健康を指紋で見る:望指紋

望指紋は、主に乳幼児や幼いお子さんの健康状態を推し量るために使われる、東洋医学独特の診断方法です。その方法は至って簡単で、お子さんの人差し指、すなわち第二の指の手のひら側の指紋の様子を見るだけで、体の状態や病気の有無を推測します。この診断方法は、痛みや負担を伴う検査とは全く異なり、体に触れるだけなのでお子さんへの負担が少ないという大きな長所があります。さらに、特別な医療器具も必要としないため、ご家庭でも手軽に行うことができます。望指紋で何が分かるかというと、主に消化器系統の状態を把握することができます。例えば、指紋の色つきの濃淡、指紋の線の太さや長さ、線の曲がり具合、指紋全体の形などを総合的に見て判断します。健康な状態であれば、指紋は鮮やかな紅色で、輪郭がはっきりとしています。しかし、体に不調があると、指紋の色が薄くなったり、紫色を帯びたり、輪郭がぼやけてきたりします。また、特定の部位の指紋に変化が現れることで、どの臓腑に問題があるのかを推察することも可能です。望指紋は、経験に基づいた診断方法です。熟練した医師であれば、指紋のほんのわずかな変化から、病気の初期段階や隠れている健康の危険性を見抜くこともできます。例えば、指紋の色がいつもより少し薄い、線が少しぼやけているといった、一見些細な変化も見逃しません。このようなわずかな兆候から、早期に適切な養生法を指導することで、病気の重症化を防ぐことに繋がります。望指紋は、その手軽さと安全性から、お子さんの健康管理において大切な役割を担っていると言えるでしょう。
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解顱:東洋医学的理解と治療

解顱とは、東洋医学における病気の一つで、現代医学で言う水頭症に似た状態を指します。乳幼児期に多く見られるこの病気は、頭蓋内に水が過剰に溜まることで頭が大きくなってしまうのが特徴です。この水の溜まりすぎは、脳の中を巡る水(脳脊髄液)の流れが悪くなったり、吸収されにくくなったり、作られすぎることなどが原因だと考えられています。東洋医学では、体の中の水の巡りや働きに異常が生じていると考えます。特に、脾(ひ)と胃(い)の働きが弱っていることが大きく関係しています。脾と胃は体の中の水の巡りを整える大切な役割をしており、これらの働きが弱まると、水がうまく処理されずに体に溜まりやすくなります。また、腎(じん)も水の巡りを根本的に管理する臓器であり、腎の働きが弱まると、水の巡りのバランスが崩れて解顱のような症状が現れると考えられています。腎は生命エネルギーの源である「精」を蓄え、成長や発育を促す働きも担っています。腎の気が不足すると、水液代謝が滞り、頭に水が溜まりやすくなると考えられます。さらに、生まれつきの体質や、体に悪いものが入って起こる病気(感染症)なども、解顱を引き起こす原因の一つと考えられています。生まれたときから腎の気が不足している場合や、感染症によって体内の水液代謝が乱れることで、解顱を発症することがあります。こうした様々な要因が複雑に絡み合って発症に至ると考えられており、治療においては、個々の体質や状態に合わせて、脾、胃、腎の働きを整えることが重要になります。具体的には、食事療法や漢方薬、鍼灸治療などを用いて、体全体のバランスを整え、水の巡りを良くすることで、症状の改善を目指します。また、保護者は、子どもの頭囲の定期的な測定や、気になる症状があれば早めに専門家に相談することが大切です。
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小児の急驚風:知っておくべきこと

急驚風とは、主に乳幼児期に見られる発作で、急な高熱に伴って手足が突っ張ったり、ふるえたり、意識がなくなるといった症状が現れます。医学的には熱性けいれんとも呼ばれ、初めてこの発作を目撃した親御さんは大変驚かれることと思います。急驚風は生後6ヶ月から5歳くらいまでの子供に多く見られ、特に1歳半前後がピークと言われています。原因は、この年齢の子供は体温調節機能が未熟なため、ちょっとした感染症でも急に熱が上がりやすいことにあります。そして、急激な体温上昇が脳に影響を与え、けいれん発作を引き起こすと考えられています。多くの場合、けいれんは数分以内に治まり、後遺症を残すことも稀です。ただし、けいれんが5分以上続く場合や、呼吸が止まってしまう場合、顔色が悪い、意識が戻らないといった場合は、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。また、けいれんが治まった後でも、念のため医療機関を受診し、適切な診断と処置を受けることが大切です。急驚風は小児期に比較的よく見られる症状の一つで、ほとんどの場合、予後は良好です。しかし、稀に他の病気が隠れている場合もあるため、専門医による診察が重要です。日頃から子供の体調をよく観察し、少しでも異変を感じたら、早めに医療機関に相談するようにしましょう。正しい知識を持つことで、親御さんは落ち着いて対処し、お子さんの健康を守ることができます。普段から水分補給をしっかり行い、栄養バランスの良い食事を心がけ、感染症予防に努めることも大切です。
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小児の痙攣:天釣を理解する

天釣とは、主に幼い子どもに見られる特有の発作のことです。高い熱が出て、頭が後ろに反り返り、眼球が上に向くといった特徴的な姿が見られます。まるで空に魚を釣り上げるように見えることから、「天釣」と呼ばれています。東洋医学では、人の体は「気」「血」「水」のバランスで成り立っており、これらの流れが滞ったり偏ったりすると、病気を引き起こすと考えます。天釣もこの流れの乱れ、特に肝の働きと深く関わっています。肝は、感情の調節や血液の貯蔵、全身の気の巡りをスムーズにする働きを担っています。子どもは体がまだ十分に発達しておらず、急な熱やその他の刺激によって肝の気が乱れやすく、上に昇り詰まってしまうことがあります。この肝の気の乱れが、筋肉の緊張や痙攣を引き起こし、天釣の症状として現れると考えられています。西洋医学では、天釣は熱性痙攣の一種として扱われます。熱性痙攣は、高い熱が出た時に起こる痙攣発作で、多くの場合、特に治療をしなくても自然に治まります。しかし、東洋医学では、天釣を単なる熱への反応としてではなく、体全体のバランスの崩れとして捉えます。子どもは成長過程にあり、体質も変化しやすい時期です。そのため、一時的な熱を下げるだけでなく、体質を根本から改善し、肝の働きを整えることが重要だと考えます。具体的には、普段からの食事や生活習慣に気を配り、消化機能を高め、肝の負担を減らすことが大切です。また、精神的なストレスも肝の気に影響を与えるため、穏やかな環境で過ごすことも心がける必要があります。天釣を繰り返す場合は、専門の医師に相談し、体質に合った漢方薬などを用いて、肝の機能を強化し、気の巡りを良くする治療を行います。これにより、発作の再発を防ぎ、健やかな成長を促すことができると考えます。
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百日咳に似た症状、百晬內嗽とは?

生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ体が十分に発達しておらず、様々な特有の症状が現れることがあります。その一つに、生後百日くらいまでの赤ちゃんに見られる「百晬内嗽(ひゃくじゅつないそう)」と呼ばれる症状があります。これは、痰を伴う咳や喘鳴(ぜんめい)を主な症状とするものです。大人の乾いた咳とは異なり、百晬内嗽の咳は、ゼコゼコと痰が絡んだ湿った咳であることが特徴です。まるで水が喉に詰まっているかのような、苦しそうな咳をすることがあります。また、呼吸をするたびにヒューヒュー、ゼーゼーといった音が聞こえる喘鳴もよく見られます。これは、赤ちゃんの気道が狭くなっていることを示しています。これらの症状は、呼吸機能が未発達な赤ちゃんにとって大きな負担となります。呼吸が苦しくなり、ミルクを十分に飲めなくなったり、ぐっすり眠れなくなったりすることもあります。さらに、呼吸困難に陥る危険性もあるため、注意が必要です。特に、授乳後や夜間、早朝など、体の冷えやすい時間帯に症状が悪化しやすい傾向があります。赤ちゃんの咳や呼吸の様子に常に気を配り、少しでも異変を感じたら、すぐに医師に相談することが大切です。「ただの風邪だろう」と自己判断せず、専門家の意見を仰ぎましょう。症状が軽い場合でも、適切な診断と治療を受けることで、重症化を防ぎ、赤ちゃんの健康を守ることができます。東洋医学では、赤ちゃんの体質や症状に合わせて、小児鍼や漢方薬などを用いて治療を行います。保護者の方と連携を取りながら、赤ちゃんの健やかな成長をサポートしていきます。
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赤ちゃんの頭のへこみ:囟陷について

生まれたばかりの赤ちゃんの頭頂部はやわらかく、触れると脈動を感じるところがあります。これは泉門と呼ばれる場所で、骨と骨の隙間にあたります。通常、泉門は皮膚で覆われているため触れても安全であり、赤ちゃんの成長と共に自然と閉じていきます。しかし、この泉門が通常よりもへこんで見える状態を囟陷(しんかん)といい、保護者の皆様にとっては心配の種となるでしょう。囟陷は、必ずしも病気の兆候を示すものではありません。例えば、赤ちゃんが泣いたり、座ったり、立ったりしている際に一時的に泉門がへこんで見える場合があります。これは自然な現象であり、特に心配する必要はありません。しかし、持続的に泉門がへこんでいる場合は、注意が必要です。囟陷の主な原因の一つに脱水症状が挙げられます。赤ちゃんは大人に比べて体内の水分量が少なく、下痢や嘔吐、発熱などで水分を失いやすい傾向にあります。水分が不足すると、体内の水分バランスを保とうとして泉門がへこんでしまうのです。その他にも、栄養不良など、 underlying condition(根底にある状態)が隠れている可能性も否定できません。家庭では、赤ちゃんのおしっこの量や回数、機嫌、皮膚や口の中の乾燥などを観察することが大切です。母乳やミルクをよく飲み、おしっこがいつも通り出ていれば、それほど心配する必要はありません。しかし、元気がなく、ぐったりしている、おしっこの量が減っている、口の中が乾いているなどの症状が見られる場合は、脱水症状の可能性があります。母乳やミルクを少量ずつこまめに与え、水分補給を試みましょう。それでも改善が見られない場合は、速やかに医療機関を受診し、医師の診察を受けましょう。自己判断で対処せず、専門家の適切な助言と治療を受けることが重要です。