悩ましい偏頭痛、東洋医学からのアプローチ

東洋医学を知りたい
先生、『偏頭風』ってよく聞くんですけど、一体どんな病気なんですか?

東洋医学研究家
いい質問だね。『偏頭風』は、頭の片側、あるいは一部がズキズキと痛む病気だよ。慢性的に繰り返すのが特徴で、ひどい時は吐き気を伴うこともあるんだ。

東洋医学を知りたい
ズキズキ痛むんですね…。片頭痛とは違うんですか?

東洋医学研究家
実は、『偏頭風』は片頭痛の昔の言い方なんだ。現代では『片頭痛』と呼ぶのが一般的だね。頭痛の中でも、特に頭の片側が痛むものを指すんだよ。
偏頭風とは。
東洋医学で使われる『偏頭風』という言葉について説明します。これは、頭の片側、もしくは一部分に繰り返し起こる長く続く頭痛のことを指します。
偏頭痛とは

偏頭痛は、頭の片側、もしくは両側に起こる脈打つような痛みを特徴とする頭痛です。この痛みは、ズキンズキンと波打つように感じられ、体を動かすことでさらに強くなることがあります。まるで心臓の鼓動に合わせて痛みが響くように感じ、じっとしていても不快感が続きます。さらに、吐き気や嘔吐を伴うこともあり、光や音、匂いにも過敏になります。太陽の光が眩しく感じられたり、普段は気にならない音がうるさく感じられたり、特定の匂いで気分が悪くなるなど、五感が過敏になることで日常生活に大きな支障をきたすこともあります。
偏頭痛は、慢性的な疾患であり、発作の頻度や持続時間は人それぞれです。数時間でおさまることもあれば、数日間続くこともあり、症状が重い場合は日常生活を送ることが困難になります。仕事や家事が手につかなくなったり、学校に通えなくなるなど、生活の質を著しく低下させる可能性があります。
偏頭痛の原因は完全には解明されていませんが、体質が関係していると考えられています。両親が偏頭痛持ちの場合、子どもも偏頭痛になりやすい傾向があります。また、血管の拡張や神経伝達物質のバランスの乱れも関係していると考えられています。さらに、日常生活における様々な要因も偏頭痛の引き金になります。例えば、過剰な心労や疲れ、睡眠不足、特定の飲食物、天候の変化などが挙げられます。女性の場合、妊娠中や月経周期の影響で偏頭痛が起こりやすくなることもあります。
適切な治療を受けることで、偏頭痛の頻度や症状を軽くし、日常生活への影響を抑えることができます。漢方薬や鍼灸治療は、体質改善を目的とした根本治療として有効な手段となります。さらに、生活習慣の改善も重要です。規則正しい生活を送り、十分な睡眠時間を確保し、ストレスを溜めないようにすることが大切です。偏頭痛の症状に悩まされている方は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
| 特徴 | 性質 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|---|
| 頭の片側または両側の脈打つような痛み、ズキンズキンと波打つ痛み、体を動かすことで悪化、吐き気や嘔吐、光・音・匂いへの過敏 | 慢性疾患、発作の頻度や持続時間は人それぞれ(数時間〜数日間)、生活の質を低下させる可能性 | 不明(体質、血管の拡張、神経伝達物質のバランスの乱れ)、誘因:過労、疲れ、睡眠不足、特定の飲食物、天候の変化、妊娠、月経周期 | 漢方薬、鍼灸治療、生活習慣の改善(規則正しい生活、十分な睡眠、ストレス軽減)、医療機関の受診 |
東洋医学的考え方

東洋医学では、人の体は小さな宇宙のように、常に変化し、周りの環境と調和しながらバランスを保っていると考えます。このバランスが崩れると、体に不調が現れると考えられており、偏頭痛も例外ではありません。偏頭痛は、体内の「気」「血」「水」の流れが滞り、調和が乱れることで起こると考えられています。
「気」は生命エネルギーのようなもので、全身を巡り、体を温めたり、機能を活性化させたりする役割を担っています。この「気」の流れが滞ると、様々な不調が現れ、偏頭痛もその一つです。ストレスや精神的な緊張、過労などは「気」の流れを阻害する大きな原因となります。また、「気」は「肝」と深い関わりがあり、「肝」の働きが弱ると「気」の流れが乱れやすくなります。
「血」は、体に栄養を供給し、体を温める役割を担っています。「血」の流れが悪くなると、体に栄養が行き渡らず、冷えが生じ、偏頭痛の痛みを引き起こしたり悪化させたりすることがあります。冷え性や貧血の方は特に「血」の巡りが悪くなりがちです。
「水」は、体液のバランスを保つ役割を担っています。体内に余分な「水」が溜まると、むくみや冷えの原因となり、これも偏頭痛につながることがあります。水分代謝の異常は、湿度の高い環境や冷たいものの摂り過ぎなどで起こりやすくなります。
東洋医学では、これらの「気」「血」「水」のバランスを整え、滞りを解消することで、偏頭痛を根本から改善することを目指します。鍼灸治療は「気」の流れを調整し、漢方薬は「気」「血」「水」のバランスを整え、食事療法や生活習慣の改善は体質改善を促します。このように、一人ひとりの体質や症状に合わせた総合的な治療法が、東洋医学の特徴です。
| 要素 | 役割 | 不調時の影響 | 関連要因 |
|---|---|---|---|
| 気 | 生命エネルギー、体を温め、機能活性化 | 流れが滞ると様々な不調、偏頭痛もその一つ | ストレス、精神的緊張、過労、肝の機能低下 |
| 血 | 栄養供給、体を温める | 流れが悪くなると栄養不足、冷え、偏頭痛の痛み悪化 | 冷え性、貧血 |
| 水 | 体液バランス維持 | 過剰に溜まるとむくみ、冷え、偏頭痛 | 水分代謝異常、湿度、冷たいものの摂り過ぎ |
東洋医学的偏頭痛治療:気・血・水のバランス調整、滞り解消
治療法:鍼灸治療(気の流れ調整)、漢方薬(気・血・水のバランス調整)、食事療法、生活習慣改善(体質改善)
鍼灸治療

鍼灸治療は、東洋医学を代表する治療法の一つであり、古くから様々な体の不調に対応するために用いられてきました。特に頭痛の中でも、激しい痛みが特徴の偏頭痛に効果を発揮するとされています。
鍼治療では、髪の毛よりもさらに細い鍼を体の特定の場所に刺入します。この場所は「ツボ」と呼ばれ、全身に360以上存在すると言われています。ツボに鍼を刺すことで、体の中に流れる「気」の流れを整え、血液の流れを良くし、痛みを和らげます。偏頭痛の場合は、頭や首、肩、背中などにあるツボに鍼を刺入します。これらのツボへの刺激は、緊張した筋肉を和らげ、血行を改善することで、偏頭痛の痛みを軽減する効果が期待できます。
一方、灸治療は、ヨモギの葉から作られた「もぐさ」に火をつけ、ツボに温熱刺激を与える治療法です。もぐさを燃やすことで発生する熱は、体を温め、血行を促進し、免疫力を高める効果があります。特に冷えやすい体質の方や、慢性的な痛みに悩まされている方に適しています。鍼治療と同様に、灸治療も偏頭痛の症状緩和に用いられます。
鍼灸治療は、痛みを一時的に抑えるだけでなく、自律神経のバランスを整えて体質を改善する効果も期待できます。また、薬のような副作用が少なく、体への負担も少ないため、安心して治療を受けることができます。ただし、鍼灸師の技術や経験によって効果に差が出ることがありますので、信頼できる鍼灸院を選ぶことが大切です。
| 治療法 | 方法 | 効果 | 対象 |
|---|---|---|---|
| 鍼治療 | 髪の毛より細い鍼をツボ(全身に360以上存在)に刺入 | 気の流れを整え、血行改善、痛み緩和、 筋肉の緊張緩和、血行改善による偏頭痛軽減 |
偏頭痛、その他体の不調 |
| 灸治療 | ヨモギの葉から作られた「もぐさ」でツボに温熱刺激 | 体を温め、血行促進、免疫力向上 | 冷え性、慢性痛、偏頭痛 |
| 鍼灸治療(共通) | 一時的な痛み抑制、自律神経バランス調整、体質改善、副作用少、体への負担少 |
漢方薬

漢方薬は、自然由来の草木の根や葉、種子、実などを用いて作られた薬です。これらの材料は「生薬」と呼ばれ、複数の生薬を組み合わせることで、一人ひとりの体質や症状に合わせた治療を行います。西洋医学では、同じ病名であれば基本的に同じ薬が処方されますが、漢方薬では、同じ「頭痛」という症状でも、その人の体質や症状の現れ方によって、使用する生薬の種類や組み合わせが変わってきます。
偏頭痛の治療にも、漢方薬は用いられます。偏頭痛は、脈打つような強い痛みが片側の頭に起こり、吐き気や嘔吐、光や音過敏などを伴うこともあります。このような偏頭痛の原因を、漢方では「気」「血」「水」のバランスの乱れだと考えます。「気」とは生命エネルギーのようなもの、「血」とは血液とその働き、「水」とは体液のことで、これらの流れが滞ったり、不足したりすることで、様々な症状が現れると考えられています。
偏頭痛の場合、「気」の流れを良くする生薬として、例えば陳皮(ちんぴ)や香附子(こうぶし)などが用いられます。これらは、気の巡りを良くすることで、頭痛の原因となる詰まりを解消します。「血」の巡りを良くする生薬には、当帰(とうき)や川芎(せんきゅう)などがあり、血行を促進することで、栄養や酸素を脳に届け、痛みを和らげます。また、「水」の巡りを良くする生薬としては、茯苓(ぶくりょう)や沢瀉(たくしゃ)などがあり、体内の余分な水分を取り除くことで、むくみや水毒による頭痛を改善します。
葛根湯は、風邪の初期症状に用いられる漢方薬として有名ですが、肩こりや頭痛にも効果があります。これは、葛根湯に含まれる生薬が、筋肉の緊張を和らげ、血行を促進する作用を持つためです。五苓散は、体内の水分代謝を調整する効果があり、むくみや水毒による頭痛に用いられます。
漢方薬は、一般的に西洋薬に比べて副作用が少ないとされていますが、体質に合わない場合もあります。自己判断で服用するのではなく、必ず専門家の指導のもとで服用するようにしてください。また、漢方薬は、鍼灸治療と組み合わせることで、より高い効果が期待できます。
| 要素 | 説明 | 代表的な生薬 | 効果 |
|---|---|---|---|
| 気 | 生命エネルギー。滞ると様々な症状が現れる。 | 陳皮、香附子 | 気の巡りを良くし、頭痛の原因となる詰まりを解消 |
| 血 | 血液とその働き。滞ると様々な症状が現れる。 | 当帰、川芎 | 血行を促進し、栄養や酸素を脳に届け、痛みを和らげる |
| 水 | 体液。滞ると様々な症状が現れる。 | 茯苓、沢瀉 | 体内の余分な水分を取り除き、むくみや水毒による頭痛を改善 |
| 漢方薬 | 効果 |
|---|---|
| 葛根湯 | 筋肉の緊張を和らげ、血行を促進。風邪の初期症状、肩こり、頭痛に効果。 |
| 五苓散 | 体内の水分代謝を調整。むくみや水毒による頭痛に効果。 |
漢方薬の服用について
- 自然由来の生薬から作られる
- 複数の生薬を組み合わせ、体質や症状に合わせた治療
- 西洋薬に比べ副作用は少ないが、体質に合わない場合も
- 必ず専門家の指導のもとで服用
- 鍼灸治療と組み合わせると効果的
日常生活の改善

偏頭痛は、脈打つような痛みとともに、吐き気や光過敏などを伴うこともあり、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。西洋医学的な治療と合わせて、東洋医学の知恵を取り入れ、日常生活を改善することで、偏頭痛を予防し、症状を和らげることが期待できます。東洋医学では、偏頭痛は体内の気の流れの乱れや、血(けつ)の不足、あるいは冷えなどによって引き起こされると考えられています。だからこそ、日々の暮らしの中で、これらのバランスを整えることが重要です。
まず、規則正しい生活習慣を心がけましょう。毎日同じ時間に寝起きし、三食きちんと食べることで、体内時計が調整され、気の巡りがスムーズになります。睡眠不足は、体に負担をかけ、気の乱れを招きやすいため、十分な睡眠時間を確保することが大切です。また、過労も気力を消耗させるため、適度に休息を取り入れるようにしましょう。
次に、バランスの取れた食事を心がけましょう。暴飲暴食は消化器官に負担をかけ、気の巡りを滞らせる原因となります。腹八分目を目安に、よく噛んで食べましょう。また、東洋医学では、体を冷やすものは気の流れを滞らせると考えられています。冷たい飲み物や食べ物の摂り過ぎに注意し、温かいものを積極的に取り入れましょう。生姜やネギなどの香味野菜は体を温める効果があり、おすすめです。水分は、血液の循環を良くするために不可欠です。こまめに水分補給を心がけましょう。
適度な運動は、気の巡りを良くし、ストレス解消にも効果的です。激しい運動ではなく、ウォーキングやヨガなど、自分の体力に合わせた運動を継続的に行いましょう。
そして、ストレスは万病の元であり、偏頭痛の大きな誘因となります。ストレスを溜め込まないよう、趣味やリラックスできる時間を持つ、友人や家族と話すなど、自分なりの解消法を見つけることが大切です。
入浴は、体を温め、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果があります。ぬるめのお湯にゆっくりと浸かり、心身ともにリラックスしましょう。
これらの日常生活の改善は、偏頭痛の予防だけでなく、健康維持にも繋がります。日頃から意識して生活することで、偏頭痛の頻度や痛みを軽減し、より快適な毎日を送ることができるでしょう。
| 項目 | 東洋医学的考え方 | 具体的な方法 |
|---|---|---|
| 生活習慣 | 体内時計の調整、気の巡りをスムーズにする | 規則正しい生活、毎日同じ時間に寝起き、三食きちんと食べる、十分な睡眠時間の確保、過労を避ける |
| 食事 | 気の巡りを整える、体を温める | バランスの取れた食事、腹八分目、よく噛む、冷たいものの摂り過ぎに注意、温かいものを積極的に摂取(生姜、ネギなど)、こまめな水分補給 |
| 運動 | 気の巡りを良くする、ストレス解消 | 適度な運動(ウォーキング、ヨガなど) |
| ストレス | 偏頭痛の大きな誘因 | ストレスを溜め込まない、趣味、リラックス、友人や家族との会話 |
| 入浴 | 体を温め、血行促進、筋肉の緊張緩和 | ぬるめのお湯にゆっくりと浸かる |
まとめ

片頭痛は、脈打つような痛みとともに、吐き気や光、音への過敏さを伴うことが多く、日常生活に大きな支障をきたす慢性的な疾患です。西洋医学による治療と並行して、東洋医学的な取り組みを取り入れることで、より効果的な治療が期待できます。
東洋医学では、片頭痛は体全体の気の流れの乱れや、血の滞りなどによって引き起こされると考えられています。「肝」の働きが弱まっていると、精神的なストレスに弱くなり、体に不調が出やすくなるとされています。また、「脾」の働きが弱まっていると、水分代謝が滞り、体に余分な水分が溜まりやすくなる「水毒」の状態になり、これが片頭痛の誘因となることもあります。さらに、冷えや食生活の乱れなども片頭痛に影響を与えると考えられています。
東洋医学的な治療法として、鍼灸治療が挙げられます。鍼灸治療は、経穴(ツボ)に鍼を刺したり、灸を据えたりすることで、気の流れを調整し、血行を促進します。これにより、痛みを和らげ、片頭痛の頻度を減少させる効果が期待できます。また、体質に合わせた漢方薬を服用することも有効です。漢方薬は、体のバランスを整え、根本的な体質改善を図ることで、片頭痛の予防にも繋がります。
さらに、日常生活における養生も大切です。十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動を心がけ、ストレスを溜めないようにすることが重要です。体を冷やさないように温かい飲み物を摂ったり、体を温める食材を積極的に摂取することも効果的です。
片頭痛でお悩みの方は、東洋医学の専門家に相談してみるのも良いでしょう。専門家の指導のもと、脈診や舌診などの診察を通して体質をしっかりと見極め、適切な治療と生活習慣の改善に取り組むことで、片頭痛の頻度や症状を軽減し、より健康で快適な生活を送ることができるでしょう。諦めずに、自分に合った治療法を探し、積極的に取り組むことが大切です。

