その他 卒發:速やかな病の兆候
卒發とは、東洋医学の考え方に基づく病いの出方の一つで、発病から症状が現れるまでが非常に速いことを指します。まるで、長年、静かに水を蓄えてきたダムが、一気に決壊するように、体の中に潜んでいた病の気が急に溢れ出て、激しい症状を引き起こす様を言います。この急激な病状の変化は、体を守る働きである正気が、病の原因となる邪気の勢いに圧倒され、抑えきれなくなっている状態を表しています。例えるなら、乾いた枯れ草に勢いよく火が燃え広がるように、正気が弱まっているところに強い邪気が侵入することで、激しい症状が瞬時に現れるのです。例えば、季節の変わり目に冷えを感じた直後、急に高い熱が出て、激しい咳に襲われるといった場合が、卒發の典型的な例です。他にも、突然の激しい頭痛や腹痛、めまいなども、卒發として捉えることができます。ただし、症状の現れ方は、病邪の種類やその人の体質によって様々です。冷えを伴うもの、熱を伴うもの、激しい痛みを伴うものなど、様々な症状が現れます。卒發の特徴は、発症から症状の出現までが極めて速いこと、そして、予兆が少ないことです。そのため、病気がゆっくりと進行していく場合と比べて、初期の対応がより重要になります。病の勢いが強い分、速やかに適切な処置を行うことで、病状の悪化を防ぎ、早期回復へと繋げることができるのです。
