冷え性 寒厥:冷えから起こる突然の意識障害
寒厥とは、東洋医学において、突然意識を失う症状のことを指します。これは、厳しい寒さが体に侵入することで引き起こされます。東洋医学では、この寒さを「寒邪」と呼びます。寒邪は、まるで草木を枯らす冬の霜のように、私たちの体の中の温かさの源である「陽気」を奪い、生命活動を支える「気」の流れを滞らせます。私たちの体は、春夏秋冬、自然のリズムと共に変化します。木々が芽吹き、花々が咲き誇る春夏には、体の中にも陽気が満ち溢れ、活気に満ちています。しかし、秋風が吹き始め、冬が到来すると、自然界の陽気は衰え、私たちの体もまた、寒さに備え、エネルギーを蓄える時期を迎えます。この時、寒邪の侵入を防ぐことができなければ、体の中の陽気は奪われ、気が滞り始めます。まるで冬の木々が葉を落とし、生気を失うように、体もまた、寒さに凍え、本来の機能を失っていきます。そして、陽気の衰えが極限に達した時、突然意識を失ってしまうのです。これが寒厥です。寒厥は、単なる気絶とは異なり、命に関わることもある深刻な症状です。冬山で遭難した時や、冷水に長時間浸かった時などに起こりやすく、早急な対処が必要です。まるで凍てついた大地に温かい光が差し込むように、衰えた陽気を補い、滞った気を巡らせることで、再び生命の輝きを取り戻すことができるのです。ですから、寒厥は決して軽視できるものではなく、適切な処置と予防が重要となります。
