その他 亡陰:命の泉涸れる時
東洋医学では、人の体は「気・血・津液」の三つの要素で成り立っているとされています。このうち、「津液」は体内のあらゆる液体成分を指し、まさに命の源と言えるほど大切な働きをしています。「津液」は、体を潤し、栄養を運び、体温を調整するなど、生命活動を支える土台となっています。この「津液」をより広い意味で捉えたものが「陰液」です。「陰液」とは、「津液」に加えて、体の潤いを保ち、栄養を与える要素全体を指します。まるで植物に水をやるように、私たちの体も「陰液」によって滋養され、健康が保たれているのです。「陰液」が不足すると、どうなるのでしょうか。体の中の潤いが失われ、乾燥し始めます。肌はかさかさになり、目は乾き、髪はパサパサになります。口や喉の渇きも感じやすくなります。さらに、「陰液」の不足は、体の機能低下にも繋がります。栄養がうまく運ばれなくなり、老廃物が排出されにくくなります。すると、疲れやすくなったり、便秘がちになったり、様々な不調が現れてきます。「陰液」が不足すると、熱を生み出しやすくなります。これは、体が乾燥した状態になると、潤いを与えるために熱を生み出そうとするからです。そのため、ほてりを感じたり、寝汗をかきやすくなったりします。また、イライラしやすくなったり、落ち着かなくなったりするなど、精神的な影響も出てきます。「陰液」を保つためには、日々の生活習慣が大切です。水分をこまめに摂ることはもちろん、体を冷やしすぎないことも重要です。冷たい飲み物や食べ物は、体の「陰液」を消耗しやすいため、温かいものを積極的に摂るように心がけましょう。また、睡眠不足や過労、ストレスなども「陰液」を損耗させる原因となります。十分な睡眠をとり、ストレスを溜め込まないように、リラックスする時間を持つことも大切です。バランスの良い食事を摂り、旬の食材を味わうことも「陰液」を養う上で重要です。「陰液」は、私たちの体を支え、健康を維持する上で欠かせないものです。「陰液」を意識した生活を送り、健やかな毎日を過ごしましょう。
