声が出ない!失音症の基礎知識

東洋医学を知りたい
先生、『失音』って、完全に声が出なくなることだけを言うんですか?

東洋医学研究家
いい質問だね。完全に声が出なくなるだけでなく、かすれるのも含めて『失音』と言うんだよ。

東洋医学を知りたい
なるほど。じゃあ、風邪で声がかすれただけでも『失音』って言えるんですか?

東洋医学研究家
そうだね。一時的なものも含めて幅広く捉えていいよ。ただ、東洋医学では、その原因や病状をさらに細かく見ていくことになるからね。
失音とは。
東洋医学では『失音』という言葉があり、これは声がかすれたり、全く声が出なくなることを指します。
失音症とは

失音症とは、声が出にくくなる、もしくは全く出なくなる状態を指します。一時的に声がかすれることは誰にでも起こり得ますが、失音症は持続的な声の異常を特徴とし、日常生活に大きな影響を及ぼします。
東洋医学では、声は肺の気の働きと密接に関係すると考えられています。肺の気が不足すると、声は弱々しくなり、かすれやすくなります。また、腎は体全体のエネルギーを蓄える場所で、腎の気が弱まると、肺の気を支えることができなくなり、声にも影響が出ます。さらに、風邪や炎症などによって喉が腫れたり、声帯が炎症を起こしたりすると、声が出にくくなります。このような場合は、炎症を抑え、体の調子を整える治療を行います。
失音症の原因は様々で、声の酷使、精神的なストレス、加齢、全身の病気などが挙げられます。例えば、教師や歌手など、日常的に声を多く使う職業の人は、声帯に負担がかかりやすく、失音症のリスクが高まります。また、強いストレスや不安を感じている時は、気の流れが滞り、声にも影響が出ることがあります。加齢に伴い、体の機能が低下すると、声帯の筋肉も弱まり、声が出にくくなることがあります。さらに、甲状腺の病気や神経系の病気など、他の病気の症状として失音症が現れる場合もあります。
東洋医学では、一人ひとりの体質や症状に合わせて、漢方薬の処方、鍼灸治療、食事指導などを行います。肺と腎の気を補い、体のバランスを整えることで、失音症の改善を目指します。また、日常生活での声のケアも重要です。大きな声を出しすぎない、長時間話さない、乾燥を防ぐために水分をこまめに摂る、そして十分な休養をとるなど、声帯への負担を軽減するよう心がけることが大切です。

失音症の主な原因

失音症は、声がかすれたり、全く出なくなったりする状態を指し、その原因は様々です。大きく分けると、喉の炎症、腫瘍、神経の働きが損なわれること、心の問題、加齢による変化、ホルモンの乱れなどが挙げられます。
まず、喉の炎症は、いわゆる風邪や流行性感冒といった感染症によって引き起こされることが多く、喉が腫れて声帯の振動が妨げられることで、声がかすれたり、出にくくなります。また、花粉やほこりなどのアレルギー反応や、過度な発声、煙や刺激物の吸入なども炎症の原因となります。
次に、声帯に腫瘍ができることも失音症の原因となります。腫瘍には良性と悪性があり、悪性の場合は早期発見と適切な治療が非常に重要です。腫瘍が声帯の動きを阻害することで、声が出にくくなります。
また、脳卒中や頭部外傷などによって、声帯を動かす神経が麻痺することもあります。神経が正常に働かなくなることで声帯の動きが制限され、失音症につながります。麻痺の程度によって症状の重さも変わってきます。
さらに、心理的なストレスや過去の心の傷が原因で声が出なくなる、いわゆる心因性の失音症も存在します。身体的な異常がないにも関わらず、精神的な要因によって声が失われることがあります。
加齢に伴い、声帯が薄く萎縮することもあります。これは自然な老化現象の一つですが、声帯の萎縮によって声が弱くなったり、かすれたりすることがあります。
最後に、甲状腺の働きが低下する甲状腺機能低下症も失音症の原因の一つです。甲状腺ホルモンの不足が声帯のむくみを引き起こし、声が変化することがあります。

東洋医学的見解

東洋医学では、声が出なくなることを失音症と考え、この症状は体内の根本的な力の流れである「気・血・水」の調和が乱れることで起こると考えられています。特に、生命エネルギーである「気」の不足や滞りが声帯の働きに大きく関わるとされます。「気」は全身を巡り、体の様々な機能を支える源です。この「気」が不足すると、声帯を動かす力が弱まり、声が小さくなったり、かすれたりするなどの症状が現れます。また、「気」の流れが滞ると、声帯に緊張や炎症が生じ、声が出にくくなることがあります。
東洋医学では、感情も体に影響を与えると考えます。怒りや悲しみといった感情を長く抑え込むと、「気」の流れが阻害され、声帯の働きにも悪影響を及ぼすことがあります。また、体質も失音症に関係すると考えられています。例えば、「腎」の働きが弱いと、声帯の潤いが失われ、乾燥や炎症を起こしやすくなり、失音症のリスクが高まります。「腎」は体の水分代謝を司る重要な臓器であり、その働きが弱まることで声帯の潤いが失われるのです。さらに、「肺」の働きも声帯に深く関わっています。呼吸をつかさどる「肺」の機能が低下すると、呼吸器系の不調を招き、それが失音症につながることもあります。
これらのことから、東洋医学では失音症の治療において「気・血・水」のバランスを整え、体質を改善することが重要だと考えられています。鍼灸治療や漢方薬を用いて「気」の流れを調整し、「腎」や「肺」の機能を高めることで、声帯の働きを回復させ、失音症の改善を目指します。また、心の状態も大切にし、感情のバランスを整えることも重要です。日常生活においても、バランスの良い食事や適度な運動、十分な休息を心がけることで、「気・血・水」の調和を保ち、失音症の予防につなげることができます。

失音症の治療法

失音症とは、声が出にくくなる、または全く出なくなる病気です。その治療は、原因や症状、体質によって様々です。西洋医学では、炎症を抑える薬や細菌を退治する薬を用いたり、腫瘍を取り除く手術や放射線、抗がん剤を用いた治療が行われます。神経の麻痺が原因の場合は、機能回復のための訓練や薬物治療、手術などが考えられます。心の問題が原因の場合は、心の治療や相談などが有効です。
東洋医学では、体全体の調和を重視し、根本的な原因を取り除くことで失音症の治療を行います。代表的な治療法として、鍼灸治療、漢方薬、推拿療法などがあります。
鍼灸治療は、体の表面にある特定の点(ツボ)に鍼を刺したり、お灸で温めることで、体内のエネルギーの流れ(気)を整え、声帯の機能を回復させます。声帯の動きを良くするツボや、全身の調子を整えるツボなど、様々なツボが用いられます。
漢方薬は、一人ひとりの体質に合わせて、生薬を組み合わせた煎じ薬や錠剤などを用います。体内のエネルギー(気)、血液(血)、水分(水)のバランスを整えることで、声帯の働きを高め、全身の健康状態を改善します。気を補う漢方薬は、声に力を与えるだけでなく、体全体の調子を整えてくれます。
推拿療法は、手技によるマッサージで、筋肉の緊張を和らげ、血行を良くします。首や肩、背中などの筋肉をほぐすことで、声帯への負担を軽減し、声の出やすさを改善します。
これらの東洋医学的治療法は、西洋医学的治療と組み合わせることで、より効果を高めることができます。どの治療法が適しているかは、専門家によく相談し、自分の状態に合った方法を選ぶことが大切です。
日常生活では、声の使い過ぎに注意し、十分な休息をとりましょう。乾燥した空気は声帯に負担をかけるため、加湿器を使ったり、こまめに水分を摂るように心がけましょう。たばこは声帯を刺激し、炎症を悪化させる可能性があるので、禁煙することも大切です。また、刺激の強い食べ物やお酒も控えめにしましょう。
| 治療法 | 方法 | 効果 |
|---|---|---|
| 鍼灸治療 | 体のツボに鍼を刺したり、お灸で温める | 体内のエネルギーの流れ(気)を整え、声帯の機能を回復 |
| 漢方薬 | 一人ひとりの体質に合わせて、生薬を組み合わせた煎じ薬や錠剤などを用いる | 体内のエネルギー(気)、血液(血)、水分(水)のバランスを整えることで、声帯の働きを高め、全身の健康状態を改善 |
| 推拿療法 | 手技によるマッサージ | 筋肉の緊張を和らげ、血行を良くし、声帯への負担を軽減 |
日常生活での注意点
- 声の使い過ぎに注意し、十分な休息をとる
- 乾燥に注意し、加湿器を使ったり、こまめに水分を摂る
- 禁煙する
- 刺激の強い食べ物やお酒を控えめにする
日常生活での注意点

声を出すことが困難になる失音症は、日々の暮らし方を見直すことで防ぐことができます。声帯は繊細な器官ですから、普段から労わり、大切に扱うことが大切です。まず、大きな声を出すことや長時間話し続けることは、声帯に大きな負担をかけます。ですから、できる限り控えるように心がけましょう。例えば、大人数で集まる賑やかな場所では、声を張らなくても会話ができるよう、相手に近づいて話すなど工夫してみましょう。また、カラオケやスポーツの応援などで、つい大声を出したくなる気持ちも分かりますが、これも声帯には大きな負担となります。楽しむ時は良いのですが、頻度や時間に気を配り、程々に楽しむようにしましょう。
歌う時や声を出す際には、正しい発声方法を身につけることも大切です。お腹から声を出す腹式呼吸を意識することで、喉への負担を軽減できます。正しい発声は専門家から学ぶのが一番ですが、自分でも練習できます。本を読んだり、歌を歌ったりする際に、お腹に手を当てて、お腹の動きを感じながら発声練習をしてみましょう。
乾燥も声帯の大敵です。乾燥した空気は声帯の粘膜を乾燥させ、炎症を起こしやすくします。特に冬場や冷暖房を使う際は、加湿器を使ったり、濡れたタオルを部屋に干したりして、適切な湿度に保ちましょう。こまめな水分補給も効果的です。温かい飲み物をゆっくり飲むことで、喉を潤すだけでなく、体全体を温める効果も期待できます。
食生活にも気を配りましょう。刺激の強い食べ物やお酒は、声帯の炎症を悪化させる可能性がありますので、なるべく控えるのが賢明です。また、コーヒーやお茶など、カフェインを多く含む飲み物は利尿作用があり、体内の水分を排出してしまうため、過剰な摂取は避けましょう。栄養バランスの良い食事と十分な睡眠は、免疫力を高め、感染症による声帯の炎症を予防するのに役立ちます。
心身の健康も大切です。ストレスは自律神経のバランスを崩し、声帯の働きにも影響を及ぼすことがあります。適度な運動や趣味の時間、ゆったりと過ごす時間を持つなど、自分なりのストレス解消法を見つけて、心身のリラックスを心がけましょう。そして、健康診断は定期的に受けるようにしましょう。早期発見、早期治療は健康を守る上で非常に重要です。
| 対策 | 具体的な方法 |
|---|---|
| 大きな声、長時間の話しを控える | 賑やかな場所では相手に近づいて話す、カラオケや応援は程々にする |
| 正しい発声方法を身につける | 腹式呼吸を意識する、専門家から学ぶ、発声練習をする |
| 乾燥対策 | 加湿器の使用、濡れタオル、こまめな水分補給、温かい飲み物 |
| 食生活に気を配る | 刺激物やアルコールを控える、カフェインの過剰摂取を避ける、栄養バランスの良い食事、十分な睡眠 |
| 心身の健康を保つ | ストレス解消、適度な運動、趣味の時間、リラックス、定期的な健康診断 |
