内傷

記事数:(2)

その他

内傷:心と体の隠れた不調

内傷とは、東洋医学において、身体内部に生じる損傷のことを指します。これは、転倒や打撲といった外から見える傷とは異なり、臓腑の機能低下や生命エネルギーの乱れといった、目に見えない損傷を意味します。東洋医学では、健康とは単に身体の組織や器官が正常に機能している状態ではなく、気・血・津液と呼ばれる生命エネルギーが滞りなく全身を巡っている状態だと考えられています。この生命エネルギーの流れが阻害されると、内傷が生じるとされています。内傷を引き起こす要因は様々です。例えば、過労や睡眠不足、偏った食事、激しい感情の起伏、冷えなどが挙げられます。これらは、生命エネルギーのバランスを崩し、臓腑の働きを弱める原因となります。臓腑はそれぞれ特定の役割を担っており、例えば、心は精神活動を、肝は血液の貯蔵と疏泄を、脾は消化吸収を、肺は呼吸を、腎は成長と発育を司るとされています。これらの臓腑の働きが乱れると、様々な不調が現れます。内傷は静かに進行し、自覚症状が現れにくいという特徴があります。初期症状としては、倦怠感、食欲不振、不眠、イライラ、集中力の低下などが挙げられます。これらの症状を放置すると、さらに深刻な病気に発展する可能性があります。まるで水面に広がる波紋のように、内傷の影響は徐々に全身に広がり、心身のバランスを崩していくのです。ですから、普段から生活習慣を整え、心身のバランスを保つことが内傷の予防、ひいては健康維持に繋がると言えます。
その他

外寒内熱:体の複雑な不調

外寒内熱とは、東洋医学の考え方で、体の表面は冷えているのに、内側は熱を持っている状態を指します。まるで寒い日に、ストーブで温められた部屋にいるような、ちぐはぐな状態です。これは、ただ体が冷えている、あるいは熱があるといった単純な状態とは異なり、体全体のバランスが乱れているサインです。外からくる寒さに体が抵抗しようとすると同時に、体の中で何らかの理由で熱が生まれて、それがうまく外に出ないことが原因だと考えられています。この熱は、風邪などの病気を引き起こす微生物や、食べ過ぎ、心に負担がかかること、毎日同じ時間に寝起きしないなど、様々な要因が複雑に絡み合って生まれるとされています。そのため、外寒内熱は、これ一つだけの症状で現れることは少なく、他の様々な症状を伴うことがよくあります。体の表面が冷えるだけでなく、熱が出る、寒気がする、頭が痛い、のどが痛い、咳が出る、鼻が詰まるといった、いわゆる風邪の症状が見られます。さらに、お腹の調子が悪い、便が出にくい、便がゆるい、気持ちが落ち着かない、夜よく眠れないなど、一見関係がないように思える症状も同時に現れることがあります。このようにいくつもの症状が重なるため、自分だけで外寒内熱だと判断するのは難しいです。自己判断で何とかしようとせず、専門家に診てもらうことが大切です。きちんと治療しないと、長く続く不調につながるおそれもあるので、注意が必要です。東洋医学では、体のバランスを元の状態に戻すことで、外寒内熱を改善していきます。漢方薬を用いたり、ツボを刺激する鍼灸治療、体のバランスを整える食事指導などを通して、体の内側から健康な状態へと導きます。