涙が止まらない?漏睛のお話

東洋医学を知りたい
先生、『漏睛』ってどういう意味ですか?

東洋医学研究家
『漏睛』は、簡単に言うと、目の端っこにある涙袋が炎症を起こして、涙や膿がずっと出ている状態のことだよ。

東洋医学を知りたい
なるほど。涙袋が炎症を起こしているんですね。慢性的なものなんですか?

東洋医学研究家
そうだよ。慢性的な炎症で、涙だけでなく膿が出ることもあるんだ。だから、目の端っこが赤くなったり、腫れたりする症状も現れることが多いんだよ。
漏睛とは。
東洋医学で使われる『漏睛』という言葉は、涙袋の慢性的な炎症のことを指します。この炎症によって、目頭から涙や膿がたびたび流れ出てきます。
涙の役割

涙は、単なる水分ではなく、私たちの目を守る様々な大切な働きをしています。まず、涙は目の表面を覆うことで、乾燥を防ぎ、滑らかに保つ潤滑油の役割を担っています。このおかげで、私たちは快適にものを見ることができています。涙の分泌量が減ってしまうと、目が乾いてしまい、痛みやかすみなどの不調が現れることがあります。まるで、乾いた大地がひび割れてしまうように、私たちの目も潤いが不足すると、傷つきやすくなってしまうのです。
また、涙は、異物侵入を防ぐ防御壁としての働きも持ち合わせています。目にゴミや埃、あるいは小さな虫などが入り込んだ際に、反射的に涙が大量に分泌されることで、それらの異物を洗い流してくれるのです。さらに、涙にはリゾチームという抗菌成分が含まれています。この成分は、細菌などの微生物を分解する力を持つため、感染症から目を守ってくれています。まるで、城を守る兵士のように、私たちの目を外敵から守っているのです。
加えて、涙は目の表面の細胞に栄養を供給する役割も担っています。涙には、酸素や栄養分が含まれており、角膜などの細胞に届けられることで、目の健康を維持しています。まるで、植物に水をやるように、涙は私たちの目を健やかに保つために必要な栄養を届けているのです。
このように、涙は様々な役割を担い、私たちの目を守ってくれています。常に一定量が分泌され、目の表面を潤し、健やかな状態を保つ涙は、まさに私たちの目を優しく包み込むベールと言えるでしょう。涙の大切さを改めて認識し、目の健康に気を配ることが重要です。
| 涙の役割 | 詳細 | 例え |
|---|---|---|
| 潤滑油 | 目の表面を覆い、乾燥を防ぎ、滑らかに保つ。快適な視界を確保。 | 乾いた大地がひび割れるように、潤いが不足すると目が傷つきやすくなる。 |
| 防御壁 | 異物(ゴミ、埃、虫など)の侵入を防ぐ。反射的に涙が分泌され、異物を洗い流す。 | 城を守る兵士のように、目を外敵から守る。 |
| 抗菌作用 | リゾチームという抗菌成分が含まれており、細菌などの微生物を分解し、感染症から目を守る。 | 同上 |
| 栄養供給 | 酸素や栄養分を角膜などの細胞に供給し、目の健康を維持する。 | 植物に水をやるように、目を健やかに保つために必要な栄養を届ける。 |
| 恒常性維持 | 常に一定量が分泌され、目の表面を潤し、健やかな状態を保つ。 | 目を優しく包み込むベール |
漏睛とは何か

漏睛とは、涙が溢れ出て止まらない状態を指します。涙は、目の表面を潤し、保護するために常に分泌されていますが、通常は涙点と呼ばれる小さな穴から鼻へと排出されます。しかし、様々な原因でこの排出機能がうまく働かなくなると、涙が目に溜まり、溢れ出てしまうのです。これが漏睛と呼ばれる症状です。
漏睛を引き起こす原因の一つに、涙嚢炎が挙げられます。涙嚢とは、涙の通り道にある器官で、ここに炎症が起こると涙が鼻へと流れにくくなります。この炎症は、細菌やウイルスなどの微生物感染によって引き起こされることが多く、風邪や副鼻腔炎などを発症した際に併発することもあります。また、アレルギー反応が原因で涙嚢炎が起こる場合もあります。
涙の通り道に異物が詰まることも、漏睛の原因となります。小さな埃やまつ毛などが涙点に詰まることで、涙の流れが阻害され、目が溢れてしまうことがあります。さらに、まれにではありますが、涙の通り道に腫瘍ができることで漏睛の症状が現れることもあります。腫瘍が涙の排出を妨げることで、涙が過剰に溜まってしまうのです。
漏睛の症状は、常に涙が溢れているという点以外にも、目やにや膿が出る、目のかゆみ、目の周りの皮膚の赤みなどがあります。また、視界がぼやける、光がまぶしく感じるなどの症状を訴える方もいます。これらの症状は、日常生活に支障をきたすだけでなく、放置すると炎症が悪化し、周囲の組織に影響を及ぼす可能性もあるため、早期の診断と適切な治療が重要です。気になる症状がある場合は、眼科を受診し、専門医の診察を受けるようにしましょう。

東洋医学的考え方

東洋医学では、身体をひとつの繋がったものとして捉え、部分的な不調だけでなく、全身の調和を重視します。目の不調である漏睛も、目そのものだけでなく、身体全体のバランスの乱れが原因であると考えます。
東洋医学では、「気・血・水」と呼ばれる生命エネルギーとその循環が健康を保つ上で重要だと考えられています。これらが滞りなく全身を巡ることで、身体の機能は正常に働きます。漏睛の場合、「気・血・水」の巡りの悪さが、涙の分泌や排出機能の不調につながると捉えます。例えば、「気」の不足や停滞は、目の周りの筋肉の働きを弱め、涙の排出をスムーズに行えなくする可能性があります。「血」の不足は、目の周りの組織を栄養不足に陥れ、涙の質に影響を与えるかもしれません。「水」の停滞は、涙の過剰分泌や排出不良を引き起こす可能性があります。
これらの不調を整えるために、鍼灸治療が用いられます。鍼灸治療は、身体にある経絡やツボと呼ばれる特定の場所に鍼を刺したり、お灸で温めたりすることで、「気・血・水」の流れを調整し、身体の機能を回復させます。また、漢方薬も用いられます。これは、自然由来の生薬を組み合わせたもので、個々の体質や症状に合わせて処方され、身体の内側からバランスを整えていきます。
さらに、東洋医学では、日々の暮らし方も大切だと考えます。食事の内容、睡眠の質、精神的なストレスなどは、「気・血・水」のバランスに大きく影響します。暴飲暴食、睡眠不足、過度なストレスは、身体の調和を乱し、漏睛を含む様々な不調につながることがあります。そのため、個々の体質や症状に合わせた食事指導や生活習慣の改善指導も行われます。
このように、東洋医学は、身体全体を調和させ、本来身体に備わっている自然治癒力を高めることで、健康な状態へと導きます。単に症状を抑えるのではなく、根本原因にアプローチすることで、真の健康を目指します。

日常生活での注意点

目の周りの腫れや赤み、かゆみ、涙などの症状を伴う漏睛は、日常生活でのちょっとした心がけで、症状を和らげ、再発を防ぐことが出来ます。まず、清潔を保つことは基本です。涙や目やには細菌の温床となるため、こまめに拭き取りましょう。その際、ごしごしとこすらず、清潔なガーゼや脱脂綿を使って、優しく押さえるように拭き取ってください。使い捨てのものが衛生的でおすすめです。また、タオルの共用も避けましょう。洗顔の際も、目に石鹸や洗顔料が入らないよう気を付け、入った場合はすぐに水で洗い流してください。
目をこするのは厳禁です。かゆみや異物感がある場合は特にこすりたくなりますが、目をこすることで症状が悪化するばかりか、他の病気を引き起こす可能性もあります。我慢できない場合は、冷たいタオルで目を冷やすと、かゆみが和らぎます。目の周りの血行を良くするのも効果的です。蒸しタオルで温めたり、目の周りの骨に沿って軽く指圧するのも良いでしょう。入浴で体を温めるのも血行促進に繋がります。ただし、熱いお湯に長時間浸かるのは避け、ぬるめのお湯にしましょう。
生活習慣の改善も大切です。睡眠不足や偏った食事、過度のストレスは、体の免疫力を低下させ、漏睛の症状を悪化させる原因となります。十分な睡眠時間を確保し、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。緑黄色野菜や果物を積極的に摂り、ビタミンやミネラルを補給することも重要です。ストレスを溜め込まないよう、適度に体を動かしたり、趣味の時間を楽しんだり、リラックスする時間を作ることも心がけましょう。これらの心がけは、漏睛の予防だけでなく、体全体の健康維持にも繋がります。
| 対策 | 具体的な方法 |
|---|---|
| 清潔を保つ |
|
| 目をこすらない |
|
| 生活習慣の改善 |
|
治療について

目の病である漏睛(ろうせい)とは、涙がうまく流れず、目に溢れてしまう状態を指します。涙は通常、涙点という小さな穴から涙嚢(るいのう)という袋を通って鼻へと流れていきますが、この経路のどこかに異常が生じると、涙が目に溜まってしまいます。まるで目の泉が絶えず湧き出ているように見えることから、この名前が付けられました。
漏睛の治療は、その原因や症状の重さによって様々な方法があります。比較的軽い症状の場合、まず目に差す薬や塗る薬を用いた治療を行います。これらの薬は、炎症を抑えたり、涙の通り道をきれいにしたりする効果があります。漢方薬を用いる場合もあり、体質改善を目的とした処方が行われます。
もしこれらの治療で効果が見られない場合や、症状が重い場合には、手術が必要となることもあります。手術では、涙の通り道を広げたり、詰まっているものを取り除いたりします。涙の通り道は非常に細いため、手術には繊細な技術が求められます。手術は、全身に麻酔をかける場合と、部分的に麻酔をかける場合があり、入院が必要となることもあります。
どの治療法を選ぶかは、医師とよく相談して決めることが大切です。医師は、患者さんの状態を丁寧に診て、最適な治療法を提案してくれます。治療を受ける際には、医師の説明をよく聞き、納得した上で治療を受けるようにしましょう。また、治療後も定期的に検査を受け、再発を防ぐことが大切です。日頃から目を清潔に保ち、目の疲れを溜めないようにすることも、漏睛の予防や再発防止に役立ちます。
生活習慣の改善も重要です。目を使いすぎないように気を付け、適度に休憩を取りましょう。パソコンやスマートフォンを長時間使用する場合は、意識的に目を休ませるように心がけてください。また、バランスの良い食事を摂り、十分な睡眠を取ることも大切です。規則正しい生活を送り、体の調子を整えることで、目の健康も保たれます。目の不調を感じたら、早めに医師に相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 定義 | 涙がうまく流れず、目に溢れてしまう状態 |
| 原因 | 涙の排出経路(涙点、涙嚢、鼻への経路)の異常 |
| 症状 | 涙が目に溜まる |
| 治療法 |
|
| 治療方針 | 医師と相談し、症状や体質に合った方法を選択 |
| 予後 | 定期的な検査、再発防止に努める |
| 予防 | 目の清潔、目の疲れを溜めない、生活習慣の改善(目の使いすぎに注意、バランスの良い食事、十分な睡眠) |
専門家への相談

目の不調は、放っておくと深刻な事態を招くこともあります。涙が止まらなかったり、目やにや膿が出るといった症状が続く時は、眼科の先生に診てもらうことが大切です。つらい症状を我慢したり、よく効くからと噂の薬を自分で選んで使ったりすると、かえって病気を悪化させてしまうかもしれません。他の病気を併発する可能性も否定できません。ですから、異変を感じたら早めに眼科へ行きましょう。
眼科の先生は、目の状態をじっくりと診て、症状の原因を探ってくれます。そして、その人に合った治療法を提案してくれます。つらい症状を和らげるだけでなく、日常生活で気を付けることや、病気が再発しないようにするための具体的な方法も教えてくれます。目の健康を保つためには、日頃からの心がけが重要です。病気は深刻になる前に早期発見、早期治療することが大切です。ですから、少しでも異変を感じたら、ためらわずに眼科を受診し、専門家の先生に相談しましょう。
目の不調は、体の不調のサインであることもあります。東洋医学では、五臓六腑の働きが体全体の状態に影響すると考えます。目の不調は肝と特に深い関わりがあるとされています。肝の働きが弱まっていると、目に栄養が行き渡らず、様々な症状が現れることがあります。目の乾き、かすみ、疲れやすさなどは、肝の不調のサインかもしれません。また、目の充血や痛みは、肝に熱がこもっている状態を示唆していることもあります。東洋医学的な観点から体の状態を整えることも、目の健康維持に繋がるでしょう。
| 目の不調 | 対処法 | 東洋医学的観点 |
|---|---|---|
| 涙が止まらない、目やにや膿が出る | 眼科を受診 | – |
| つらい症状、噂の薬の使用 | 悪化の可能性、他の病気併発の可能性、眼科を受診 | – |
| 異変を感じる | 早めに眼科へ | – |
| 目の状態 | 眼科で診断、適切な治療法の提案、日常生活の注意点、再発防止策 | – |
| 目の乾き、かすみ、疲れやすさ | – | 肝の不調のサイン |
| 目の充血や痛み | – | 肝に熱がこもっている状態 |
| 体の不調 | – | 五臓六腑の働きの影響、目の不調は肝と関連 |
