便血:その原因と対処法

東洋医学を知りたい
先生、『便血』ってどういう意味ですか?漢字から、お通じの時の出血のことかな?と思うんですが、詳しく教えてください。

東洋医学研究家
はい、そうですね。あなたの言うとおり、『便血』はお通じの時に肛門から出血する症状のことを指します。具体的には、排便と一緒に出血したり、排便後に血液が出たりする状態です。単なる出血ではなく、排便に関連した出血であることがポイントです。

東洋医学を知りたい
なるほど。痔の出血も便血に含まれるんですか?

東洋医学研究家
そうですね。痔は便血の代表的な原因の一つです。ただし、便血の原因は痔だけではありません。大腸がんや大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎など、様々な病気が考えられます。ですから、便血があった場合は自己判断せずに、医療機関を受診して原因を調べることが大切です。
便血とは。
お通じの際に、肛門から血が出ることを指す『便血』について。
便血とは

便血とは、排便時に肛門から血が排出される状態を指します。この出血は、トイレットペーパーに付着したり、便器の水に赤く混じったり、便の中に混ざって黒っぽく見えたりと、様々な形で現れます。出血の量も少量から大量まで様々で、その原因も多岐にわたります。
便血自体は病気ではありません。他の病気の兆候として現れることがほとんどです。そのため、便血があった場合は自己判断せず、医療機関を受診し、きちんと検査を受けて診断してもらうことが大切です。重大な病気が隠れている可能性も決して低くありません。軽く考えて放置せず、早期発見と早期治療を心がけることで、その後の経過に良い影響を与えることが少なくありません。
鮮やかな赤い色の出血は、肛門に近い場所で出血している可能性が高く、痔核(いわゆる「いぼ痔」)や裂肛(切れ痔)などが原因として考えられます。痔核は、肛門の血管が腫れて瘤のように膨らんだもので、排便時のいきみなどで傷つきやすく出血しやすい状態です。裂肛は、硬い便などによって肛門の皮膚や粘膜が切れてしまう状態です。繰り返すことで慢性化し、痛みや出血を伴うこともあります。
一方、便に混ざって黒っぽい色の出血は、消化管の上部からの出血を示唆している可能性があります。胃潰瘍や十二指腸潰瘍、大腸がんといった病気が原因で、出血した血液が消化管を通過する間に黒っぽく変色するためです。この場合、貧血や倦怠感、腹痛などを伴うこともあります。
どんなに少量の出血でも、体の異変を示す大切なサインです。普段と違う便の状態に気づいたら、注意深く観察し、少しでも不安があれば、早めに医師に相談しましょう。
| 出血の色 | 考えられる原因 | その他症状 |
|---|---|---|
| 鮮やかな赤 | 痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔) | |
| 黒っぽい色 | 消化管上部からの出血(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、大腸がん) | 貧血、倦怠感、腹痛 |
便血は病気の兆候であり、早期発見・早期治療が重要です。少量の出血でも体の異変を示すサインなので、不安があれば医師に相談しましょう。
主な原因

便に血が混じるのは、様々な原因が考えられます。その中でも特に多いものについて、詳しく説明します。まず、痔核は、肛門の周辺にある血管が、うっ血して腫れ、出血するものです。椅子に長時間座っていることが多い方や、妊娠中の方に多くみられます。比較的よくあるもので、痛みがない場合も多いですが、出血量が多い場合は注意が必要です。次に、裂肛は、硬い便や、強いいきみによって、肛門の粘膜が裂けて出血するものです。排便時に強い痛みを伴うことが特徴です。便秘を解消することで、症状が改善することがあります。大腸ポリープは、大腸の粘膜にできる、いぼ状の隆起物です。多くの場合は良性ですが、一部はがん化する可能性もあるため、定期的な検査が必要です。自覚症状がない場合も多いですが、出血することがあります。大腸憩室症は、大腸の壁の一部が外側に袋状に飛び出した状態になる病気です。この袋状の部分に便などが溜まり、炎症を起こしたり、出血することがあります。加齢とともに発症しやすくなります。虚血性大腸炎は、大腸への血流が一時的に悪くなることで、腸の粘膜に炎症や潰瘍が生じ、出血する病気です。動脈硬化などが原因となることが多く、高齢者に多くみられます。炎症性腸疾患は、潰瘍性大腸炎やクローン病など、腸に炎症が慢性的に続く病気の総称です。腹痛や下痢、血便などの症状が現れます。原因は不明な点が多く、難病に指定されています。感染性腸炎は、細菌やウイルスなどの感染によって、腸に炎症が起こる病気です。下痢や腹痛、発熱などの症状とともに、血便が見られることもあります。最後に、大腸がんは大腸にできる悪性腫瘍です。初期には自覚症状がない場合も多いですが、進行すると血便や腹痛、体重減少などの症状が現れます。便に血が混じる原因は様々であり、重大な病気が隠れている可能性もあります。自己判断はせず、医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けることが大切です。
| 病名 | 概要 | 症状 | その他 |
|---|---|---|---|
| 痔核 | 肛門の血管がうっ血して腫れ、出血 | 出血(痛みがない場合も多い) | 長時間座っている人、妊娠中の人に多い |
| 裂肛 | 肛門の粘膜が裂けて出血 | 排便時の強い痛み、出血 | 便秘解消で改善 |
| 大腸ポリープ | 大腸粘膜にできるいぼ状隆起物 | 出血(自覚症状がない場合も多い) | 一部はがん化の可能性、定期検査必要 |
| 大腸憩室症 | 大腸壁の一部が袋状に飛び出し、炎症や出血 | 出血、炎症 | 加齢とともに発症しやすい |
| 虚血性大腸炎 | 大腸への血流悪化で粘膜に炎症や潰瘍、出血 | 出血、炎症、潰瘍 | 動脈硬化などが原因、高齢者に多い |
| 炎症性腸疾患 | 腸に炎症が慢性的に続く病気(潰瘍性大腸炎、クローン病など) | 腹痛、下痢、血便 | 原因不明な点が多い、難病指定 |
| 感染性腸炎 | 細菌やウイルス感染による腸の炎症 | 下痢、腹痛、発熱、血便 | – |
| 大腸がん | 大腸にできる悪性腫瘍 | 血便、腹痛、体重減少(初期には自覚症状がない場合も多い) | – |
東洋医学的見解

東洋医学では、便血は体全体の調和が乱れた結果として捉えます。便に血が混じるという症状だけを見るのではなく、その人の体質や日頃の暮らしぶり、その他の症状なども含めて総合的に判断し、根本原因を探ることが大切です。
便血を引き起こす主な原因として、「血熱」「湿熱」「瘀血(おけつ)」などが考えられます。「血熱」とは、体の中に熱がこもりすぎて、血液の巡りが悪くなり、出血しやすくなった状態です。この状態は、辛い物や脂っこい物の食べ過ぎ、過度な飲酒、夜更かし、強い精神的なストレスなどが原因となることがあります。顔色が赤く、のぼせやすい、イライラしやすいといった症状を伴うこともあります。
「湿熱」とは、体の中に余分な水分と熱が溜まっている状態です。高温多湿の環境で過ごしたり、冷たい物や甘い物、脂っこい物を多く摂ったりすることで、体内の水分代謝が滞り、湿熱が生じやすくなります。湿熱による便血は、粘り気のある便や下痢、腹痛、肛門の熱感などを伴うことが多いです。
「瘀血」とは、血液の巡りが滞り、血の塊が生じている状態です。怪我や手術の後遺症、冷え性、長期間のストレスなどが原因で起こることがあります。瘀血による便血は、黒っぽい色の血が混じり、腹部の張りや刺すような痛み、生理痛の悪化などを伴うことがあります。
東洋医学では、これらの原因に合わせて、漢方薬や鍼灸治療などを用いて体全体のバランスを整え、便血の根本的な改善を目指します。例えば、血熱には熱を冷ます働きのある生薬、湿熱には水分代謝を促す生薬、瘀血には血の巡りを良くする生薬を用います。また、鍼灸治療は、ツボを刺激することで気の流れを整え、自然治癒力を高める効果が期待できます。便血でお悩みの方は、自己判断せずに、東洋医学の専門家に相談してみることをお勧めします。

日常生活での注意点

毎日の暮らしの中で、排便時の出血を防ぎ、調子を整えるためには、気を付けるべき点がいくつかあります。まず、食事についてです。野菜や果物など、食物繊維がたっぷりと含まれる食べ物を積極的に摂ることで、便の滞りを防ぐことが大切です。反対に、香辛料などの刺激の強い食べ物やお酒の飲み過ぎは、腸に負担をかけるため、控えるようにしましょう。水分を十分に摂ることも、便通を滑らかにするために欠かせません。
体を動かすことも大切です。適度な運動は、血の巡りを良くし、心の緊張を解きほぐす効果があります。緊張状態が続くと、自律神経の働きが乱れ、消化器の機能に悪影響を及ぼすことがあります。そのため、ゆったりとくつろぐ時間を作ったり、好きなことをして楽しむなど、緊張を溜め込まないように気を付けましょう。
質の良い睡眠を十分に取ることも、体の機能を回復させる上で重要です。毎日同じような時間に寝起きし、規則正しい生活を送ることで、心身ともに健康な状態を保ち、排便時の出血を防ぎ、症状を和らげることができます。
排便時の出血は、痔など、様々な原因が考えられます。自己判断せずに、医療機関を受診し、適切な助言や治療を受けるようにしましょう。日々の暮らし方を見直し、健康的な習慣を続けることで、より良い状態を目指しましょう。
| 対策 | 詳細 |
|---|---|
| 食事 |
|
| 運動 | 適度な運動で血行促進、緊張緩和 |
| 休養 |
|
| 医療機関の受診 | 自己判断せず、適切な助言や治療を受ける |
受診の目安

血便は、消化器のどこかに異常があるサインです。痔などの比較的軽い病気から、大腸がんのような深刻な病気の可能性もあるため、安易に考えてはいけません。少しでも血便が見られたら、ためらわずに医療機関を受診し、適切な検査を受けることが大切です。
特に、繰り返し血便が出る、出血量が多い、激しい腹痛や熱を伴う、立ちくらみや動悸、息切れといった貧血の症状が現れるといった場合は、一刻も早く医療機関を受診してください。一刻を争う重篤な病気が隠れている可能性も否定できません。
また、血の色にも注意が必要です。鮮やかな赤い血の場合は、肛門に近い場所で出血している可能性が高く、痔や肛門裂傷などが考えられます。一方、黒っぽいタール状の便の場合、胃や小腸など、消化管の上部で出血している可能性があり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などが疑われます。
便の形状や排便習慣の変化にも気を配りましょう。いつもと違う硬い便や軟らかい便が続く、便が細くなる、排便の回数が増える、あるいは減るといった変化も、病気が潜んでいるサインかもしれません。
自分の判断で市販薬を服用したり、症状を放置したりすることは大変危険です。病気を悪化させたり、重大な病気を見逃してしまう恐れがあります。気になる症状があれば、すぐに専門医に相談しましょう。早期発見、早期治療は、多くの病気の予後を大きく改善します。健康を保つためにも、定期的な健康診断も忘れず受けてください。
東洋医学的な観点では、血便は「腸風」「脏毒」などと関連付けられます。体質や生活習慣、食生活なども考慮し、根本的な改善を目指すことが重要です。漢方薬や鍼灸治療なども有効な手段となりますので、東洋医学の専門家への相談も検討してみましょう。
| 血便の特徴 | 考えられる病気 | 緊急度 |
|---|---|---|
| 鮮やかな赤い血 | 痔、肛門裂傷など | 比較的低いが、繰り返す場合は要注意 |
| 黒っぽいタール状の便 | 胃潰瘍、十二指腸潰瘍など | 高 |
| 繰り返し血便が出る、出血量が多い、激しい腹痛や熱を伴う、貧血症状 | 重篤な病気の可能性 | 非常に高い |
| 硬い便や軟らかい便が続く、便が細くなる、排便回数変化 | 様々な病気の可能性 | 中 |
その他:
- 自己判断での市販薬服用や放置は危険
- 早期発見・早期治療が重要
- 定期的な健康診断
- 東洋医学的観点:腸風、脏毒、体質改善
