三部九候

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三部九候:東洋医学における脈診の奥深さ

三部九候とは、東洋医学における脈診の基礎となる考え方で、人の体の状態を掴むための大切な診断方法です。体の決められた場所にある動脈の脈を診ることで、内臓のはたらきや気血の流れ、病気の状態などを判断する技術です。この名前の由来は、脈診を行う場所と、そこで診る脈の種類から来ています。「三部」とは、頭、上肢、下肢の三つの場所を指し、それぞれの場所に上、中、下の三つの動脈があり、合わせて九つの動脈を診ることから「九候」と呼ばれます。これら九つの動脈の脈を総合的に判断することで、全身の状態を詳しく知ることができるとされています。具体的には、頭部では額の動脈(頭部上候)、耳の前にある動脈(頭部中候)、耳の下の動脈(頭部下候)の脈を診ます。上肢では、手首の親指側にある橈骨動脈の肘に近いところ(上肢上候)、橈骨動脈の手首の部分(上肢中候)、手のひらの親指の付け根にある動脈(上肢下候)の脈を診ます。下肢では、足の甲の動脈(下肢上候)、内くるぶしの後ろにある動脈(下肢中候)、足の裏の動脈(下肢下候)を診ます。また、手首の橈骨動脈を寸、関、尺の三つの場所に分け、それぞれの場所で浮いた脈、中間の脈、沈んだ脈の三種類の脈を診る方法も含まれます。この方法は、より詳しい診断を可能にし、病気の初期の兆候やわずかな変化も見逃さないとされています。古くから脈診は経験と熟練が必要な技術とされ、現代でも東洋医学の診断で大切な役割を担っています。