てんかん:東洋医学からの理解とアプローチ

東洋医学を知りたい
先生、『癲癎』ってどういう意味ですか?漢字が難しくてよくわからないです。

東洋医学研究家
そうですね。「癲癎」は、簡単に言うと、急に意識を失って、口から泡を吹いたり、手足が突っ張ったりする病気のことです。現代医学でいうところの『てんかん』に当たります。

東洋医学を知りたい
意識を失って、泡を吹いて、手足が突っ張る…急にそんなことが起こるんですか?

東洋医学研究家
そうです。発作的に起こるのが特徴です。一時的な意識消失や、手足の痙攣、口から泡を出すといった症状が出て、しばらくすると元に戻ります。東洋医学では、体の中の「気」の流れが乱れることが原因だと考えられています。
癲癎とは。
東洋医学で使われる『癲癎』という言葉について説明します。癲癎とは、口から泡を吹いたり、手足を突っ張らせたりする発作とともに、一時的に意識を失う症状を主な特徴とする病気のことです。
てんかんとは

てんかんは、脳の神経細胞の活動が異常に高まることで起こる発作性の病気です。この過剰な活動は、まるで脳の中で嵐が吹き荒れるように、突然かつ一時的に発生します。そして、様々な症状を引き起こします。よく知られている症状としては、意識を失って倒れる、体が硬直する、手足をばたばたさせるといったものがあります。これらの症状は、まるで操り人形のように、自分の意思とは関係なく体が動いてしまう状態です。発作の最中は、意識がなくなっていることも多く、周りの状況を理解することができません。
発作は通常数分から数分で治まります。しかし、発作の頻度や長さ、症状の重さなどは人それぞれです。毎日何度も発作が起こる人もいれば、年に数回程度の人もいます。また、発作の症状も様々で、意識を失わずに、体の一部がぴくぴく痙攣するだけの場合や、感覚がおかしくなるだけの場合もあります。中には、においや味、光などを感じ方が変わる人もいます。このような発作が繰り返されることで、日常生活に大きな支障が出てしまうこともあります。
てんかんは、子供から年寄りまで、どの年代でも発症する可能性があります。その原因は様々で、脳の腫瘍や頭を強く打ったこと、脳の血管が詰まることなどがきっかけとなる場合もあります。しかし、多くの場合、はっきりとした原因を見つけることができません。原因不明の場合でも、体質や生活習慣などが影響していると考えられています。てんかんは症状が多様で、原因も複雑なため、専門家による丁寧な診察と適切な治療が重要です。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 定義 | 脳の神経細胞の活動が異常に高まることで起こる発作性の病気 |
| 発作の特徴 | 突然かつ一時的な脳の過剰活動 |
| 主な症状 | 意識消失、転倒、身体硬直、手足の痙攣、感覚異常(におい、味、光など)、体の一部痙攣 |
| 発作の時間 | 数秒から数分 |
| 発作の頻度 | 人それぞれ(毎日~年に数回) |
| 発作の重さ | 人それぞれ(軽度~重度) |
| 発症年齢 | 子供から年寄りまで |
| 原因 | 脳腫瘍、頭部外傷、脳血管障害、体質、生活習慣など(多くの場合、原因不明) |
| 治療 | 専門家による丁寧な診察と適切な治療が必要 |
東洋医学におけるてんかん

東洋医学では、てんかんは古くから「癇症」や「癲狂」といった名前で知られており、その捉え方は現代医学とは異なっています。西洋医学が脳の電気信号の異常にてんかん発作を説明する一方で、東洋医学は体全体の気のバランスの崩れから発作を理解しようとします。生命エネルギーである「気」の流れが滞ったり、乱れたりすることで、様々な症状が現れると考えられており、てんかん発作もその一つです。
発作の引き金として特に重要なのは「肝」の機能不全です。東洋医学における「肝」は、感情の調整や気の巡りをスムーズにする役割を担っています。強い感情の揺れ動きや長引く精神的な負担は肝に負担をかけ、その機能を弱めます。肝の機能が弱まると、気の流れが乱れ、風が体内で吹き荒れるように気が暴れる「肝風内動」という状態を引き起こします。この肝風内動がてんかん発作の大きな原因の一つと考えられています。
また、「痰」も発作に関わっているとされています。東洋医学でいう「痰」とは、体内の余分な水分や老廃物が固まったものです。「脾」は消化吸収を担う臓器ですが、脾の働きが弱ると水分代謝が滞り、痰が生まれます。この痰が脳に影響を与え、てんかん発作を引き起こすと考えられています。
さらに、精神活動を司る「心」と生命エネルギーの源である「腎」のバランスの乱れもてんかん発作に関係すると考えられています。心は精神の安定、腎は生命力の維持に深く関わっており、これらの臓器の不調は体全体のバランスを崩し、てんかん発作の誘因となる可能性があります。
このように、東洋医学ではてんかん発作を体全体の気のバランスの乱れとして捉え、肝、脾、心、腎といった複数の臓腑の機能に着目することで、その原因を探り、治療を行います。そして、発作を抑えるだけでなく、体質改善を通して根本的な解決を目指します。

診断と治療

東洋医学では、てんかんの診断にあたっては、からだ全体を診るという考え方が基本となります。西洋医学的な検査結果も踏まえつつ、患者さんの体質や、その時々のからだの状態、舌の様子、脈の様子などを総合的に見て判断します。
診断に基づき、患者さん一人ひとりに合わせた治療方針を立てます。治療の中心となるのは、鍼(はり)治療、灸(きゅう)治療、そして漢方薬の処方です。鍼治療と灸治療は合わせて鍼灸治療と呼ばれます。
鍼灸治療は、経穴(けいけつ)と呼ばれるからだの特定の場所に鍼を刺したり、灸で温めたりすることで、体内の気の巡りを整え、発作を抑える効果が期待できます。てんかんの治療では、感情や精神活動をつかさどる「肝」の働きを整える経穴や、精神を安定させる経穴などがよく用いられます。
漢方薬は、患者さんの体質や症状に合わせて、様々な生薬を組み合わせた処方を用います。発作の引き金となる、体内に停滞した水分(痰たん)を取り除いたり、興奮した気を鎮めたり、血の巡りの滞り(瘀血おけつ)を改善したりする効果のある生薬が選ばれます。
治療に加えて、日常生活における養生指導も重要です。十分な睡眠時間を確保すること、栄養バランスの良い食事を摂ること、過度な仕事や人間関係などでストレスを溜めないようにすることが大切です。また、毎日同じ時刻に寝起きするなど、規則正しい生活習慣を維持することで、発作の起きる回数を減らすことに繋がります。
東洋医学では、心とからだ、そして周囲の環境との調和を重視します。患者さん一人ひとりの状態に合わせた治療と養生を通して、てんかんの症状改善を目指します。
| 診断 |
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|---|---|
| 治療 |
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| 養生指導 |
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| 目的 | 心とからだ、周囲の環境との調和 |
食事療法

東洋医学では、食事は単なる栄養補給ではなく、体全体のバランスを整え、病気を予防し、健康を維持するための重要な要素と考えられています。特に、てんかんのように慢性的な症状を持つ方にとっては、毎日の食事内容に気を配ることが非常に大切です。
てんかんの方は、胃腸に負担をかけない消化しやすい温かい食事を摂るように心がけましょう。冷たい食べ物や飲み物は、胃腸の働きを弱め、体に不要な水分(東洋医学でいう「痰」)を溜め込みやすいため、発作の誘因となる可能性があります。例えば、常温の水や温かいスープ、煮物、蒸し物などを積極的に摂り入れると良いでしょう。また、暴飲暴食は脾(消化吸収をつかさどる臓器)の機能を低下させ、気の流れを乱し、発作を誘発することがあります。食事は腹八分目を心がけ、よく噛んでゆっくりと食べる習慣を身につけましょう。
刺激の強い食べ物や脂っこい食べ物も、体に過剰な熱を生み出し、発作の引き金となる可能性があります。辛いもの、油で揚げたもの、味の濃いものは控えめにし、素材本来の味を生かした薄味の調理法を心がけてください。また、加工食品や添加物の多い食品は体に悪影響を及ぼし、自然治癒力を弱める可能性があります。できるだけ避け、旬の新鮮な食材を使ったバランスの良い食事を心がけましょう。
具体的には、旬の野菜や果物、豆類、海藻類、きのこ類などを積極的に取り入れることが推奨されます。これらは体に必要な栄養素を豊富に含み、体のバランスを整える効果が期待できます。また、体質や症状に合わせて食材を選び、バランスの良い食事を摂ることが大切です。例えば、体を温める効果のある根菜類や、気を補う効果のある穀類などを、バランス良く組み合わせることで、より効果的に健康を維持することができます。日々の食事に気を配り、体質改善を図ることで、てんかんの症状緩和に繋がる可能性があります。
| 推奨される食事 | 避けるべき食事 | その他 |
|---|---|---|
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日常生活の注意点

てんかんを持つ方は、日々の暮らしの中で幾つかの点に気を配ることで、発作の危険性を抑え、より安心して暮らすことができます。まずは、十分な睡眠時間を確保することが大切です。睡眠が不足すると発作が起こりやすくなることが知られています。毎日同じ時間に寝起きし、規則正しい生活を送るように心がけましょう。また、過度な緊張や興奮も発作の引き金となることがあります。緊張を溜め込まないために、ゆったりと過ごせる時間を作ったり、好きなことに熱中したり、自分に合った緊張をほぐす方法を見つけることが重要です。激しい運動や過労も避けるべきです。適度な運動は健康に良いですが、体に負担をかけすぎると発作の危険性が高まることがあります。入浴については、長時間湯に浸かったり、熱い湯に浸かったりするのは避けた方が良いでしょう。湯あたりや体の水分が失われることは発作を誘発する可能性があります。ぬるめの湯に短時間入るようにしましょう。合わせて、深い呼吸や瞑想、ヨガ、好きな音楽を聴く、自然の中で過ごすなど、心身をリラックスさせる時間を取り入れることも効果的です。心を落ち着かせ、穏やかな気持ちで過ごすことは、発作の予防に繋がります。また、カフェインの過剰摂取にも注意が必要です。コーヒーや紅茶、緑茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインは、神経を興奮させる作用があり、発作の引き金となる可能性があります。カフェインの摂取量を控えるか、カフェインレスの飲み物を選ぶようにしましょう。さらに、水分をこまめに補給することも大切です。脱水症状は発作の誘因となることがあるため、特に暑い時期や運動後には意識して水分を摂るように心がけましょう。そして、飲酒や喫煙は発作を誘発するため、控えることが推奨されます。規則正しい生活習慣を維持し、心身ともに健康な状態を保つことで、発作の発生頻度を減らし、より穏やかな日々を送ることができるでしょう。
| 注意点 | 詳細 |
|---|---|
| 睡眠 | 十分な睡眠時間を確保。毎日同じ時間に寝起きし、規則正しい生活を送る。 |
| 緊張・興奮 | 過度な緊張や興奮を避ける。ゆったりと過ごせる時間を作ったり、好きなことに熱中する。 |
| 運動 | 激しい運動や過労を避ける。適度な運動は良いが、体に負担をかけすぎない。 |
| 入浴 | 長時間・熱い湯での入浴を避ける。ぬるめの湯に短時間入る。 |
| リラックス | 深い呼吸、瞑想、ヨガ、音楽鑑賞、自然の中で過ごすなど、心身をリラックスさせる時間を取り入れる。 |
| カフェイン | 過剰摂取を避ける。カフェインレスの飲み物を選ぶ。 |
| 水分 | こまめに水分補給をする。脱水症状は発作の誘因となる。 |
| 飲酒・喫煙 | 控える。 |
