心下悸:動悸と違うの?その原因と対処法

東洋医学を知りたい
先生、『心下悸』ってどういう意味ですか?漢字から何となく心臓がドキドキする感じかな?と思ったんですが…。

東洋医学研究家
良いところに気がつきましたね。心臓がドキドキする、というのは、だいたい合っています。もう少し詳しく説明すると、『心下悸』はみぞおちの辺りで感じる拍動のことを指します。みぞおち、わかりますか?

東洋医学を知りたい
はい、おへその少し上の方にある、押すと少し痛いところですよね。そこがドキドキする感じということですか?

東洋医学研究家
その通りです。みぞおちの少し上、胸骨の下端のところを『剣状突起』というのですが、そのすぐ下の『心窩部』という場所で感じる拍動のことを『心下悸』といいます。東洋医学では、体の状態を知る上で重要なものとして扱われています。
心下悸とは。
みぞおちのあたり、胸骨という胸の真ん中にある骨の下の方で感じるドキドキ(拍動)のことです。
心下悸とは何か

心下悸(しんかき)とは、みぞおちの少し下、医学の言葉で言うと剣状突起より下の心窩部(しんかぶ)で感じる拍動のことです。みぞおちの辺りで心臓がどきどきと脈打つように感じたり、波打つような感覚、あるいは何かが動いているような、何となく気持ちの悪い感じを覚えることを指します。この拍動は、必ずしも心臓の鼓動と一致しているとは限りません。まるでみぞおちの奥で魚が跳ねるように、ぴくぴくとした動きを感じたり、波のようにゆっくりとした動きを感じたりと、人によって感じ方は様々です。
健康な人でも、激しい運動の後や強い緊張、興奮状態、あるいは疲労を感じている時などに一時的に心下悸が現れることがあります。また、食事の後、特に食べ過ぎた時や脂っこいものを多く摂った時にも、胃の活動が活発になることで心窩部が圧迫され、心下悸を感じることがあります。さらに、妊娠中は、大きくなった子宮が横隔膜を押し上げることで、心臓の位置が変わり、心下悸を感じやすくなる場合もあります。
しかし、特に原因がないのに頻繁に心下悸が起こる場合は、注意が必要です。例えば、貧血、不整脈、甲状腺機能亢進症、神経症、心臓神経症、胃腸の病気、更年期障害といった様々な病気が隠れている可能性があります。また、ストレスや不安、緊張といった精神的な要因も大きく影響します。
心下悸が続く場合は自己判断せずに、医療機関を受診し、適切な診断を受けることが大切です。医師は、問診や身体診察、心電図検査、血液検査、超音波検査などを行い、原因を特定していきます。原因に基づいた治療を行うことで、症状を改善し、健康な状態を取り戻すことができます。
| 症状 | みぞおちの少し下(心窩部)で感じる拍動、心臓がどきどき脈打つ感じ、波打つ感覚、何かが動いているような違和感 |
|---|---|
| 拍動の性質 | 心臓の鼓動と一致するとは限らない、ぴくぴくとした動き、ゆっくりとした動きなど様々 |
| 一時的な心下悸の原因 | 激しい運動後、強い緊張・興奮状態、疲労、食後(特に食べ過ぎや脂っこいものを摂った時)、妊娠中 |
| 病気が疑われる場合 | 特に原因がないのに頻繁に心下悸が起こる場合 |
| 考えられる病気 | 貧血、不整脈、甲状腺機能亢進症、神経症、心臓神経症、胃腸の病気、更年期障害、ストレス、不安、緊張など |
| 対応 | 心下悸が続く場合は自己判断せず医療機関を受診 |
| 診断方法 | 問診、身体診察、心電図検査、血液検査、超音波検査など |
動悸との違い

胸がどきどきする不快な感覚。それは心臓の鼓動を強く感じる動悸かもしれません。似たような症状に心下悸というものがありますが、この二つは微妙に異なります。
動悸とは、心臓の鼓動を強く意識する状態全般を指します。ドキドキと感じたり、脈が速くなったり、乱れたりするなど、様々な形で現れます。感じる場所は胸や喉のあたりが多く、心臓そのものの異常や、精神的な影響など様々な原因が考えられます。
一方、心下悸はみぞおちのすぐ下、医学的には心窩部と呼ばれる場所で感じられる拍動に限定されます。みぞおちの奥で脈打つような感覚が特徴です。この心窩部は胃の入り口付近に位置し、心臓とは少し離れています。そのため心臓自体に問題がなくても、胃の不調や神経の過敏などによって心窩部の血管が拍動を強く感じさせてしまうケースがあります。
ただし、心下悸も広い意味では動悸の一種と捉えることができます。というのも、症状が重なり合う部分が多いからです。どちらの症状も、不安や緊張、疲れ、睡眠不足といった心身の不調、または貧血や甲状腺の機能が亢進している、脈が乱れる不整脈といった病気が原因で起こることがあります。
いずれにしても、自己判断は禁物です。動悸や心下悸を感じたら、何が原因なのか、専門家に相談することが大切です。自分だけで判断せず、適切な助言と治療を受けるようにしましょう。
| 項目 | 動悸 | 心下悸 |
|---|---|---|
| 部位 | 胸、喉 | 心窩部(みぞおちのすぐ下) |
| 症状 | 心臓の鼓動を強く意識する。ドキドキ、脈が速い/乱れる | みぞおちの奥で脈打つ |
| 原因 | 心臓の異常、精神的影響、不安、緊張、疲れ、睡眠不足、貧血、甲状腺機能亢進、不整脈など | 胃の不調、神経の過敏、不安、緊張、疲れ、睡眠不足、貧血、甲状腺機能亢進、不整脈など |
| 分類 | – | 広義では動悸の一種 |
| その他 | 自己判断は禁物、専門家に相談 | 自己判断は禁物、専門家に相談 |
考えられる原因

動悸、つまりドキドキと心臓の鼓動を強く感じる症状の原因は実に様々です。大きく分けて、心臓や血管自体に異常がない機能的な原因と、心臓や血管、周辺臓器に異常がある器質的な原因の二種類に考えられます。
まず、機能的な原因としては、精神的な緊張状態が挙げられます。日々の暮らしで感じるストレスや不安、疲れ、十分な睡眠がとれていないこと、あるいはコーヒーや紅茶などに含まれるカフェインの過剰摂取、タバコなども動悸の原因となります。これらは自律神経と呼ばれる、身体の機能を調整する神経のバランスを崩し、心臓の鼓動を速くしたり、脈のリズムを乱したりしてしまうのです。
次に器質的な原因としては、心臓の弁に異常が生じる心臓弁膜症や、心臓の筋肉に異常が生じる心筋症、脈のリズムが乱れる不整脈、血管が瘤のように膨らむ大動脈瘤、さらに、心臓の周辺にある胃や腸などの臓器の不調なども考えられます。これらの病気は心臓や血管、あるいは周辺の臓器に直接的な異常を引き起こし、動悸の症状として現れることがあります。
特に、みぞおちのあたりで心臓の拍動を強く感じ、同時に胸の痛みや息苦しさ、めまいといった症状が現れる場合は、重大な病気が隠れている可能性があります。このような場合は、すぐに医療機関を受診し、専門家の診察を受けることが大切です。自己判断せずに、速やかに適切な処置を受けるようにしましょう。

日常生活での注意点

動悸が気になる、胸がどきどきするという自覚症状、いわゆる心下悸は、生活習慣の見直しによって大きく改善できることがあります。心下悸は、まるで心臓が踊るように感じたり、胸が締め付けられるように感じたり、不快な症状を引き起こします。このような症状を少しでも和らげるためには、規則正しい生活を送り、自律神経のバランスを整えることが重要です。
まず、質の良い睡眠を十分に確保しましょう。睡眠不足は自律神経の乱れに直結し、心下悸の症状を悪化させる要因となります。毎晩同じ時間に寝起きし、眠る前はリラックスできる時間を作るなど、睡眠の質を高める工夫をしましょう。食事も大切です。栄養バランスの良い食事を心がけ、体の内側から健康を維持しましょう。特に、ビタミンやミネラルが不足すると、心下悸を始めとした様々な不調が現れやすくなります。また、適度な運動も心身の健康に欠かせません。軽い散歩やストレッチなど、無理のない範囲で体を動かす習慣を身に付けましょう。運動によって血行が促進され、自律神経のバランスも整いやすくなります。
さらに、ストレスを溜め込まないことも大切です。ストレスは心下悸の大きな原因の一つです。趣味の時間を楽しんだり、自然の中でゆったり過ごしたり、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。そして、刺激物の摂取は控えましょう。濃いお茶やコーヒーなどに含まれるカフェイン、お酒、タバコなどは、心下悸を悪化させる可能性があります。これらの摂取量を減らし、できる限り控えるように心がけましょう。
これらの日常生活における工夫を続けることで、心下悸の症状を軽減できる可能性があります。ただし、症状が重い場合や、改善が見られない場合は、必ず医師の診察を受けましょう。自己判断で対処せず、専門家の指導を受けることが大切です。
| 心下悸改善のための生活習慣 |
|---|
|
| その他 |
| 症状が重い場合や、改善が見られない場合は、必ず医師の診察を受ける。 |
受診の目安

動悸は、健康な方でも時折経験するものです。激しい運動の後や、緊張した場面、多量のカフェイン摂取後などに起こる動悸は、一時的なものであり、さほど心配する必要はありません。しかし、これといった原因がないのに頻繁に動悸が起こる場合や、動悸が長く続く場合は、注意が必要です。安静時や夜間にも動悸が続くようであれば、医療機関への受診を考えてみましょう。
特に、みぞおちの辺りの拍動と共に、胸の痛み、息苦しさ、めまい、気を失うといった症状が現れる場合は、速やかに医療機関を受診することが大切です。これらの症状は、放置すると命に関わるような重い心臓や血管の病気が隠れている可能性を示唆しています。自分だけで判断せず、専門の医師による的確な診断と治療を受けることが重要です。
東洋医学では、動悸は心と腎の働きが乱れているサインと考えます。心は血脈を司り、精神活動を支える臓器であり、腎は生命エネルギーを蓄える根本的な臓器です。過労や強いストレス、慢性的な睡眠不足、不摂生な生活などは、心と腎の働きを弱め、動悸を引き起こす原因となります。また、冷えや水分代謝の乱れも動悸を悪化させる要因となります。日頃からバランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけ、心身の健康を保つことが大切です。病気を早期に発見し、早く治療を開始することで、その後の経過は大きく変わります。気になる症状がある場合は、ためらわずに医療機関に相談しましょう。
| 分類 | 内容 | 対応 |
|---|---|---|
| 一時的な動悸 | 激しい運動後、緊張、カフェイン摂取など | 心配不要 |
| 注意が必要な動悸 | 原因不明の頻発、持続する動悸 | 医療機関への受診を検討 |
| みぞおちの拍動、胸痛、息苦しさ、めまい、失神を伴う | 速やかに医療機関を受診 | |
| 東洋医学的見解 | ||
| 原因 | 心と腎の機能低下(過労、ストレス、睡眠不足、不摂生、冷え、水分代謝の乱れ) | バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠 |
東洋医学的な考え方

東洋医学は、人と自然との調和、そして体全体の繋がりを重視する医学です。病気は、単に一部分の不調として捉えるのではなく、体全体のバランスが崩れた状態と見なします。心下悸も例外ではなく、体全体のバランス、特に「気・血・水」のバランスの乱れが原因と考えられています。
心下悸は、東洋医学では「動悸」と呼ばれ、心臓がドキドキと激しく高鳴ったり、脈が飛んだりする自覚症状を指します。この動悸は、「気」の乱れと密接に関係しています。「気」は生命エネルギーのようなもので、全身を巡り、体の機能を維持する働きをしています。過労や強い精神的な負担、不規則な生活、睡眠不足といった生活習慣の乱れは、「気」の生成を阻害したり、流れを滞らせたりします。また、驚きや不安、悲しみといった感情の起伏も「気」のバランスを崩す要因となります。「気」が不足すると、心臓の働きが弱まり、心拍が不安定になりやすいため、動悸が起こりやすくなります。さらに、「気」が滞ると、胸部に圧迫感や詰まった感じを生じさせ、これも動悸の原因となります。
東洋医学の治療では、単に症状を抑えるのではなく、根本的な原因である「気」の乱れを整えることを目指します。体質や症状に合わせて、漢方薬を処方し、不足した「気」を補ったり、滞った「気」の流れをスムーズにすることで、心身のバランスを取り戻していきます。また、鍼灸治療も効果的です。ツボを刺激することで、「気」の流れを調整し、動悸を改善に導きます。さらに、日常生活における養生指導も重要です。バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠といった規則正しい生活習慣を身につけ、「気」を養い、心身の健康を維持することが大切です。西洋医学的な検査で異常が見つからない場合でも、東洋医学的な視点から原因を探り、根本治療を目指すことで、心下悸の症状改善が期待できます。
| 東洋医学の視点 | 詳細 |
|---|---|
| 人と自然、体全体の繋がり | 体の一部分だけでなく、全体との調和やバランスを重視 |
| 心下悸の捉え方 | 体全体のバランス、特に「気・血・水」の乱れが原因とする「動悸」 |
| 動悸の症状 | 心臓がドキドキと激しく高鳴る、脈が飛ぶ |
| 動悸の原因 | 「気」の乱れ。過労、ストレス、不規則な生活、感情の起伏など |
| 治療アプローチ |
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| 治療目標 | 心身のバランスを取り戻し、健康を維持する |
| 西洋医学との違い | 西洋医学で異常が見つからなくても、東洋医学的視点から根本治療を目指す |
