一時的神昏

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厥:東洋医学における突然の意識消失

厥とは、東洋医学において、突然意識が薄れ、倒れてしまう状態を指します。まるで糸がぷつりと切れたように、一時的に意識を失うことが特徴です。多くの場合、しばらくすると自然に意識が戻り、普段通りの生活に戻ることができます。厥は、大きく分けて二つの場合に分けられます。一つは、それ自体が一つの病気として起こる場合です。例えば、激しい痛みや強い精神的ショック、驚き、恐怖など、強い感情の変化がきっかけで厥が起こることがあります。また、暑い場所で長時間過ごしたり、急に立ち上がったりするなど、身体への負担が原因となることもあります。もう一つは、他の病気の一つの症状として現れる場合です。例えば、心臓や肺、脳などの病気、あるいは貧血などの血液の病気が隠れている可能性があります。持病のある方が急に症状が悪化した際にも、厥が現れることがあります。東洋医学では、体内の気の巡りが滞ったり、特定の臓腑(五臓六腑)の働きが弱ったりすることが厥の根本原因だと考えます。具体的には、気の不足や、血の流れの滞り(お血)、あるいは痰と呼ばれる体内の不要な水分の停滞などが、気をスムーズに巡らせなくなり、厥を引き起こすと考えられています。また、心は精神活動を司る臓腑であり、心が弱ると、精神的なショックに耐えられなくなり、厥を起こしやすくなると考えられています。さらに、脾は気を作る働きを担っており、脾が弱ると気虚になりやすく、これも厥の誘因になります。このように、東洋医学では、厥を起こした背景や体質、症状に合わせて、根本原因を探り、治療を行います。例えば、気を補う漢方薬や鍼灸治療を用いて、気の巡りを整え、厥の症状を改善し、再発を予防します。厥は命に関わる重い病気の兆候である場合もありますので、繰り返す場合は必ず医師の診察を受け、適切な処置を受けることが大切です。