東洋医学における遅脈:ゆっくりとした鼓動の意味

東洋医学を知りたい
先生、『遲脈』ってどういう意味ですか?漢字からなんとなくゆっくりした脈搏なのかな?と思うのですが、具体的に教えてください。

東洋医学研究家
そうですね、あなたの言うとおり『遲脈』は脈がゆっくりしている状態を表す言葉です。具体的には、医師が一度息を吸って吐く間に脈が4回未満しか打たない状態のことを指します。現代医学でいう徐脈と同じ意味と考えて良いでしょう。

東洋医学を知りたい
医師の呼吸に合わせて脈拍を数えるんですね。脈拍が少ないと何か体に良くないのでしょうか?

東洋医学研究家
必ずしも悪いとは限りません。健康な人でも脈拍が遅い場合もありますし、安静にしている時や睡眠中は脈が遅くなるのは自然なことです。ただし、めまいや息切れといった症状を伴う場合は病気が隠れている可能性があるので注意が必要です。その場合は医師の診察を受けるようにしましょう。
遲脈とは。
東洋医学では、『遲脈(ちみゃく)』という言葉があります。これは、医師が一度息を吸って吐く間に、脈が4回よりも少ないことを指します。西洋医学でいう『徐脈』と同じ意味です。
遅脈とは何か

息をする間、脈拍の数が少ない状態を遅脈といいます。具体的には、医師が一度息を吸って吐く間に、脈が四回未満しか触れられないことを指します。これは、西洋医学でいう徐脈と同じような状態です。
健康な大人の場合、脈拍は一分間に六十回から百回ほどです。遅脈では、この脈拍の数がかなり少なくなっています。脈拍は心臓の動きを反映しているので、遅脈は心臓の働きが弱まっていることを示しています。
しかし、脈拍が少ないからといって、必ずしも病気というわけではありません。体を休めている時や眠っている時は、脈拍が少なくなるのは自然なことです。また、日頃から体を鍛えている運動選手なども、脈拍が少ない場合があります。
そのため、遅脈かどうかを判断するには、脈拍の数だけでなく、脈の強さやリズム、他に体に異変がないかなども合わせて考える必要があります。東洋医学では、脈を診ることは、ただ脈拍の数を数えるだけでなく、脈の様子から体全体の調子をみる大切な方法です。脈の速さや強さ、リズムなど、様々な要素から体の中の状態を読み取ります。例えば、脈が遅いだけでなく、弱々しい場合は体の力が不足していると考えられますし、脈が遅く力強い場合は、体が冷えていると考えられます。このように、東洋医学では脈診を通して、体の不調の根本原因を探り、体質に合った治療法を見つけます。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 遅脈とは | 医師が一度息を吸って吐く間に、脈が四回未満しか触れられない状態。西洋医学の徐脈と同様。 |
| 脈拍数の目安 | 健康な成人は一分間に60回から100回ほど。遅脈ではこの数がかなり少ない。 |
| 遅脈の要因 | 心臓の働きが弱まっている。ただし、休息時や睡眠時、運動選手などは脈拍が少なくなる場合もある。 |
| 遅脈の診断 | 脈拍の数だけでなく、脈の強さやリズム、他の体の異変も合わせて判断する。 |
| 東洋医学的視点 | 脈診は体全体の調子をみる大切な方法。脈の速さ、強さ、リズムなどから体の中の状態を読み取る。 例: ・脈が遅く弱々しい → 体の力が不足 ・脈が遅く力強い → 体が冷えている |
遅脈の原因を探る

脈がゆっくりとしている状態、すなわち遅脈は、様々な要因が複雑に絡み合って起こると考えられています。東洋医学では、生命活動を支えるエネルギーである「気」の不足、いわゆる気虚が大きな原因の一つとされています。気は全身を温め、各臓腑の働きを活発にする大切なものです。気が不足すると、心臓の活動も弱まり、脈拍が遅くなるのです。
また、気の流れが滞ってしまう気滞も遅脈の原因となります。気は全身をくまなく巡り、生命活動を支えていますが、ストレスや不規則な生活、感情の乱れなどによって、その流れが滞ってしまうことがあります。気滞によって心臓の働きが阻害され、脈が遅くなるのです。
さらに、体内の水分代謝のバランスが崩れ、余分な水分が体に溜まってしまう水滞も脈を遅くする要因となります。東洋医学では、水は生命活動に欠かせないものですが、過剰に溜まると、体の機能を低下させ、心臓の働きにも影響を及ぼします。まるで植物に水をやりすぎると根腐れを起こしてしまうように、体内の水分バランスが崩れると、様々な不調が現れるのです。
そして、血の巡りが悪くなる瘀血(おけつ)も遅脈に繋がることがあります。血は全身に栄養を運び、老廃物を回収する役割を担っています。血の巡りが滞ると、体内の組織に酸素や栄養が行き渡らず、心臓の働きも弱まり、脈拍が遅くなるのです。瘀血は、冷えや怪我、長期間の気虚などによって引き起こされることがあります。
加えて、外から侵入する冷え、すなわち寒邪の影響も無視できません。寒邪は体の機能を低下させ、脈拍を遅くする原因となります。特に、寒さに弱い方は注意が必要です。
これらの原因は単独で現れることもあれば、いくつかが組み合わさって現れることもあります。例えば、気虚の状態が長く続くと、血の巡りも悪くなり、瘀血を併発するケースも少なくありません。ですから、遅脈の改善には、その根本原因をしっかりと見極めることが何よりも大切です。

遅脈に伴う症状

脈が遅い、いわゆる遅脈は、それ自体では自覚症状がない場合が多いです。しかし、何かしらの病気が隠れている場合は、その病気に伴う様々な症状が現れることがあります。
例えば、体のエネルギーが不足している状態、いわゆる気虚が原因の場合、全身がだるい、疲れやすい、息が切れやすい、食欲が落ちる、体が冷えるなどの症状が現れることがあります。これは、体の活力が低下し、様々な機能が十分に働かなくなっているためです。温かいものを食べたり、体を温める工夫をしたりするのも良いでしょう。
体内に余分な水分が溜まっている状態、いわゆる水滞を伴う場合は、むくみ、尿の量が減る、めまい、吐き気などの症状が見られることもあります。これは、体内の水分の循環が悪くなり、水分が停滞しているためと考えられます。水分の摂りすぎに注意し、利尿作用のある食べ物を積極的に摂るようにしましょう。
血液の流れが滞っている状態、いわゆる瘀血が原因の場合は、頭痛、肩こり、生理痛、肌の色つやが悪くなるなどの症状が現れる可能性があります。これは、血液の循環が悪くなり、体に必要な栄養や酸素が十分に届かなくなっているためです。適度な運動やマッサージなどで血行を良くすることが大切です。
さらに、心臓の働きが著しく低下している重症の場合は、意識が薄れる、意識を失うなどの重篤な症状が現れることもあり、注意が必要です。このような症状が現れた場合は、一刻も早く医療機関を受診することが重要です。自分一人で判断して何とかしようとせず、専門家の診察を受けるようにしましょう。脈が遅いからといって必ず重篤な病気というわけではありませんが、放置すると重大な病気が隠れている場合も見過ごしてしまう可能性があるため、気になる症状がある場合は医師に相談することをお勧めします。
| 原因 | 症状 | 対処法 |
|---|---|---|
| 気虚(エネルギー不足) | 全身倦怠感、疲労感、息切れ、食欲不振、冷え | 温かいものを食べる、体を温める |
| 水滞(余分な水分の滞り) | むくみ、尿量減少、めまい、吐き気 | 水分の摂りすぎに注意、利尿作用のある食べ物を摂取 |
| 瘀血(血液の滞り) | 頭痛、肩こり、生理痛、肌の色つやが悪くなる | 適度な運動、マッサージ |
| 重症例(心臓機能低下) | 意識障害、意識消失 | 一刻も早く医療機関を受診 |
遅脈への対処法

脈が遅い、いわゆる遅脈は、東洋医学では単なる心臓の働きの問題とは捉えず、体全体の気の巡りやバランスの乱れが原因と考えます。その為、対処法も原因によって異なってきます。
まず、気虚、つまり気が不足している状態であれば、気を補うことが大切です。食事では、米や麦などの穀物、大豆や小豆などの豆類、根菜類や葉物野菜、きのこ類などを積極的に摂りましょう。これらは気を養う力を持つとされています。また、高麗人参や黄耆などの気を補う生薬を用いた漢方薬も有効です。
次に、気滞、気が滞っている状態では、鍼灸治療が効果的です。ツボを刺激することで、滞った気をスムーズに巡らせ、脈拍を整えます。
水滞、つまり体内に余分な水分が溜まっている状態では、水分代謝を促す漢方薬が用いられます。体内の水分バランスを整えることで、水滞が原因の遅脈を改善します。
瘀血、血の巡りが悪い状態では、マッサージが有効です。マッサージによって血行を促進し、滞った血を流し、脈拍を安定させます。
また、寒邪、つまり冷えも遅脈の原因となります。体を冷やす食べ物を避け、生姜やネギなどの体を温める食材を積極的に摂りましょう。冷えやすい手足や腰には、温湿布やカイロなどで温めるのも効果的です。
さらに、日常生活では、規則正しい生活習慣を心がけ、十分な睡眠と休息をとり、過労やストレスを避け、心身をリラックスさせることが大切です。激しい運動ではなく、ウォーキングやヨガなど、無理のない範囲で体を動かすことも、気の流れを整え、血行を促進し、遅脈の改善に繋がります。
| 状態 | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 気虚 | 気が不足している |
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| 気滞 | 気が滞っている |
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| 水滞 | 体内に余分な水分が溜まっている |
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| 瘀血 | 血の巡りが悪い |
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| 寒邪 | 冷え |
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| 日常生活 | 生活習慣の乱れ、過労、ストレス |
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日常生活での注意点

脈拍がゆっくりである状態は、日常生活において幾つかの注意点を守ることで、より健康に過ごすことができます。まず急な温度変化は避けましょう。寒い戸外から暖かい室内へ急に移動したり、熱い湯船に急に浸かったりすると、血圧が大きく変動し、目眩や気を失うといった症状が現れることがあります。冬の寒い時期は特に注意が必要です。また、激しい運動は心臓に負担をかけるため控えましょう。軽い運動は血の巡りを良くする効果がありますが、激しい運動は体に悪影響を与えることがあります。自分の体の状態に合わせて、無理のない範囲で体を動かすように心がけましょう。日常的に軽い散歩や体操を取り入れると良いでしょう。
さらに、刺激物にも気を配りましょう。お茶やコーヒーなどに含まれる興奮作用のある成分やお酒の飲み過ぎは、脈拍に影響を及ぼすことがありますので、適度に摂取するようにしましょう。また、たばこも血の巡りを悪くするため、吸わないようにしましょう。禁煙は健康維持のために重要です。脈が遅い方は、食生活にも気を配ると良いでしょう。バランスの良い食事を心がけ、塩分の摂り過ぎに注意しましょう。塩分を摂り過ぎると、体に水分が溜まりやすくなり、心臓に負担がかかります。薄味の食事を心がけ、素材本来の味を楽しむようにしましょう。そして、十分な睡眠をとることも大切です。睡眠不足は体に様々な悪影響を及ぼしますので、毎日規則正しい生活を送り、しっかりと休息を取りましょう。これらの点に気を付けることで、脈拍の遅さに伴う症状の悪化を防ぎ、健康な生活を送ることに繋がります。日々の暮らしの中で、これらの点に意識を向け、健康管理に努めましょう。
| 注意点 | 詳細 |
|---|---|
| 急な温度変化を避ける | 血圧の大きな変動による目眩や失神を防ぐため、特に冬は注意。 |
| 激しい運動を控える | 心臓への負担を軽減するため、軽い運動にとどめ、無理のない範囲で体を動かす。 |
| 刺激物に気を配る | お茶、コーヒー、お酒、タバコなどは脈拍に影響するため、適度な摂取を心がける。特にタバコは禁煙が望ましい。 |
| 塩分を控える | 心臓への負担を軽減するため、薄味の食事を心がける。 |
| 十分な睡眠 | 睡眠不足は体に悪影響を与えるため、規則正しい生活と十分な休息を心がける。 |
専門家による適切な診断

脈拍がゆっくりである状態、いわゆる遅脈は、健康な方でも見られる現象です。激しい運動をする方や、生まれつき脈拍がゆっくりな方もいらっしゃいます。しかし、時として重大な病気が隠れている可能性も無視できません。そのため、ご自身の判断でそのままにせず、少しでも気になる症状があれば、専門家に相談することが大切です。
東洋医学の考え方に基づく専門家は、脈を診る脈診だけでなく、舌の様子を診る舌診、お腹の状態を診る腹診、そして詳しくお話を伺う問診など、様々な方法を用いて全身の状態を総合的に判断します。西洋医学では見過ごされがちな体質や生活習慣なども考慮し、その方に合わせた丁寧な助言を行います。例えば、冷えやすい体質の方には、体を温める食材や生活習慣の改善を勧めます。また、ストレスが原因と考えられる場合には、心の状態を整えるための方法を提案します。
さらに、東洋医学的な診察だけでなく、西洋医学的な検査が必要だと判断した際には、医療機関への紹介状を作成することも可能です。これは、東洋医学と西洋医学の両方の観点から、患者さんの健康をサポートできる体制を整えているからです。遅脈は、適切な対処をすることで改善が期待できる症状です。早期発見、早期治療が重要ですので、少しでも不安に思うことがあれば、ためらわずに専門家の診察を受けて下さい。ご自身の体の状態を正しく理解し、適切な対応を取ることで、健やかな生活を送ることがきっとできるはずです。
| 東洋医学的アプローチ | 西洋医学的アプローチとの連携 |
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重要事項:
- 遅脈は重大な病気のサインの可能性もあるため、自己判断せず専門家へ相談
- 早期発見・早期治療が重要
